本日は梅毒の「周辺」ではなくて「右と左」について・・
以前、都内最大規模の老人病院におりました時、梅毒によるAI(大動脈弁閉鎖不全)は高齢化による動脈硬化性変化についで第二位の原因という衝撃の事実がありました。
この時に言われたのは梅毒によるAR雑音は胸骨の右縁に聞こえる・・・という指導医のコメントでした。
「青木、おぼえておけよ。梅毒によるARは右に聞こえる。普通は左だが・・。右に聞こえたらRPRを出せ・・」
しかし、実際は必ずしもそうではない・・という事がSapira先生の本にありました。
AR雑音
1)大動脈「弁尖」の病変=胸骨左に雑音放散:リウマチ熱、梅毒
2)大動脈「基部」の病変=胸骨右に雑音放散:大動脈弁心内膜炎、大動脈瘤、解離性大動脈、マルファン、Osteogenesis imperfecta、Ankylosing spondylitis、梅毒性大動脈瘤
そうなんです。大動脈弁の基部が障害されていると右、弁尖がやられると左なのです。
いにしえの医師の注意深い事・・。脱帽です。
ああ、それから以下も学習しました。
Syphilisは詩に出てくる梅毒に罹患した主人公の名前
Luesはラテン語で不運の意味
そう、不運ねぇ・・。不注意、不徳・・・?