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Channel: 感染症診療の原則
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耐性菌の問題を理解してもらう努力と工夫

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非医療者向けに書かれている、ということがポイントであり、大切であり、今後のカギです。

「市中病院でみる世界の感染症セミナー」でもアジアの耐性菌のお話をしていただいた原田先生による解説です。

連載:知らないと損する! ビジネスパーソンのマズイ病気:もう抗生物質は効かない!? 耐性菌の脅威、その基本と対策
日経トレンディ 2012年2月27日

「次は結核」だそうです。シリーズもののようなので、このあともフォローさせていただこうと思います。


耐性化を防ぐために、抗菌薬の適正使用に取り組んでいる人たちがいます。
日本はどの機関/専門家が責任をもってとりくんでいるのでしょうか?

米国CDC  Get Smartキャンペーン 

英国NHS The Antibiotic Awareness Campaign

EU European Antibiotic Awareness Day 11月18日です
ヨーロッパにおける抗菌薬使用のモニタリング EUROPEAN SURVEILLANCE OF ANTIMICROBIAL CONSUMPTION

カナダ ANTIBIOTIC AWARENESS

原田先生も指摘されていますが、ヒトの、病院での抗菌薬使用だけでなく、病院の外を含めた政策が必要であり、各国でもその視点が重視されています。問題は、それで農業や畜産業が受ける経済的な影響について、誰が評価し、どのように補償をしていけるのか?です。
Restricting Antimicrobial Use in Food Animals: Lessons from Europe

最初心配されたのは、家畜の世話をする人や農家です。家畜や野菜に抗菌薬を使うため。
動物と同じタイプの微生物がヒトからも分離されるというような問題が把握されました。

その後、そのような仕事をしていないヒトでも確認されました。なぜか?それは食品として扱う/食べる中で起きている問題です。
お店で買って自宅に持ち帰り、冷蔵庫や食品庫にいれ、調理で扱います。
野菜は昔と違ってさくっと洗って生で食べる習慣が広がっており(健康ブームの影響)、季節的に収穫が不可能な時期でも、栽培可能な地域から輸入をしています。
他の国の抗菌薬使用/規制の影響が食卓を通じて広がる背景です。

そして、遠く離れた人たちから同じ遺伝子情報をもつ耐性菌が分離されたりします。

Drug-Resistant Bacteria: To Humans From Farms via Food
March 9, 2011

前はこんなことをいうと変人扱いさたんだけどね〜といっていたライリー先生の話の現実味が増してきます。

ヒトでは最低限しか使われないようにされているオランダで、農業や畜産業で使用されていることが問題になり、様々な取り組みが始まっています。2011年のレポートが公開されていたのでリンクをはっておきます。抗菌薬使用量の減少幅がわかります。





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