ポリオワクチンについて、日本小児科学会が2011年11月14日に新しい見解を発表。
(小児科学会以外の、こどもを守る組織はこういったステイトメントはださないんだろうか・・)
そして、11月15日の今日の夕方は、ポリオワクチンについて国会議員の勉強会が開かれています。
そこで、ポリオの会の小山さんがこう話をしたそうです。
「安全な不活化ワクチンには補償がないから、補償が必要になるかもしれない生ワクチンを受けてくれという小宮山厚労大臣のお言葉は、矛盾の極みと存じます。補償を受ける必要などない、ポリオ にならないワクチンを選ぶのは、保護者の接種を受ける子供の権利ではないでしょうか」
「ポリオワクチン接種後に発症した小児の急性弛緩性麻痺の1例−北海道」
IASR Vol. 29 p. 200-201: 2008年7月号
ワクチン株由来のポリオについては、報道されただけでも2010年に神戸で報告され、2011年に入って都内で報告されています。
感染症系の専門職も無関係じゃない話です。
「過去のポリオ大流行の時代から、これからはIPVを使用する感染症コントロール社会への変換」
2011年5月「感染症の病理学的考え方
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ポリオワクチン接種に関する見解
日本小児科学会予防接種・感染対策委員会
日本小児科学会は不活化ポリオワクチン(IPV)の早期導入を強く要望しているところですが、導入まではまだ一定の時間を要する見込みです。世界的にはまだ野生株ポリオの流行が存在する中、わが国においてはポリオワクチン接種率を高く保つ必要があります。IPV が導入されるまでポリオワクチン接種を待つことは推奨できません。
日本は 2000 年にポリオの根絶を宣言しましたが、世界ではパキスタンやアフガニスタン、インドなどの南西アジア、ナイジェリアなどのアフリカ諸国で今でも野生株ポリオウイルスの流行が続いており、一旦ポリオが根絶された中国やタジキスタンなどでも最近野生株ポリオウイルスの流行が起こっています。
日本においても、ポリオワクチン接種を見合わせる人が増加すると、免疫を持たない人が増え、国内でのポリオ流行が起こる危険性があります。個人のポリオウイルス感染を防ぎ、ポリオの流行のな
い社会を保つためにはワクチンの接種率を高く保つことが必要です。
生ポリオワクチンは、感染防御能が高く、野生株ポリオウイルスの根絶に有効なワクチンであり、これまで有効性・安全性に関する長期の実績があります。しかし、ごくまれに接種後に手足などに麻痺を起す場合(ワクチン株由来ポリオ麻痺)があります。
生ワクチン接種後に発症したとして健康被害救済が認定された例は最近 10 年間では 15例(100 万接種あたり約 1.4 人)、ワクチンを接種した者の周囲での発症は最近 5 年間で 1 例です。
このような定期予防接種により万一発生した重篤な健康被害に対しては予防接種法に規定された救済制度が適用されます。
生ポリオワクチンを経口投与された児からは大量のポリオウイルスが長期間(約6週間)排泄されます。このため、生ポリオワクチンを経口接種せず、不活化ワクチンも接種しないでいる状態は、生ワクチンを経口接種するよりも、さらにワクチン株由来ポリオ麻痺の発症を高める危険性があります。
地域で生ポリオワクチンが接種されているときには同時期にポリオワクチンを接種することが勧められます。なお、世界保健機関(WHO)は、生ポリオワクチンによるポリオ麻痺を予防するために、お母さんからの免疫が残っている間に初回の接種を受けることを勧めています。
不活化ポリオワクチンは、感染防御能は弱いですが発病予防効果があり、ワクチン接種後のポリオ麻痺発症の恐れがなく、生ポリオワクチンに代わるものとして、有効性と安全性を証明する治験が行われております。
平成 23 年末頃から国内導入のための申請が行われる予定ですが、可能な限り迅速に審査を行っても、定期予防接種として承認されるのは平成 24 年度の終わりころになる見込みとされています。
このため、一部において、不活化ポリオワクチンの個人輸入が行われており、既に 17000 名以上に接種されています。
しかしながら、個人輸入された不活化ポリオワクチンは、国内においては治験が終了していない薬事法上の未承認薬であり、万一接種後に健康被害が発生した場合、定期予防接種における予防接種法に基づく救済制度は勿論のこと、薬事法上の承認を受けた医薬品に係る医薬品副作用被害救済制度も受けることができません。したがって、個人輸入による不活化ポリオワクチンを接種するにあたっては、未承認薬であることを十分ご理解の上で、接種医と保護者の責任と判断において接種されますようお願いいたします。
1) 新疆ウイグル地区:
http://www.wpro.who.int/health_topics/poliomyelitis/china/chnpolio3.htm
2) 北京:http://www.bjhb.gov.cn/gzfwq/zhfw/wsaqts/201109/t20110929_41199.htm
3) タジキスタン:
http://www.euro.who.int/en/what-we-publish/information-for-the-media/sections/latest-pres
s-releases/who-responds-to-polio-outbreak-in-tajikistan
4) Polio vaccines and polio immunization i the pre-eradication era: WHO
positon paper: Weekly epidimiological record No. 23, 2010, 85, 213-228
