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Channel: 感染症診療の原則
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空飛ぶ検体 と 飛べなくなった人たち

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国連のひとつの機関であるWHO。ここが6日7日に開いたIHRの会議で、今回の西アフリカ3カ国でのエボラウイルス流行はPHEICかどうかが検討され、その宣言が行われました。

すでに他の国際機関が流行国への緊急支援を発表済みだったので、"WHO遅いんだよ"的空気がありましたが。
いろいろな制限につながることもあるの慎重に行われるものだと理解しています。
ちなみに各国に飛行機で症例が広がったMERSはPHEICとはなってません…。


非常事態ということばにワクワクした記者さんたちもいましたが、日本に直接大きな変化はないので、外務省と厚労省のホームページを見ていてね、でした。

感染症の関係者でもIHRやPHEICって何?な方も多いわけですので、このような機会にさくっと勉強してしまうことをオススメします。

国際的なお約束事のひとつには、エボラウイルスなどの分離はBSL4施設でやりましょう、というものがあり、日本では2つあるが稼働しない(住民の反対)状況があります。
使おうと思えばすぐ使えるならいいのでは?、使えないならどうするの?です。
他の国にお願いするのかも?と、日本学術会議資料にはありますが…
今後のアナウンスに注目したいと思います。

結果の取り扱いはリスクコミュニケーションとしても重要です。


参考になりそうな情報がありました。
サウジアラビア政府が、シエラレオネ帰りのエボラ疑い症例 40歳 の検査結果を発表したので紹介します。

8月9日 保健省発表

■Jeddahのエボラうたがい症例の検査を国際リファレンスラボでし、結果は陰性でした

■検査は米国CDCが行いました

■米国CDCはエボラ以外の病原体検査(ラッサ熱など)もします

■米国CDC以外のドイツ ハンブルグにある国際リファレンスラボにも送って検査をします

■検査結果が全部揃ったら皆さんにもお知らせします

■症例は西アフリカ帰りで、症状からエボラもうたがわれました。隔離施設の中で治療を受けていましたが先週水曜日に死亡しました

■接触者への対応も行われており、サウジアラビアではこの一例のみです。

(以下、渡航情報含め政府は適切に対応してます情報)

この発表の前の発表。WHOの勧めに従い米国とドイツで検査、とあります。

飛行機で運ぶ時は、陸路はこうしましょう、という検体輸送ルールも日本の資料にはあります。(4重構造のハコモノの準備はどの施設でもあるのか?ですが)

バイオテロなどへの対策も必要なので当然厳重になってます。

米国は検査も熱心です。治療やワクチン開発にも必要ですので(検体欲しい…ぜひぜひ)
U.S. Emergency Labs Ready to Work on Ebola Drugs if Asked

イスラム教のハジやウムラに参加するイスラム教徒について、サウジアラビア政府は流行国はビザを出さない検討をしており、
7200人がキャンセルとのニュースがありました。

イスラム教徒のシエラレオネ、ナイジェリアの友人を思い出したニュースです。

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