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Channel: 感染症診療の原則
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市と県と感染症

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諸外国ではHIVや梅毒等の性感染症でも接触者健診が行われますが(死亡や重症化リスク、感染拡大リスクがあるため)、日本では結核の接触者健診がもっとも身近でしょうか。

濃厚接触の可能性があった人たちに検査を勧められます。

千葉の事例がニュースになっていました。

「八千代の飲食店で結核の集団感染 患者計9人に」
千葉日報 2012年2月18日

昨年9月、八千代市内の飲食店に勤務する40代の女性従業員が胸の苦しさを訴え医療機関を受診、結核と診断された。調査の結果、同店を利用していた千葉市在住の30代の男性客ら2人も相次いで結核と診断されていたことが判明。2人のうちの1人は2009年5月ごろから咳症状、、です。


医療機関ですと、カルテなど情報がありますが、飲食店ではその場にいた人への連絡というのはなかなか難しい話です。
予約したときの電話が残っていたとか、領収書用の記録があったとか。
今回の14人は検査総数だとしたら思いのほか少ないですね・・。

記事を見ると発表したのは千葉県と千葉市。お店は八千代市。

医師は診断したら保健所に報告をします(2類)。
感染症のデータは自治体の感染症情報センターが集約しています。

結核や食中毒で複数の都道府県にまたがりアウトブレイクとなった場合は、情報共有等も必要ですが、ときに行政の間の連絡調整がうまくいかないことなどもあります。

勤務地、居住地が異なっていたりもします。

市と市の間、市と県の間の連絡、医療機関の連絡のためには、日頃から顔見知りになる努力等も必要です。
感染症の研修会にはお互い誘い合う、電話やメールで問い合わせや確認をする等こころがけたいものです。

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