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Channel: 感染症診療の原則
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感染対策とJCI

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2012年7月30日付で、聖路加国際病院がJCIの認証を受けたことがHPに紹介されていました。

「財団法人 聖路加国際病院は、国際的な医療施設認証機関
であるJCI の認証を取得しました」


日本の医療関係者全員が詳しくはないですが、感染管理に関わる人たちは、そこで求められる基準をつかって、自分の施設の見直しや取り組み修正ができるのではないか、と期待しています。

なにせ、「14 分野1,220 項目」です。

感染管理は「患者安全」に直結しますし、経営者や上層部や事務方を、アウトカムとしての安全性の担保、職員への教育や情報浸透度、費用対効果などを真剣に検討するプロセスにいい意味で巻き込めますので。

今年、聖路加以外に数か所審査を受ける予定ときいています。

(先に亀田総合病院NTT関東が認証を受け、さらに横浜の福祉施設が受けています。国内ではいまのところ4施設)

機能評価はもういいやーというような医療機関も増えている昨今、JCIの位置づけはどうなるかわかりませんが、JCI以外にも国際的なスタンダードの審査を行うところはありますので、必ずしもJCIでなくてもよいのでしょう。

オランダや北欧では「自分たちの国の定める基準の方が厳しいので、あえてJCIをとるメリットがない」という専門家が多かったです。
いっぽう、視察をしたトルコでは、medical tourismが盛んで、JCIをとった欧米式の病院にお金のある人たちが多数受診しており、国によっては活用度が高いようにみえました。


どの国・施設でも聞くのが審査にかかる費用やサーベイに来る人たちへの対応にかかるお金がたいへんなこと。
審査料だけでなく、滞在にかかるすべての費用が病院もちになります。
(エコノミークラス、ビジネスホテルというわけにもいきませんしね)

再審査の際にも当然かかります。

日本の医療機関は、必ずしも外国人患者を受け入れる目的で審査を受けているわけではありません。
感染管理に関わる人たちは、審査を受けなくてもそのプロセスから「こういったことは役立つのでは?」と学べることもあるのだとおもいます。

よいかたちで情報が共有できるようになるといいですね。

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