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Channel: 感染症診療の原則
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11年ぶりに報告された麻疹(はしか)とアウトブレイク

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もうすぐ3月末。

無料で接種できる期間が終わります。周囲に今年度だけ無料で接種できる人がいたらぜひ声をかけてあげてください。
間際は予約がとれませんし、最悪の場合は在庫不足で接種できないこともあります。

皆さんの地域のMRワクチン接種率はいかがですか?排除宣言できそうなレベルでしょうか?
その地域の数字や取り組みのアウトカムには、関わる皆に責任があると考えましょう。
行政は仕事としてやっています。
子どもに関わる教育や医療の専門家を名乗る人たちは、当然、地域の当事者です。普及啓発の担い手です。
高い地域は医師会やネットワークを通じてとりくんでいます。

自分の地域の接種率の低さを自虐ネタにしなくてすむように、あと2週間ほどですからがんばりましょう。


ユーロサーベイランス最新号には、接種率が中途半端だったtめに麻疹のブレイクがとめられない地域の事例が紹介されています。

スペインのELCHEという地域です。2001年の最終報告以来、麻疹はゼロだった地域。今年に入って1例報告され・・・・

ONGOING MEASLES OUTBREAK IN ELCHE, SPAIN, 29 JANUARY TO 9 MARCH 2012

2012年の1月29日に、13歳の男の子が地元の大学病院のERで麻疹と診断されました。(IgM陽性)

3月9日までに報告された麻疹は109例で、疫学的リンクについても調査がおこなわれています。

109例のうち、44例は近隣のLos palmeralesからの報告で、ここには一番最初の症例が住んでいます。
発症者の中間年齢は15歳(生後25日から50歳)で、42例は成人症例でした(20-50歳)。
37例は生後25日から4歳までの子どもで、8例は1歳未満でした。

42例の成人症例のうち3例は妊婦でした。

109例のうち80例は病院での診断、109例のうち66例にはMMRワクチン接種歴がありませんでした。
28例は1回のみ接種、2回接種していたのは2例でした。

この数年、このElcheの周辺都市で麻疹が報告をされていましたが、Elcheじたいでは2001年が最後の報告で以後10年以上麻疹はゼロでした。

そして、12-24歳の接種率は96.4%、3-7歳で接種する2回目は90.4%でした。
しかしRomaの人たちなどで接種を拒否する人がいて、接種率が低い集団が存在しました。

まだオンゴーイング(感染は拡大中)とのことです。

麻疹の場合は、3週間、新規症例ゼロにならないと終息とはいないので、まだ先は長いですね。

Romaの人たちは日本語ではジプシーともいわれ、故郷を超えて移動している人たちであり、hard to reach peopleのひとつ。
集団接種キャンペーンなどが各国で行われていますが、このように地域流行のきっかけによくなります。
その意味では95%や90%で満足せず、一人でも多くの子ども達に確実に接種をと思いますね。


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