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Channel: 感染症診療の原則
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自治体HPでの予防接種情報の提供@東京都 2010年

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青木編集長企画の勉強会にも参加されている聖路加新人ナースのTさんが、看護学生時代に行った卒業研究が、予防接種についての情報として大変有意義なので紹介したいと思います。
(ご本人にはブログでの紹介の承諾をいただいています)

感染症を勉強する中で、「予防に必要な情報が不足しているのではないか?」という点がきっかけでした。


特に「任意ワクチン」については、看護学生が調べても短時間で情報がほとんどひろえない。
お母さんたちはどうやって調べているんだろう?ということが気になったわけです。


情報の差が接種率に関連したりしないのだろうか?ということも気になりました。


ということで、自治体のHPによる情報提供内容を調べることにしました(2010年当時のデータです)。
たくさんあるんですが、全部一つ一つ隅々まで調べました。クリック回数が何回か、どのようなカテゴリーにあるのか、等も調べています。




結果の一部を紹介しましょう。まずほとんどの自治体のHPは予防接種の情報じたいは扱っています。
問題はその内容。


えー。まずこのあたりですでにばらけます。


同じ定期接種でもばらつきがあります。


任意接種ともなると、もっとばらばらです。ワクチンによる「格差」を実感できます。
各自治体は「公費補助」がある任意ワクチンについては当然記載がありますが、それがない場合、任意ワクチンについてはほとんど記載なしというものもあるそうです。

緑の某グラフは任意ワクチンとしての記載があったかどうかをカウントしています。公費補助のあるインフルエンザは高くなっています。(2010年のデータであることにご留意ください)
また、それぞれの任意ワクチンは何を予防するためのものかという疾患の説明については赤いグラフで示されています。


ムンプス、水痘、B型肝炎、肺炎球菌の扱いの小ささに愕然とします。
というか、やはりB型肝炎ワクチンはネグレクトされているんじゃ(- -;)

ホームページ全体の話だとこのような整理ができました。
右下の「ほとんど記載されていなかった内容」にご注目ください。







あとですね。HPは実はハードルの高い情報提供ということも指摘されています。例えば自宅にPCやネットアクセスがない場合。「携帯で見ることができない」=「情報と言えない」ともいえるからです。


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