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Channel: 感染症診療の原則
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HPVワクチンの効果 (July 9, 2012 Pediatrics)

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HPVワクチンは、特定のHPVの感染予防を通じて、それに由来する「がん」や「いぼ」のインシデンスやプレバレンスを下げる目的で接種・普及の取り組みが行われています。

個人としては、高リスクHPV感染予防による、将来のがん予防や、コンドームだけでは予防が難しい尖圭コンジローマの発症予防を期待します。

社会全体としては、上記のような疾患の原因となるウイルス感染の拡大防止になり、中長期的にはこれにかかる医療費の削減(直接コスト、間接コスト)が下がることが期待されています。

米国の小児科専門雑誌であるPediatricsの7月9日(現時点ではオンラインのみ)に新しい効果検証の報告が掲載されています。8月号に掲載されるそうです。

米国で初めて承認されたのは2006年(4価)。2012年7月現在は男女に推奨されています。

HPV Vaccine Effective, Vaccination Offers Herd Immunity [Study]
Read more at http://www.inquisitr.com/271836/hpv-vaccine-effective-vaccination-offers-herd-immunity-study/#mqKmy804V6lwtljs.99
The Inquisitr 7月9日

HPV vaccine reduces infection, even in unvaccinated
July 9, 2012 in Pediatrics

報告をしたのはThe Cincinnati Children's Hospital Medical Center。
2006-2007年に、2つのプライマリケアのクリニックを受診している13-16歳の368名をリクルート。
性交は開始後だが、ワクチン接種をしていない女子が対象。
2009-2010年に、同年齢の409歳女子をリクルート。半数はHPVワクチン接種済み、半数は未接種。

研究者らは、HPVワクチン前後のHPVプレバレンスを比較。
ワクチンタイプのHPVは全体で58%減少。
ワクチン接種群では69%減少、ワクチンをしていない群で49%。
研究者らは、下がった数字よりも、すでにこの年齢にしてワクチン未接種群の4人に1人は高リスクHPVに感染していることを問題指摘。また集団免疫効果も指摘。

本文が読めるようになったらまたじっくり検討してみたいと思います。


オーストラリアのような、接種者を登録する仕組みでコホートでみたり、全体のサーベイランスデータを出せる国は他にあるでしょうか・・・。










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