ネットでニュースになっていたためか、ワクチン接種後の失神の話が話題になっています。
「HPVワクチン接種後に失神 販売するMSDとGSKが注意喚起」
ミクスオンライン 2月15日
2価が416件/509万、4価が66件/33万7千 とのことです。
血管迷走神経反射のことはもともとよく知られていますし、発売当初から関係者に注意喚起はありました。
日本小児科学会も、インフルエンザ、HPV、DT、3期と4期のMRワクチンについて、医療関係者や教育関係者に、血管迷走神経反射についての注意喚起を行っています。
そういった補足情報がないと「ほーらワクチンで事件勃発!」のように誤解する人はいるかもしれませんね。
ワクチン特有ではなく、注射とか採血時に、緊張が高まることが影響してしまうことがあり、毎回なるという人もいます。
「過去に採血や注射で気分が悪くなったことがありますか?」という問診項目があるのはこのため。
また献血の途中で、日赤の看護師さんが「気分悪くないですか〜?」(にっこり)と聞いてくれるのもこのため。
日本臨床衛生検査技師会 静脈採血時の注意
「緊張は、採血針を刺すことにより、迷走神経反射をもたらし、気分不良や血圧低下あるいは徐脈等を引き起こすおそれがあるので注意を要する。」
針さすとさ〜失神する人いるんだよ〜、とか、痛いよ〜ぶすっといくよ〜とんがっているよ〜とか脅すのはご法度です。
失神について深く追究したいという人は、「失神の診断・治療ガイドライン」(日本循環器学会,日本救急医学会,日本小児循環器学会,日本心臓病学会,日本心電学会,日本不整脈学会)などもお読みください。
特定の医療行為(ワクチン含め)で、有害事象が有意に増加しないかどうかは、分母情報を含めたモニタリングが大切です。
米国は、医療者だけでなく当事者や家族などからも報告を受ける仕組みがあり、報告が上がると調査が行われます。
ワクチンに関連してのものなのか、その際の重症度はどうだったのか、等。
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「ワクチン接種後の失神、2005年1月〜2007年7月−米国」CDC, MMWR, 57, No.17, 457-460, 2008
ISARの日本語での紹介
2002〜2004年の期間中には203件の報告であったのに対し、2005〜2007年では463件のワクチン接種後失神の報告が、5歳以上で報告された。
5歳以上での年別発生率(※100万接種当たり)は、2002年0.30、2003年0.35、2004年0.28、2005年0.31、2006年0.54であった。
2002〜2004年と比較して、2005〜2007年では、女性(61%対78%)および11〜18歳(47%対62%)に明らかな増加が見られた。
また、2005〜2007年に報告された463件のうち、292件(63%)は最近承認され、思春期成人に接種が推奨されている3つのワクチンのいずれかに関連していた。その3つのワクチンとは、4価結合型髄膜炎菌ワクチン(MCV4)(メナクトラ® 、サノフィ)、破傷風トキソイド・ジフテリアトキソイド・無細胞百日咳3種混合ワクチン(Tdap)(アダセル® 、サノフィ;ブーストリックス® 、グラクソスミスクライン)、遺伝子組み換え型4価ヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)(ガーダシル® 、メルク)である。
2005〜2007年の463件のうち、33件(7.1%)は重篤な結果を引き起こし、そのうちの26件についてワクチン接種から失神までの時間を調べたところ、12件(52%)が5分以内、16件(70%)が15分以内であった。26件のうち10件が失神に伴って受傷したが、うち9件は頭部外傷で、1件は運転中の失神による交通事故であった。
ワクチン接種後失神に関連した受傷防止のため、ワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)はワクチン接種後15分間の観察を強く推奨している。
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臨床試験時と、市販後調査では、頻度は厳しく情報をあげていく臨床試験のほうが一般に高くなりますが、HPVはじめ思春期に接種するワクチンではもともとの母集団の年齢構成が影響してい来るように思います。
一定の頻度でおこることはわかっています。(医療者は知らなかったとはいえない)
わかっているのに準備や注意喚起をしないと思わぬ事故につながることがあります(責任問題にもつながります)。
日本は「30分」、推奨されています(待合室の面積の問題で日本の方がお互いたいへんですが)。
「30分は椅子のところにいてくださいね」といっても、「急いでいるんです!」っと自己責任で帰ってしまった子がいたとして、駅の階段からこけて骨折したら有害事象。
こけたきっかけが失神ならばワクチン接種による迷走神経反射が原因と考えられます。
とりあえず事後に起こったことは情報収集することからはじまります。
ワクチン接種後の失神ですが、、、英語ではフェイント
