最近は「ワクチン」といえば、感染症予防だけでなく、がんの治療とか、喫煙のため、はたまた花粉症対策を目的とした開発が行われているところであります。
感染症のワクチンで最近話題になったのはノロウイルスのワクチン。まだ完成していません。
しかし、苦しい目にあった人たちの期待は大きいようです。
インフルエンザもそうですが、ノロも自覚症状がこれといってない(自覚しない)、けれども、実際には感染していてウイルスを周囲に広げるようなことがあります。
「不顕性感染」ですね。
症状ありとなしで、どれくらいウイルス排出量が違うか。東京都微生物検査情報 2005年
なので、症状がなくても、日常的に決められた手洗いや注意事項を守るのがまず基本。
(本人や家族に症状があったら調理からははずれます)
対策はいろいろな本やHPにたくさんかかれています。
その対策をしていても広がることがあります。
基本的には口からウイルスが入るわけですので、食べ物が汚染されているとか、調理人の手が汚染されているとか、食べる自分の手指が汚染されていることがリスクになります。
紙を数えたり触る時にときどき指をなめる人がいます。(ぎゃ!)
その指は、駅の切符を買う時のタッチパネルで、さまざまな菌をひろってきているでしょうし、そうやって舐めたり鼻をホジホジした人の指がなでまくっている画面です。(ぎゃー)
食事はお箸でするかもしれませんが、パンを食べるときは手指ですよね。
潜伏期間は24-48時間くらいなので、その間に感染したのだなーとわかります。
つらい症状もそう長くは続きません。
長く続くのはウイルスがお尻から出続ける期間。
「感染後のノロウイルス排出期間および排出コピー数」 IASR 2007年 は、 「ノロウイルス排出期間も成人が約3週間であるのに対し、患児では1カ月以上、長い症例では6カ月間も陽性・・」だそうです。
免疫低下群では延長しそう。
山形県の高齢者施設のアウトブレイクでは、14.3日(範囲9〜32日、中央値13日)。
Journal of Hospital Infection (2010)
けっこう長いわけですよ!
まずもって集団施設での対策の難しさ。トイレを皆で共有しますよね。
いろいろなトイレが存在ますが、どの時点でどこを触って、どの時点で手洗いをしているかよく考えてください。
石鹸流水手洗いはどこでもできるわけではありません。
ノロが流行する冬。水が冷たいので温水がでないところでは、指先を濡らすだけの人が多いわけですよ。
(これは中央区の公立体育館の女子トイレの水道です!)
子どもがたくさんいる施設はもちろん、認知症の多い高齢者の施設で、手指の清潔の自己管理を徹底するのは難しいです。
スタッフの処置の前後の手洗いは、昼間のスタッフが十分いる時間の人員で想定したマニュアルになっていますが、夜間の人手が減るところで、同じような手間暇かけてやることはとても難しいです。
(過去に相談対応をしたアウトブレイクの調査で実感したこと)
ノロが流行して高齢者や保育園でアウトブレイクするのは毎年の事象でありますが、これが問題だ!と思う方はぜひ、
全ての病院のすべての部屋に、手を洗う場所があって、石鹸とペーパータオルを置けるようリフォーム費用を補助していただく、これから建設する施設はそのようにデザインしていあだく、手袋など必要な物品が病院の持ち出しにならないようにしていただく、必要時ケアの前後に手が洗えるだけの人員を配置していただけるよう、ぜひ働きかけていただけますようおねがいいたしまする。
看護師やケアスタッフの皆さん。「この人感染なしだよねー」とか、検査で確認していない時点で、対策の気分を甘くするのは要注意です。後から〇〇だったとわかること多いですからね。この時期は感染管理スタッフとよくご相談ください。
多くの方は回復するのですが、感染者数(分母)が大きくなると重症や死亡例もでてきます。
下痢だけじゃなく、高齢者は嘔吐したときの誤嚥やによる肺炎や窒息もおこりえます。
Deaths from Norovirus among the Elderly, England and Wales EID 2008
症状がない人からうつる、ってことは性感染症などでもよくあります〜。それはまた別の機会に。
感染症のワクチンで最近話題になったのはノロウイルスのワクチン。まだ完成していません。
しかし、苦しい目にあった人たちの期待は大きいようです。
インフルエンザもそうですが、ノロも自覚症状がこれといってない(自覚しない)、けれども、実際には感染していてウイルスを周囲に広げるようなことがあります。
「不顕性感染」ですね。
症状ありとなしで、どれくらいウイルス排出量が違うか。東京都微生物検査情報 2005年
なので、症状がなくても、日常的に決められた手洗いや注意事項を守るのがまず基本。
(本人や家族に症状があったら調理からははずれます)
対策はいろいろな本やHPにたくさんかかれています。
その対策をしていても広がることがあります。
基本的には口からウイルスが入るわけですので、食べ物が汚染されているとか、調理人の手が汚染されているとか、食べる自分の手指が汚染されていることがリスクになります。
紙を数えたり触る時にときどき指をなめる人がいます。(ぎゃ!)
