Quantcast
Channel: 感染症診療の原則
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

4CMenB

$
0
0
髄膜炎の原因となる病原微生物は複数あり、小児と成人でちがってきます。
ワクチンが有効なものとワクチンのないものとあります。

「髄膜炎菌」は、固有の名前です。 〇〇による髄膜炎と、髄膜炎菌性髄膜炎とあってややこしいですね。
(ちなみに、「ヒブ(Hib、ヘモフィルスインフルエンザb菌)」は インフルエンザウイルスではありません)


髄膜炎菌性の髄膜炎日本における実態はあまり詳しく把握されていませんが、5類の全数報告として届けられている分の数字があります。

「曝露後の予防投与」など急ぎ検討しなくてはいけないことも多いので、24時間以内の報告にするべきだとおもいますが、なぜだか7日以内の報告とのんびりな制度になっています。7日後に保健所に届け出・・・そこから対応でいいのかどうか。決めた人たちがどれだけ疾患について知っていたのかと疑問になります。

発生動向では、0歳と高校生が多い、という傾向。


国や地域によって流行レベルが大きくちがいますが、流行地にでかける人は接種を推奨されますし、
欧米では、集団生活をする寮生などは接種証明を出すようにいわれます。

1年間に2600例ほど報告のある米国では、2012年1月よりテキサス州が州法で大学生への接種を義務化されています。

米国でも、他の感染症に比べて稀な感染症のワクチン(しかも高い)を全員にするというのはいかがなものかという意見もあります。(致死率が高い、ワクチンがあったのに・・・ということが全員に推奨する理由なのかわかりません)

このほか、事故や病気の治療のため脾臓を摘出した人や脾臓の働きが悪い人,血中補体成分の一部(C3 C5 C9)が欠乏している人等にも接種がすすめられています。



接種をしたい人はトラベルクリニックなどで輸入ワクチンを接種することになります。
「MCV4」は、髄膜炎菌のA、C、Y、W135群に対する4価の結合型ワクチンです。

ここにはBが入っていない、わけです。

2008年におわってしまいましたが、ニュージーランドには髄膜炎菌B型のためのワクチン(MeNZB)がありました。

そこで、Bを加えたワクチンを・・という努力があるわけですが、2月8日にJAMAに発表された、Oxford大学とヨーロッパMenB Vaccine Study Groupの研究者らによる4CMenBワクチンの報告。
健康な新生児1885人に接種しての副反応や免疫への効果の報告です。

Immunogenicity and Tolerability of Recombinant Serogroup B Meningococcal Vaccine Administered With or Without Routine Infant Vaccinations According to Different Immunization Schedules
JAMA.2012;307(6):573-582.

この論文はNovartis Vaccines and Diagnosticsの研究助成を受けており、 発表者のひとりがNovartis Vaccines, GlaxoSmithKline, sanofi-aventis, Sanofi Pasteur MSD, MedImmune, Pfizer Vaccineなど複数のメーカーとのfinancialな関係があると公開されています。

発熱はそれなりにありますね・・。

Meningitis Research Foundation

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

Trending Articles