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Channel: 感染症診療の原則
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【研修レポ】 マヒドン大学 熱帯医学コース

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青木編集長と一緒に勉強する機会のあった若い先生方が、各地の情報を生き生きと教えてくださるので、「特派員レポ」コーナーを開設しました。

研修や学会発表に出かけた時に、「おお、これは日本の人にも教えよう(見せよう)」という案件がありましたら、サクッとメールでおくってください。

写真も歓迎です。

今回は、マヒドン大学留学中の小林先生からいただいたレポートです。

いいですね〜♪

(青木編集長がとても苦手な分野です。病気のネーミングとかに苦手感たっぷりなのだそうで)

いつかいきたいなあ・・とおもっている方、ぜひ参考にしてください(^^)。

毎年40名前後とるようです。文章は英語でも、開設年は仏歴であ書いてあります。びっくりしないように。

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はじめまして。マヒドン大学熱帯医学教室(DTM&H: diploma of tropical medicine and hygiene)で研修中の小林謙一郎です。
当教室は今年も4月から始まり、すでに4ヶ月経過しました。授業やタイでの生活にも随分慣れました。そこで、マヒドン大学熱帯医学教室について簡単に説明したいと思います。

当教室は毎年4月から半年間、バンコクのマヒドン大学熱帯医学部で開催されます。今年の参加者は計37名で世界各地から集まりました。また、今年は日本からの参加者が多く10人います。

DTM&Hの授業内容ですが、熱帯感染症を中心に6分野に分かれています。それぞれ約一ヶ月の授業後、2分野ごとに試験がありました(多肢選択試験)。

1)蠕虫(線虫,吸虫,条虫)および原虫(アメーバなど)
2)感染性下痢症(コレラ,ロタ,赤痢,サルモネラ群など)
3)マラリア
4)その他の熱帯感染症(デング熱,レプトスピラ,リケッチア,バルトネラ,ブルセラ,炭疽病,破傷風,狂犬病,日本脳炎,ウイルス性出血熱,フィラリア,トリパノソーマ,リーシュマニア,外部寄生虫)
5)エイズ
6)その他(結核,ハンセン病,ウイルス性肝炎,梅毒等のSTD,メルロイドーシス,サラセミア貧血,ヘビ中毒,溶連菌感染症,栄養失調とビタミン欠乏症)

これらの試験とは別に口頭試問が一度ありました。

当教室の特徴は熱帯地域での研修のため、症例が豊富です。かつ6ヵ月コースであるため、講義以外に病棟回診やラボ実習も多く、Field tripも計3回ありました。
以下は各field tripの概要です。

Field trip?(マラリアの診断、蚊と便の採集および検鏡実習)
Field trip?(カレン族のキャンプ、地域病院の見学)
Field trip?(病棟ラウンドとケースディスカッション)

いずれの実習もタイ・ミャンマー国境地域、タイ・ラオス国境地域で開催されました。Field trip?はタイ・ラオス国境地域のウボン・ラチャタニという町での病院実習でした。この地域はメリオイドーシスの流行地域なので、多数の症例を診ることができました。

試験やfield tripの後、8月からは選択授業になります。ちなみに私は旅行医学と熱帯地域における医療問題という授業を選択しました。

これまで4ヶ月間の感想ですが、非常に勉強になりました。

中でも寄生虫の講義直後に顕微鏡実習があったのが良かったです。講師陣もみな知識が豊富です。試験前は少し大変でしたが、授業のスケジュールには余裕があり、旅行にでかける時間は十分あります。また、DTM&H終了後そのままマヒドン大学の修士課程に進学することも可能です。熱帯感染症に興味のある先生方には是非おすすめのコースです。
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