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(小児科学会以外の、こどもを守る組織はこういったステイトメントはださないんだろうか・・)
そして、11月15日の今日の夕方は、ポリオワクチンについて国会議員の勉強会が開かれています。
そこで、ポリオの会の小山さんがこう話をしたそうです。
「安全な不活化ワクチンには補償がないから、補償が必要になるかもしれない生ワクチンを受けてくれという小宮山厚労大臣のお言葉は、矛盾の極みと存じます。補償を受ける必要などない、ポリオ にならないワクチンを選ぶのは、保護者の接種を受ける子供の権利ではないでしょうか」
「ポリオワクチン接種後に発症した小児の急性弛緩性麻痺の1例−北海道」
IASR Vol. 29 p. 200-201: 2008年7月号
ワクチン株由来のポリオについては、報道されただけでも2010年に神戸で報告され、2011年に入って都内で報告されています。
感染症系の専門職も無関係じゃない話です。
「過去のポリオ大流行の時代から、これからはIPVを使用する感染症コントロール社会への変換」
2011年5月「感染症の病理学的考え方
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ポリオワクチン接種に関する見解
日本小児科学会予防接種・感染対策委員会
日本小児科学会は不活化ポリオワクチン(IPV)の早期導入を強く要望しているところですが、導入まではまだ一定の時間を要する見込みです。世界的にはまだ野生株ポリオの流行が存在する中、わが国においてはポリオワクチン接種率を高く保つ必要があります。IPV が導入されるまでポリオワクチン接種を待つことは推奨できません。
日本は 2000 年にポリオの根絶を宣言しましたが、世界ではパキスタンやアフガニスタン、インドなどの南西アジア、ナイジェリアなどのアフリカ諸国で今でも野生株ポリオウイルスの流行が続いており、一旦ポリオが根絶された中国やタジキスタンなどでも最近野生株ポリオウイルスの流行が起こっています。
日本においても、ポリオワクチン接種を見合わせる人が増加すると、免疫を持たない人が増え、国内でのポリオ流行が起こる危険性があります。個人のポリオウイルス感染を防ぎ、ポリオの流行のな
い社会を保つためにはワクチンの接種率を高く保つことが必要です。
生ポリオワクチンは、感染防御能が高く、野生株ポリオウイルスの根絶に有効なワクチンであり、これまで有効性・安全性に関する長期の実績があります。しかし、ごくまれに接種後に手足などに麻痺を起す場合(ワクチン株由来ポリオ麻痺)があります。
生ワクチン接種後に発症したとして健康被害救済が認定された例は最近 10 年間では 15例(100 万接種あたり約 1.4 人)、ワクチンを接種した者の周囲での発症は最近 5 年間で 1 例です。
このような定期予防接種により万一発生した重篤な健康被害に対しては予防接種法に規定された救済制度が適用されます。
生ポリオワクチンを経口投与された児からは大量のポリオウイルスが長期間(約6週間)排泄されます。このため、生ポリオワクチンを経口接種せず、不活化ワクチンも接種しないでいる状態は、生ワクチンを経口接種するよりも、さらにワクチン株由来ポリオ麻痺の発症を高める危険性があります。
地域で生ポリオワクチンが接種されているときには同時期にポリオワクチンを接種することが勧められます。なお、世界保健機関(WHO)は、生ポリオワクチンによるポリオ麻痺を予防するために、お母さんからの免疫が残っている間に初回の接種を受けることを勧めています。
不活化ポリオワクチンは、感染防御能は弱いですが発病予防効果があり、ワクチン接種後のポリオ麻痺発症の恐れがなく、生ポリオワクチンに代わるものとして、有効性と安全性を証明する治験が行われております。
平成 23 年末頃から国内導入のための申請が行われる予定ですが、可能な限り迅速に審査を行っても、定期予防接種として承認されるのは平成 24 年度の終わりころになる見込みとされています。
このため、一部において、不活化ポリオワクチンの個人輸入が行われており、既に 17000 名以上に接種されています。
しかしながら、個人輸入された不活化ポリオワクチンは、国内においては治験が終了していない薬事法上の未承認薬であり、万一接種後に健康被害が発生した場合、定期予防接種における予防接種法に基づく救済制度は勿論のこと、薬事法上の承認を受けた医薬品に係る医薬品副作用被害救済制度も受けることができません。したがって、個人輸入による不活化ポリオワクチンを接種するにあたっては、未承認薬であることを十分ご理解の上で、接種医と保護者の責任と判断において接種されますようお願いいたします。
1) 新疆ウイグル地区:
http://www.wpro.who.int/health_topics/poliomyelitis/china/chnpolio3.htm
2) 北京:http://www.bjhb.gov.cn/gzfwq/zhfw/wsaqts/201109/t20110929_41199.htm
3) タジキスタン:
http://www.euro.who.int/en/what-we-publish/information-for-the-media/sections/latest-pres
s-releases/who-responds-to-polio-outbreak-in-tajikistan
4) Polio vaccines and polio immunization i the pre-eradication era: WHO
positon paper: Weekly epidimiological record No. 23, 2010, 85, 213-228
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