2011年12月現在、日本では20〜30%の子どもしか水痘ワクチンを接種してもらえていません。
(水痘ワクチンは日本で開発されたワクチンですが)
一般向けの情報コンテンツも水痘流行を扱う昨今、専門家の意識や決意はどのようなところにあるのでしょうか。
学会などで「なんとかせねば!』という緊急の話合はおこなわれているでしょうか。
【健康百科】12月15日水ぼうそうが流行、過去10年間で第3位を記録
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国立感染症研究所は12月9日掲載の感染症週報第47週(11月21〜27日)で、水痘(すいとう=水ぼうそう)の定点当たり報告数が10月から増加し続けており、47週には1.77と、2001年以降の報告数としては03年、10年に次ぐ多さを記録したとして、注意を呼び掛けている。水痘ワクチンは日本で開発されたにもかかわらず、いまだに接種率は20〜30%と低く、毎年約20万人の患者が発生している。
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え・・・注意をよびかけている、って誰にどんな注意喚起をしているのでしょうね。
現在も、こどもが水痘になると「ぜひうつしてほしい」と子どもを接触させたり、「水ぼうそうパーティー」を開いて複数曝露を試みるようなことが行われています。
「ぶつぶつが出る病気」くらいの認知なのではないかとおもいます。
黄色ブドウ球菌や侵襲性A群β溶血性連鎖球菌感染症の危険因子にもなります。
もともとアトピーのあるお子さんで、重症化したり、痕が残ったりと、完治するまで、そして完治したあとも保護者の心配がつきません。
保育園に子どもの送り迎えをする女性の中には次のお子さんがお腹にいるかたもいます。妊婦さんの周囲で水痘が流行しているなんて、先進国では「ありえない」話ですが、妊婦さん自身もそのリスクをよく知らないでいるのではないかと思います。
(妊娠中の女性が、妊娠28週以前に水痘に罹患した場合、「先天性水痘症候群」として、低体重出生児、四肢の形成不全、皮膚瘢痕、部分的筋肉萎縮、脳炎、小頭症、白内障等の異常につながることがある)
死亡リスクもあります。
米国では2002年には水痘で9名死亡しています。
たった9名か?という見方もあるのかもしれませんが、本来死ななくてよい病気で死亡すること、子どもの死亡は親や社会の痛みとして、臨床や公衆衛生のスペシャリストがゼロにするべくとりくんでいるところであります。
1995年3月の水痘ワクチン認可前は、毎年400万人が水痘にかかり、毎年13500人が水痘で入院、毎年150人が水痘で死亡していたと推定されています。
水痘ワクチン導入後、1995年から2001年にかけて水痘の入院は72%減少。
その間にも死亡例は報告されています。
「水痘に関連した死亡例、1998年−米国・フロリダ州」MMWR
症例1;ワクチン未接種の6歳(クラスメートが水痘)。出血性の水痘疹、頻拍、多呼吸、血小板減少(89,000)にて入院。数時間後肺水腫、呼吸不全で死亡。
症例2:ワクチン未接種の58歳 水痘肺炎で入院。アシクロビル(ACV)とセフトリアキソン(CTRX)によって治療したが、ARDS、DIC、腎不全で死亡。
症例3:ワクチン未接種の29歳 自分の子どもから感染。胸痛と呼吸困難で受診、胸XPで両側性の間質浸潤影。喀血、呼吸困難増強のためACVと抗生剤による治療が行われたが、敗血症、ARDS、MOFを併発して死亡。
症例4:ワクチン未接種の21歳(喘息でステロイド内服)。水痘肺炎で入院。ACVによる治療を受けたが死亡。
症例5:ワクチン未接種の8歳(ALL後に免疫抑制治療)。抗水痘ガンマグロブリン投与、ACV投与されたが、ALLの再発、GVHD、播種性水痘により死亡。
症例6:ワクチン未接種の接種の45歳(糖尿病、喘息、肝硬変)。入院しACVによる治療が開始されたが死亡。剖検によりすべての重要臓器からVZVが確認。
ワクチン導入後の問題として、15-20%の乳幼児は1回のワクチンでは十分な免疫を獲得できず、大人までの免疫のも保つことが難しいことがわり、2006年に米国ACIPは4歳から6歳の間での2回目の接種を勧告。
(1回目は生後12-15か月、2回目は4-6歳)
取り組みの結果、1990年〜2007年を比較すると死亡は97%減少しています。
導入しよう、導入後問題があったら改善しようという動きが速いのは、独立機関のACIPが定期的に開催されている力ではないかとおもいます。
日本でも水痘ワクチンを定期接種にしようという提案は過去にもありました。
「水痘−その病態とワクチン定期接種化に向けて」IASR
専門団体も要望をしていますし、パブリックコメントでもそのような記載はありました。
2010年には日本医師会が中心となり、公費化の署名をたくさんあつめました。
ファクトシートもできました。
厚労省任せにしたまま、厚労省を批判するだけで、解決すべき問題はなんとかなるのか。
無言の専門家や専門団体はこの状況を容認しているということなのか。
情報難民になっている保護者の苦悩が続いています。
ポリオ生ワクチンがきっかけとなり、皆の意識は変わってきています。
保護者自身が声をあげること、子ども達をまもるために複数の専門団体が協力することが重要。
水痘ワクチンの公費助成団体(厚労省資料)