Fainting (Syncope) といいます。
「HPVワクチン接種後に失神 販売するMSDとGSKが注意喚起」
ミクスオンライン 2月15日
2価が416件/509万、4価が66件/33万7千 とのことです。
血管迷走神経反射のことはもともとよく知られていますし、発売当初から関係者に注意喚起はありました。
日本小児科学会も、インフルエンザ、HPV、DT、3期と4期のMRワクチンについて、医療関係者や教育関係者に、血管迷走神経反射についての注意喚起を行っています。
そういった補足情報がないと「ほーらワクチンで事件勃発!」のように誤解する人はいるかもしれませんね。
ワクチン特有ではなく、注射とか採血時に、緊張が高まることが影響してしまうことがあり、毎回なるという人もいます。
「過去に採血や注射で気分が悪くなったことがありますか?」という問診項目があるのはこのため。
また献血の途中で、日赤の看護師さんが「気分悪くないですか〜?」(にっこり)と聞いてくれるのもこのため。
日本臨床衛生検査技師会 静脈採血時の注意
「緊張は、採血針を刺すことにより、迷走神経反射をもたらし、気分不良や血圧低下あるいは徐脈等を引き起こすおそれがあるので注意を要する。」
針さすとさ〜失神する人いるんだよ〜、とか、痛いよ〜ぶすっといくよ〜とんがっているよ〜とか脅すのはご法度です。
失神について深く追究したいという人は、「失神の診断・治療ガイドライン」(日本循環器学会,日本救急医学会,日本小児循環器学会,日本心臓病学会,日本心電学会,日本不整脈学会)などもお読みください。
特定の医療行為(ワクチン含め)で、有害事象が有意に増加しないかどうかは、分母情報を含めたモニタリングが大切です。
米国は、医療者だけでなく当事者や家族などからも報告を受ける仕組みがあり、報告が上がると調査が行われます。
ワクチンに関連してのものなのか、その際の重症度はどうだったのか、等。
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「ワクチン接種後の失神、2005年1月〜2007年7月−米国」CDC, MMWR, 57, No.17, 457-460, 2008
ISARの日本語での紹介
2002〜2004年の期間中には203件の報告であったのに対し、2005〜2007年では463件のワクチン接種後失神の報告が、5歳以上で報告された。
5歳以上での年別発生率(※100万接種当たり)は、2002年0.30、2003年0.35、2004年0.28、2005年0.31、2006年0.54であった。
2002〜2004年と比較して、2005〜2007年では、女性(61%対78%)および11〜18歳(47%対62%)に明らかな増加が見られた。
また、2005〜2007年に報告された463件のうち、292件(63%)は最近承認され、思春期成人に接種が推奨されている3つのワクチンのいずれかに関連していた。その3つのワクチンとは、4価結合型髄膜炎菌ワクチン(MCV4)(メナクトラ® 、サノフィ)、破傷風トキソイド・ジフテリアトキソイド・無細胞百日咳3種混合ワクチン(Tdap)(アダセル® 、サノフィ;ブーストリックス® 、グラクソスミスクライン)、遺伝子組み換え型4価ヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)(ガーダシル® 、メルク)である。
2005〜2007年の463件のうち、33件(7.1%)は重篤な結果を引き起こし、そのうちの26件についてワクチン接種から失神までの時間を調べたところ、12件(52%)が5分以内、16件(70%)が15分以内であった。26件のうち10件が失神に伴って受傷したが、うち9件は頭部外傷で、1件は運転中の失神による交通事故であった。
ワクチン接種後失神に関連した受傷防止のため、ワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)はワクチン接種後15分間の観察を強く推奨している。
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臨床試験時と、市販後調査では、頻度は厳しく情報をあげていく臨床試験のほうが一般に高くなりますが、HPVはじめ思春期に接種するワクチンではもともとの母集団の年齢構成が影響してい来るように思います。
一定の頻度でおこることはわかっています。(医療者は知らなかったとはいえない)
わかっているのに準備や注意喚起をしないと思わぬ事故につながることがあります(責任問題にもつながります)。
日本は「30分」、推奨されています(待合室の面積の問題で日本の方がお互いたいへんですが)。
「30分は椅子のところにいてくださいね」といっても、「急いでいるんです!」っと自己責任で帰ってしまった子がいたとして、駅の階段からこけて骨折したら有害事象。
こけたきっかけが失神ならばワクチン接種による迷走神経反射が原因と考えられます。
とりあえず事後に起こったことは情報収集することからはじまります。
ワクチン接種後の失神ですが、、、英語ではフェイント
Fainting (Syncope) といいます。