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Channel: 感染症診療の原則
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おいしそうである

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食中毒のなかで「自然毒」というカテゴリーがあります。

山に入って、収穫してくるようなライフスタイルのある地域では鑑別の中にあがってくることも。

「和歌山県の岩出市の31〜48歳の男女5人が毒キノコのツキヨタケを食べて食中毒に」

です。

「県食品・生活衛生課によると、知人が奈良県内で採ったツキヨタケで、5日午後10時ごろに同市内でそれぞれ炒めて食べ、嘔吐(おうと)や下痢などを発症」

写真をみると、なるほどおいしそうです。

(ツキヨタケOmphalotus guepiniformisキシメジ科ツキヨタケ属 )


食中毒だけじゃなくて「感染」することも千葉大学真菌医学研究センター

・・・肺胞の写真がすごい(--;)怖いんですけど。

Q. キノコに感染するとどうなるのですか?
A. ほとんどの場合は、キノコ菌糸が気管支の中に住み着いて、セキ・タンなどがしつこく続きます。 キノコが生えるわけではありません。 アレルギーを起こして、喘息の症状になったり、肺炎のようにレントゲンに影が出ることもあります。 稀ですが、外国では肺炎から脳炎になって死亡した例もありますので、油断は禁物です。


「急性脳炎」の原因がキノコのことも。

平成16年に山形や新潟で報告があいついだ急性脳炎に関する厚労省の通知群


林野庁 スギヒラタケは、キシメジ科スギヒラタケ属のきのこ


医療者が読んでおくべきレポートはこちら 「東北・北陸等での急性脳症多発事例について」 FETPで調査された山口先生によるまとめ。

"新潟県、秋田県、山形県での症例数の計は男性23名、女性32名で、合計55名(うち、死亡が20でCase Fatality Rate=36%)であった。"

自然ってすてき・・・なんですが、このようなリスクも潜んでいます。



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