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Channel: 感染症診療の原則
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カンボジア土産の耐性菌

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すでに各地の病院の、現場の人はいろいろなことに気づいていることが、出張先での会話でわかります。
(最初に話題になるのが学会でいいのかなあ、と思うことしばしば)

おそらく国としての対応は出遅れていますので、さらに状況が悪化した状態で具体的な対策がはじまる・・・・のだろうと想像します。

例えばこういうことです。

Drug-Resistant Germ In Rhode Island Hospital Raises Worries
6月22日

"They're asking U.S. hospitals to be alert to the threat this strain of drug-resistant germs poses."

たとえばサーベイランスシステムのひとつにJANISがありますが、これはモニタリングであって、研究には使えることもあるかなとおもいますが、各国のEmergency Intelligence Serviceのような現場の迅速対応チームが動いたりする仕組みになっていません。

(広がってからでは遅いんですけども)

上記リンク先のニュースは、ロードアイランド(RI)に住むカンボジア女性の話です。

彼女は母国のカンボジアにいたときに体調不良で入院します。
2011年12月、ホーチミンシティの病院でリンパ腫と診断されました。
その後RIの病院で治療をしています。

2月に膀胱の感染症をおこします(薬剤耐性菌が原因)。
そして、3月に感染症専門医が、この女性の尿バッグを見て感染の兆候に気づきます。
この時点で発熱などの症状はありませんでした。

尿の検査の結果、カルバペネマーゼ産生クレブシエラの感染が疑われたため、病院はアトランタにあるCDCにこの検体を送り精査を依頼。

幸い、尿カテーテル除去後、女性の健康問題は改善。

病院はがん病棟の他の患者にも検査を拡大したところ、同じ耐性の菌株は1人の患者から検出されました。この人にも明確な症状はありませんでした。
(全体のストーリーはリンク先でお読みください)

人間や物の移動が複雑になっている昨今、諸外国での感染症のニュースは、すぐ自分の地域や施設の問題になりかねない状況です。

地域連携をしつつ、グローバルなIssueにも目をくばりつつ、、、、取り組んでまいりましょう。

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