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Channel: 感染症診療の原則
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予算カット と アウトブレイク

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来年なんかいアウトブレイクがあるかなー、ということは誰にもわかりません。
その規模も。

ひとたび死亡例や重症例が複数で足り、多数の人が影響をうけるような案件がおきると、そこに必要な人手や検査、検体の輸送など様々な費用がかかります。

米国では、各州にEISの訓練を終えているepidemiologistを中心に、アウトブレイク対応チームが編成されますし、規模が大きかったり広域になる場合はCDCからも研修をかねて人員がおくられてきます。(CDCの予算で)

顔見知りがいたり予算があることがその動きをスムーズにするわけです。

しかし。米国もたびたびこのような案件が続くと予算が心細くなってきます。

As meningitis outbreak spreads, public health funds shrink(10月10日)

日本はどうか。

ある県の、政令指定都市で問題がおきたとします。
基本的にはその市が対応をします。
その他の県域だと県が対応します。
症例が複数市にまたがっていると、県と市が合同で対応をしないと難しくなることもありますし、ここに国の支援チームが加わるとなるとさらに事情は複雑に。しかも、それぞれの予算系統も別。

国から派遣がくる場合(首長が感染研の所長に公式に依頼)すると、その経費は自治体がもつことになっているそうです。
遠方だったり長期化するとこれも予算がたいへんです。

アウトブレイクはおこさないのが第一。
予防に予算を投じましょう。

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