その指は、駅の切符を買う時のタッチパネルで、さまざまな菌をひろってきているでしょうし、そうやって舐めたり鼻をホジホジした人の指がなでまくっている画面です。(ぎゃー)
食事はお箸でするかもしれませんが、パンを食べるときは手指ですよね。
潜伏期間は24-48時間くらいなので、その間に感染したのだなーとわかります。
つらい症状もそう長くは続きません。
長く続くのはウイルスがお尻から出続ける期間。
「感染後のノロウイルス排出期間および排出コピー数」 IASR 2007年 は、 「ノロウイルス排出期間も成人が約3週間であるのに対し、患児では1カ月以上、長い症例では6カ月間も陽性・・」だそうです。
免疫低下群では延長しそう。
山形県の高齢者施設のアウトブレイクでは、14.3日(範囲9〜32日、中央値13日)。
Journal of Hospital Infection (2010)
けっこう長いわけですよ!
まずもって集団施設での対策の難しさ。トイレを皆で共有しますよね。
いろいろなトイレが存在ますが、どの時点でどこを触って、どの時点で手洗いをしているかよく考えてください。
石鹸流水手洗いはどこでもできるわけではありません。
ノロが流行する冬。水が冷たいので温水がでないところでは、指先を濡らすだけの人が多いわけですよ。
(これは中央区の公立体育館の女子トイレの水道です!)
子どもがたくさんいる施設はもちろん、認知症の多い高齢者の施設で、手指の清潔の自己管理を徹底するのは難しいです。
スタッフの処置の前後の手洗いは、昼間のスタッフが十分いる時間の人員で想定したマニュアルになっていますが、夜間の人手が減るところで、同じような手間暇かけてやることはとても難しいです。
(過去に相談対応をしたアウトブレイクの調査で実感したこと)
ノロが流行して高齢者や保育園でアウトブレイクするのは毎年の事象でありますが、これが問題だ!と思う方はぜひ、
全ての病院のすべての部屋に、手を洗う場所があって、石鹸とペーパータオルを置けるようリフォーム費用を補助していただく、これから建設する施設はそのようにデザインしていあだく、手袋など必要な物品が病院の持ち出しにならないようにしていただく、必要時ケアの前後に手が洗えるだけの人員を配置していただけるよう、ぜひ働きかけていただけますようおねがいいたしまする。
看護師やケアスタッフの皆さん。「この人感染なしだよねー」とか、検査で確認していない時点で、対策の気分を甘くするのは要注意です。後から〇〇だったとわかること多いですからね。この時期は感染管理スタッフとよくご相談ください。
多くの方は回復するのですが、感染者数(分母)が大きくなると重症や死亡例もでてきます。
下痢だけじゃなく、高齢者は嘔吐したときの誤嚥やによる肺炎や窒息もおこりえます。
Deaths from Norovirus among the Elderly, England and Wales EID 2008
症状がない人からうつる、ってことは性感染症などでもよくあります〜。それはまた別の機会に。