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Channel: 感染症診療の原則
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医療従事者におけるTrichophyton Tonsurans のアウトブレイク

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培養でみると、なかなかかわいいカビなのですが。

アデレード大学のデータベースにリンク♪

写真はこちら♪心臓の弱い一般の方にはおすすめしません。 T. tonsuransは下のほうにあります。



今朝のNHKあさイチでこの真菌の話を扱っていて、中学で柔道が始まるよーということもあって、保護者から数件質問がきていました。

何それ初耳!な方は日本語の解説情報を。

「Trichophyton Tonsurans感染症の現状と対策」2006年
こちらは英語ですが、、日本での分子疫学情報です。
Molecular Epidemiology of Trichophyton tonsurans Isolated in Japan 2007年

全国中学校柔道大会参加選手における Trichophyton tonsurans感染症の調査 2006年


NHKは「新型水虫」という命名をしていました(いいのかなあ・・・・)
新しくて、新奇な、、、、は恐怖喚起につながり、話題にもなりますけどね。


しばらく皮膚科や感染症では暑い、いえ、熱い話題になるのかも。

よくわからないまま手持ちの軟膏(ステロイドが入っていたり!)をぬって悪化させる人もいます。
(ぬらずに受診を)


で、感染症屋さんたちが知っておくべきは、これは相撲部やレスリング部だけでなく、医療従事者のあいだでもアウトブレイクがおきていることです。

A Large Outbreak of Trichophyton Tonsurans Among Healthcare Workers in a Pediatric Hospital
Am J Infect Control. Author manuscript; available in PMC 2010 February 1.

海外の文献をみると1980年代にはすでにサーベイも行われており、広く認知されていたことがわかります。

今朝のNHKの解説ですと、ある時期、スポーツの国際大会等を通じて日本にはいってきて、そこから広がっているのでは?・・・でした。

市中感染MRSAなども、スポーツ交流で感染が拡大することが確認されていますので、病院だけでなく、小さい頃からの基本的な感染管理の教育とか大事だなーと思うこのごろ。


皮膚科写真集をみて久々にその多才さを実感。

真菌  あなどれない。
柔道  いろいろな意味で心配。

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