山口県で把握された新しい感染症が、宮崎と愛媛でも確認されたというニュースがありました。
感染症のアウトブレイク、新しい感染症が認知されたときには、「実際問題、どれくらい広がっているんだろうねえ」ということが話題になります。
たとえば、HIV感染症は、1982年前後に米国CDCの週報MMWRに掲載された症例などを発端に、広く知られるようになりましたが、その後、保存している血清などを調べて、実はウイルスは1930年頃からヒトの間で感染がおきていたことがわかっています。
痩せていって死ぬとか、急性の呼吸器感染症症状で死ぬということが現象として珍しくない地域では、特定のウイルス感染症の探知が難しかったかもしれません。(さらに、もともと栄養状態も悪く結核も流行していたりする地域です)
その病気が「可視化」されるプロセスには、さまざまな偶然などもあります。
救命以外では、感染症対策としては病原菌の把握・特定と、感染経路の確認(対策を立てる上で最も重要)をすることが最優先であります。
このあたりが不明だと怖いですし、こういった怖さを好んであおるメディアによって実態よりも混乱する人がでたり人権問題がおきます。
検査は商業ベース(どの病院でもお金を払ってオーダーしたら検査会社にしてもらえる)になることが大事で、HIVの場合は1985年には抗体検査が広く行えるようになりました。それまでは研究ベースで特定のところがやるわけです。日本なら国立感染症研究所や地方衛生研究所、大学のラボなど)。
検査する分母が増えれば、通常分子も増えます。
メディアの影響も大きいです「検査してください」受診者が増えたりしますし、医師も「やっておこうか」とオーダー機会が増えるためです。
今回、山口県で報告された発熱と血小板減少が特徴的な、「エスエフティーエス」ダニによる感染症について宮崎と愛媛でも症例が把握されたわけですが、
感染症について、ほかにも症例がいるのではないか?と検討していくのが「積極的な症例探索」ですが、
リケッチア感染症や似たような症例を経験した医師が、保存している検体を用いて検査をしていけば一定数把握されるだろうと想像できます。
重症化した症例で、今後も積極的な症例探索は行われるかもしれませんね。
いっぽう、対策ですが、ダニにかまれないようにする、かまれそうな場所にいかない、かまれないような服装をする、虫よけをする、くらいしかすることがありません。
でも、この新しい情報を知って「たいへんだ」とおびえているのはネット情報に通じているようなヒトで、パソコン画面前の時間が多いような生活では感染はしないでしょう。
しかし、林業、農業、アウトドアが好き、ゴルフをすると緑の多いところにボールがよくとんでいく・・・などでリスクゾーンに足を踏み入れているひとたちは、あまりパソコン画面の前で時間を費やさないと思いますので、この病気のニュースを知らないこともありそうです。
今後は、この媒介しているダニがどれくらい、どの地域にいるのかなあ、、という調査が行われると思います。
ダニをさがして三千里、ではないですがダニを捕獲して順番にしらべていくわけですね。
これは、あそこでとったダニ。これはあちらのダニ。ダニダニ。
調査も厚労マターから、農水マターへのシフトです。
日本ダニ学会という組織があって、農水省が「重要病害虫発生時対応基本方針」に関する協力依頼をしたりしているようです。
あわてて対応するようなことは特にありませんので、続報を待ちたいと思います。
話題になっているので、似たような症例での「刺し口さがし」などを院内勉強会でやるといかもしれませんね。
感染症のアウトブレイク、新しい感染症が認知されたときには、「実際問題、どれくらい広がっているんだろうねえ」ということが話題になります。
たとえば、HIV感染症は、1982年前後に米国CDCの週報MMWRに掲載された症例などを発端に、広く知られるようになりましたが、その後、保存している血清などを調べて、実はウイルスは1930年頃からヒトの間で感染がおきていたことがわかっています。
痩せていって死ぬとか、急性の呼吸器感染症症状で死ぬということが現象として珍しくない地域では、特定のウイルス感染症の探知が難しかったかもしれません。(さらに、もともと栄養状態も悪く結核も流行していたりする地域です)
その病気が「可視化」されるプロセスには、さまざまな偶然などもあります。
救命以外では、感染症対策としては病原菌の把握・特定と、感染経路の確認(対策を立てる上で最も重要)をすることが最優先であります。
このあたりが不明だと怖いですし、こういった怖さを好んであおるメディアによって実態よりも混乱する人がでたり人権問題がおきます。
検査は商業ベース(どの病院でもお金を払ってオーダーしたら検査会社にしてもらえる)になることが大事で、HIVの場合は1985年には抗体検査が広く行えるようになりました。それまでは研究ベースで特定のところがやるわけです。日本なら国立感染症研究所や地方衛生研究所、大学のラボなど)。
検査する分母が増えれば、通常分子も増えます。
メディアの影響も大きいです「検査してください」受診者が増えたりしますし、医師も「やっておこうか」とオーダー機会が増えるためです。
今回、山口県で報告された発熱と血小板減少が特徴的な、「エスエフティーエス」ダニによる感染症について宮崎と愛媛でも症例が把握されたわけですが、
感染症について、ほかにも症例がいるのではないか?と検討していくのが「積極的な症例探索」ですが、
リケッチア感染症や似たような症例を経験した医師が、保存している検体を用いて検査をしていけば一定数把握されるだろうと想像できます。
重症化した症例で、今後も積極的な症例探索は行われるかもしれませんね。
いっぽう、対策ですが、ダニにかまれないようにする、かまれそうな場所にいかない、かまれないような服装をする、虫よけをする、くらいしかすることがありません。
でも、この新しい情報を知って「たいへんだ」とおびえているのはネット情報に通じているようなヒトで、パソコン画面前の時間が多いような生活では感染はしないでしょう。
しかし、林業、農業、アウトドアが好き、ゴルフをすると緑の多いところにボールがよくとんでいく・・・などでリスクゾーンに足を踏み入れているひとたちは、あまりパソコン画面の前で時間を費やさないと思いますので、この病気のニュースを知らないこともありそうです。
今後は、この媒介しているダニがどれくらい、どの地域にいるのかなあ、、という調査が行われると思います。
ダニをさがして三千里、ではないですがダニを捕獲して順番にしらべていくわけですね。
これは、あそこでとったダニ。これはあちらのダニ。ダニダニ。
調査も厚労マターから、農水マターへのシフトです。
日本ダニ学会という組織があって、農水省が「重要病害虫発生時対応基本方針」に関する協力依頼をしたりしているようです。
あわてて対応するようなことは特にありませんので、続報を待ちたいと思います。
話題になっているので、似たような症例での「刺し口さがし」などを院内勉強会でやるといかもしれませんね。