厚生労働省の資料1
厚生労働省資料2
(水痘ワクチンは日本で開発されたワクチンですが)
一般向けの情報コンテンツも水痘流行を扱う昨今、専門家の意識や決意はどのようなところにあるのでしょうか。
学会などで「なんとかせねば!』という緊急の話合はおこなわれているでしょうか。
【健康百科】12月15日水ぼうそうが流行、過去10年間で第3位を記録
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国立感染症研究所は12月9日掲載の感染症週報第47週(11月21〜27日)で、水痘(すいとう=水ぼうそう)の定点当たり報告数が10月から増加し続けており、47週には1.77と、2001年以降の報告数としては03年、10年に次ぐ多さを記録したとして、注意を呼び掛けている。水痘ワクチンは日本で開発されたにもかかわらず、いまだに接種率は20〜30%と低く、毎年約20万人の患者が発生している。
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え・・・注意をよびかけている、って誰にどんな注意喚起をしているのでしょうね。
現在も、こどもが水痘になると「ぜひうつしてほしい」と子どもを接触させたり、「水ぼうそうパーティー」を開いて複数曝露を試みるようなことが行われています。
「ぶつぶつが出る病気」くらいの認知なのではないかとおもいます。
黄色ブドウ球菌や侵襲性A群β溶血性連鎖球菌感染症の危険因子にもなります。
もともとアトピーのあるお子さんで、重症化したり、痕が残ったりと、完治するまで、そして完治したあとも保護者の心配がつきません。
保育園に子どもの送り迎えをする女性の中には次のお子さんがお腹にいるかたもいます。妊婦さんの周囲で水痘が流行しているなんて、先進国では「ありえない」話ですが、妊婦さん自身もそのリスクをよく知らないでいるのではないかと思います。
(妊娠中の女性が、妊娠28週以前に水痘に罹患した場合、「先天性水痘症候群」として、低体重出生児、四肢の形成不全、皮膚瘢痕、部分的筋肉萎縮、脳炎、小頭症、白内障等の異常につながることがある)
死亡リスクもあります。
米国では2002年には水痘で9名死亡しています。
たった9名か?という見方もあるのかもしれませんが、本来死ななくてよい病気で死亡すること、子どもの死亡は親や社会の痛みとして、臨床や公衆衛生のスペシャリストがゼロにするべくとりくんでいるところであります。
1995年3月の水痘ワクチン認可前は、毎年400万人が水痘にかかり、毎年13500人が水痘で入院、毎年150人が水痘で死亡していたと推定されています。
水痘ワクチン導入後、1995年から2001年にかけて水痘の入院は72%減少。
その間にも死亡例は報告されています。
「水痘に関連した死亡例、1998年−米国・フロリダ州」MMWR
症例1;ワクチン未接種の6歳(クラスメートが水痘)。出血性の水痘疹、頻拍、多呼吸、血小板減少(89,000)にて入院。数時間後肺水腫、呼吸不全で死亡。
症例2:ワクチン未接種の58歳 水痘肺炎で入院。アシクロビル(ACV)とセフトリアキソン(CTRX)によって治療したが、ARDS、DIC、腎不全で死亡。
症例3:ワクチン未接種の29歳 自分の子どもから感染。胸痛と呼吸困難で受診、胸XPで両側性の間質浸潤影。喀血、呼吸困難増強のためACVと抗生剤による治療が行われたが、敗血症、ARDS、MOFを併発して死亡。
症例4:ワクチン未接種の21歳(喘息でステロイド内服)。水痘肺炎で入院。ACVによる治療を受けたが死亡。
症例5:ワクチン未接種の8歳(ALL後に免疫抑制治療)。抗水痘ガンマグロブリン投与、ACV投与されたが、ALLの再発、GVHD、播種性水痘により死亡。
症例6:ワクチン未接種の接種の45歳(糖尿病、喘息、肝硬変)。入院しACVによる治療が開始されたが死亡。剖検によりすべての重要臓器からVZVが確認。
ワクチン導入後の問題として、15-20%の乳幼児は1回のワクチンでは十分な免疫を獲得できず、大人までの免疫のも保つことが難しいことがわり、2006年に米国ACIPは4歳から6歳の間での2回目の接種を勧告。
(1回目は生後12-15か月、2回目は4-6歳)
取り組みの結果、1990年〜2007年を比較すると死亡は97%減少しています。
導入しよう、導入後問題があったら改善しようという動きが速いのは、独立機関のACIPが定期的に開催されている力ではないかとおもいます。
日本でも水痘ワクチンを定期接種にしようという提案は過去にもありました。
「水痘−その病態とワクチン定期接種化に向けて」IASR
専門団体も要望をしていますし、パブリックコメントでもそのような記載はありました。
2010年には日本医師会が中心となり、公費化の署名をたくさんあつめました。
ファクトシートもできました。
厚労省任せにしたまま、厚労省を批判するだけで、解決すべき問題はなんとかなるのか。
無言の専門家や専門団体はこの状況を容認しているということなのか。
情報難民になっている保護者の苦悩が続いています。
ポリオ生ワクチンがきっかけとなり、皆の意識は変わってきています。
保護者自身が声をあげること、子ども達をまもるために複数の専門団体が協力することが重要。
水痘ワクチンの公費助成団体(厚労省資料)
厚生労働省の資料1
厚生労働省資料2