Melioidosisは日本語では「類鼻疽」。るいびそ。鼻がどうこうなるのかというとそうではありません。
ブログでも2010年にオーストラリアでブレイク、のニュースを紹介しました。
ISARに2009年に帰国後発症した神奈川の症例の紹介がありました。
「ベトナムで感染した類鼻疽の1例」(Vol. 31 p. 107-108: 2010年4月号)
肺炎と診断されて治療したけど、おかしいな〜ということで大きな病院に紹介になりました。
(結核に間違えられることが多い、と教科書に書いてあります)
この事例も糖尿病の患者さんでした。
糖尿病の人での報告が多いそうです。他に重症化するのはthalassemiaの方。
薬剤感受性検査にて多剤耐性を示したが、meropenemには感受性あり。 グラム染色にて両極染性。染めましょう。
"本菌はペニシリン、第1・2世代セフェム、アミノグリコシドなど種々の抗菌薬に耐性を示し、さらにマクロファージ内などで何年間も生存可能な強毒性の細胞内寄生菌であるため、治療後の再燃、再発が多い"
ということです。
2010年3月、都内で報告された症例
2003年にタイから帰国後、敗血症と多臓器にわたる化膿性病変および感染部位(右足)の蜂窩織炎と骨髄炎を発症し、都内病院に入院。
患者の血液、尿、関節液培養により、 B.pseudomallei が分離されたため、類鼻疽と診断され、約3ヵ月間の投薬治療を受けた後、緩解し退院した。患者は基礎疾患として、糖尿病に罹患していた。
その後2010年2月に左足の骨髄炎を発症し、2003年に治療を受けた都内病院を再受診したところ、骨髄液から B.pseudomallei が分離された。このため、2003年に分離された株(No.1)および2010年に分離された株(No.2)について、当センターで薬剤感受性試験ならびにMLST法による遺伝子型別を行った。
薬剤感受性試験はKB法により、ペニシリン系、セフェム系、βラクタマーゼ阻害剤、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、マクロライド系、合成抗菌薬等、20薬剤を用いて行い、MLST法は、 B.pseudomallei MLSTデーターベースに基づき、7つの遺伝子部位について遺伝子型別を行った。
その結果、薬剤感受性試験は、No.1、No.2株ともアミノグリコシド系、マクロライド系、合成抗菌薬等に耐性で結果が一致し、MLST型はどちらもST-404型と同一であった。このST-404型は稀な型であり、タイの水から分離・報告されている型である。このため、本事例は、タイで感染(2003年)発症後、抗菌薬の投与で一度寛解したが、7年後の2010年に再燃した事例と推測された。
なじみのない病気は症例を通じて記憶に残しておきましょう。
旅行歴、現地での行動ヒアリング 大切。
■グラム陰性桿菌のBurkholderia pseudomallei による人獣共通感染症。
■東南アジア、北部オーストラリアなどの熱帯、亜熱帯地域に多く発生する風土病で、日本では輸入感染症。生物兵器としても注意。
■耐性について
写真:飼い主不在のときに、ここぞとばかりに編集長の布団で寝ているトーマス君。
そういえば、ペットと一緒に寝るとうつる感染症もありましたね・・・ぶつぶつ。
ブログでも2010年にオーストラリアでブレイク、のニュースを紹介しました。
ISARに2009年に帰国後発症した神奈川の症例の紹介がありました。
「ベトナムで感染した類鼻疽の1例」(Vol. 31 p. 107-108: 2010年4月号)
肺炎と診断されて治療したけど、おかしいな〜ということで大きな病院に紹介になりました。
(結核に間違えられることが多い、と教科書に書いてあります)
この事例も糖尿病の患者さんでした。
糖尿病の人での報告が多いそうです。他に重症化するのはthalassemiaの方。
薬剤感受性検査にて多剤耐性を示したが、meropenemには感受性あり。 グラム染色にて両極染性。染めましょう。
"本菌はペニシリン、第1・2世代セフェム、アミノグリコシドなど種々の抗菌薬に耐性を示し、さらにマクロファージ内などで何年間も生存可能な強毒性の細胞内寄生菌であるため、治療後の再燃、再発が多い"
ということです。
2010年3月、都内で報告された症例
2003年にタイから帰国後、敗血症と多臓器にわたる化膿性病変および感染部位(右足)の蜂窩織炎と骨髄炎を発症し、都内病院に入院。
患者の血液、尿、関節液培養により、 B.pseudomallei が分離されたため、類鼻疽と診断され、約3ヵ月間の投薬治療を受けた後、緩解し退院した。患者は基礎疾患として、糖尿病に罹患していた。
その後2010年2月に左足の骨髄炎を発症し、2003年に治療を受けた都内病院を再受診したところ、骨髄液から B.pseudomallei が分離された。このため、2003年に分離された株(No.1)および2010年に分離された株(No.2)について、当センターで薬剤感受性試験ならびにMLST法による遺伝子型別を行った。
薬剤感受性試験はKB法により、ペニシリン系、セフェム系、βラクタマーゼ阻害剤、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、マクロライド系、合成抗菌薬等、20薬剤を用いて行い、MLST法は、 B.pseudomallei MLSTデーターベースに基づき、7つの遺伝子部位について遺伝子型別を行った。
その結果、薬剤感受性試験は、No.1、No.2株ともアミノグリコシド系、マクロライド系、合成抗菌薬等に耐性で結果が一致し、MLST型はどちらもST-404型と同一であった。このST-404型は稀な型であり、タイの水から分離・報告されている型である。このため、本事例は、タイで感染(2003年)発症後、抗菌薬の投与で一度寛解したが、7年後の2010年に再燃した事例と推測された。
なじみのない病気は症例を通じて記憶に残しておきましょう。
旅行歴、現地での行動ヒアリング 大切。
■グラム陰性桿菌のBurkholderia pseudomallei による人獣共通感染症。
■東南アジア、北部オーストラリアなどの熱帯、亜熱帯地域に多く発生する風土病で、日本では輸入感染症。生物兵器としても注意。
■耐性について
写真:飼い主不在のときに、ここぞとばかりに編集長の布団で寝ているトーマス君。
そういえば、ペットと一緒に寝るとうつる感染症もありましたね・・・ぶつぶつ。