MRSAと肉のことを書いたら、編集長が、福岡で加藤はる先生から学んだClostridium difficileの話をしてきました。
各国の肉のコンタミ状況の調査。米国2007年、カナダ、フランス。
なるほど。
Clostridium difficileは感染症診療や院内感染対策として重要です。
そこに存在しても、多くの健康な人に特に害はもたらしませんが、基礎疾患がある、病院で治療を受けているような場合に重症化することがあります。
例えば、入院して抗菌薬の使用によって偽膜性腸炎で・・・という話なのでありますが、病院の外(市中)で、抗菌薬の使用歴がないのにClostridium difficile関連下痢症に、という事例があります。疫学や対策を考える上で大変インパクトのある話。
こちらはオランダからの報告
Community-onset Clostridium difficileassociated diarrhoea not associated with antibiotic usage
Two case reports with review of the changing epidemiology of Clostridium difficile-associated diarrhoea
"community-onset cases of Clostridium difficile–associated diarrhoea (CdAd)"はもともと入院歴や抗菌薬治療歴のある人、高齢者で知られたリスクでしたが、このような因子のない2例を経験しました。
1例目は、2回の帝王切開以外に、過去に入院や治療歴のない28歳の女性のCdAd。
2例目は、71歳男性。市中で発症した下痢で、今回の入院の1週間前に別の病院を退院(6か月続く下痢のため)。
市中発症の下痢の鑑別診断において、classical risk profileがない場合でもCdAdを検討する必要・・・という事例。
院内感染対策でも大きな課題となっているわけですが、対策の進んでいるところで感染拡大が報告されたりします。
もっとも感染管理に本気ではない施設では、そういった問題がおきていないかの積極的な探索や思考をしないので、「うちは何も問題ないよ」的納得をしていたりするかもしれません。
マメに問題探しをしているから見つかる、というのも事実。
2012年2月に発表された英国からの分子疫学的な調査では、必ずしもすべて院内で伝播しているわけではない可能性が報告されています。
Characterisation of Clostridium difficile Hospital Ward–Based Transmission Using Extensive Epidemiological Data and Molecular Typing
Plos Medicine
遺伝子型と臨床の情報を合わせてを調べたところ66%にリンクはなく、23%のみが感染しているとわかっている患者と同じ型・・・というデータ。
もちろん、院内感染予防の対策の重要性はかわりませんが。
比較をするときは、症例定義(検査情報含め)が大切、という指摘。
Incidence of and risk factors for community-associated Clostridium difficile infection: a nested case-control study. BMC Infect Dis. 2011 Jul 15;11:194.
Prevalence and genotypic characteristics of Clostridium difficile in a closed and integrated human and swine population. Appl Environ Microbiol. 2011 Aug 15;77(16):5755-60. Epub 2011 Jul 1.
Clostridium difficile in Food and Domestic Animals: A New Foodborne Pathogen? Clin Infect Dis. (2010) 51 (5): 577-582.
各国の肉のコンタミ状況の調査。米国2007年、カナダ、フランス。
なるほど。
Clostridium difficileは感染症診療や院内感染対策として重要です。
そこに存在しても、多くの健康な人に特に害はもたらしませんが、基礎疾患がある、病院で治療を受けているような場合に重症化することがあります。
例えば、入院して抗菌薬の使用によって偽膜性腸炎で・・・という話なのでありますが、病院の外(市中)で、抗菌薬の使用歴がないのにClostridium difficile関連下痢症に、という事例があります。疫学や対策を考える上で大変インパクトのある話。
こちらはオランダからの報告
Community-onset Clostridium difficileassociated diarrhoea not associated with antibiotic usage
Two case reports with review of the changing epidemiology of Clostridium difficile-associated diarrhoea
"community-onset cases of Clostridium difficile–associated diarrhoea (CdAd)"はもともと入院歴や抗菌薬治療歴のある人、高齢者で知られたリスクでしたが、このような因子のない2例を経験しました。
1例目は、2回の帝王切開以外に、過去に入院や治療歴のない28歳の女性のCdAd。
2例目は、71歳男性。市中で発症した下痢で、今回の入院の1週間前に別の病院を退院(6か月続く下痢のため)。
市中発症の下痢の鑑別診断において、classical risk profileがない場合でもCdAdを検討する必要・・・という事例。
院内感染対策でも大きな課題となっているわけですが、対策の進んでいるところで感染拡大が報告されたりします。
もっとも感染管理に本気ではない施設では、そういった問題がおきていないかの積極的な探索や思考をしないので、「うちは何も問題ないよ」的納得をしていたりするかもしれません。
マメに問題探しをしているから見つかる、というのも事実。
2012年2月に発表された英国からの分子疫学的な調査では、必ずしもすべて院内で伝播しているわけではない可能性が報告されています。
Characterisation of Clostridium difficile Hospital Ward–Based Transmission Using Extensive Epidemiological Data and Molecular Typing
Plos Medicine
遺伝子型と臨床の情報を合わせてを調べたところ66%にリンクはなく、23%のみが感染しているとわかっている患者と同じ型・・・というデータ。
もちろん、院内感染予防の対策の重要性はかわりませんが。
比較をするときは、症例定義(検査情報含め)が大切、という指摘。
Incidence of and risk factors for community-associated Clostridium difficile infection: a nested case-control study. BMC Infect Dis. 2011 Jul 15;11:194.
Prevalence and genotypic characteristics of Clostridium difficile in a closed and integrated human and swine population. Appl Environ Microbiol. 2011 Aug 15;77(16):5755-60. Epub 2011 Jul 1.
Clostridium difficile in Food and Domestic Animals: A New Foodborne Pathogen? Clin Infect Dis. (2010) 51 (5): 577-582.