一般市民や地域には直接リスクが発生したり広がらないエボラウイルスですが、医療関係者はこの特定のウイルスにかぎらず、今後の未知の病原体含め、感染症への「備え」をすることになっています。
最適化が理想ですが(非専門家にはときに不十分に見え)、リスクは小さくても関係者が納得しないとか家族の不安が残るとか科学的な正しさ以上の対応をリーダーがひきうけなくてはいけないこともあります。
過剰になれば、患者さんがおびえたり社会の誤解につながって人権的な問題が生じたり、事務方からはそんなコストは本当にいるのかといか石がとんできたり。
初期と、状況認知が進んでからでは多少やり方もかわってきますが。
リアルな問題へのケアと同時に、不安のケアも考えることになります。
同じ病気の名前でも、歩いてくる患者さんと、ぐったりストレッチャーなケースなど個別の状況に応じて判断することがもとめられます。
まずは、マニュアルやガイドライン、他の施設のやりかたなどをみて、地域や施設特性にあわせてモデフィァイすることになります・・・。
・・・正直めんどうです。目の前にリスクはおきていません。おきそうにもありません。
いつかやろう、時間ができたらやろう、といって先延ばしにしていたらにわかに「その周辺」が騒がしくなり、週末やろうとおもっていたら金曜日の17時すぎにいろいろな情報が舞い込んでくるーー今から〇〇に行く新幹線に向かうのに!な状況になったかたもいらっしゃるとおもいます。夏休みが消えた・・・という悲劇も聞いています。
一類感染症の対策で一番進んでいるのは箱ものだと思います。
なにせ、イギリスでは一類感染症のような病気はRoyal Free Hospitalに集める、というところ、日本は44医療機関で対応するとなっています。
想像するに、指定されたところにはそれなりの設備のための投資が行われているとおもいます(マンパワーはどうかわかりませんが)。
マニュアルをつくったり年2回くらい訓練をすることはそう難しくないかもしれませんが、実際に困るような案件は(困る話であるがために)あまり関係者が深く検討してこなかったかもしれません。それが人間のNatureといえばそうなんですが。
制度はできていて、感染症法にもとづいて、各地に一種、二種と指定を受けている医療機関があります。
感染症の対応できるよね!ということになっていますが、、、ここからが問題です。
その施設で感染症を診る人は誰?院内の感染管理、保健所や検疫、行政との連絡ロジは誰が把握しているの?
その先生がしばらく業務負荷がかかるときにだれがカバーするの?
もともとの業務はどうする?
です。
これまでにお会いした方の中で「実は私カミングアウトしてないんです・・・」というので・・・おお、その話題かと一瞬姿勢を正したら、「ICDもっていることを周囲には伏せています」というお話。
感染症は好き、研修会参加したらICDはもらえた。
それを今 表明すると「じゃあ、やってくれ」といわれるんじゃないか。
自分の診療科をまわしつつ、教育をしつつ、書類業務におわれながら、現状からして荒野な状態の感染管理の責任を引き受けることには二の足を踏みます・・・ということです。
感染症専門医の数は学会が把握しており、ICDの数も制度協議会が把握しているのだとおもいます。
(編集長どっちももっていませんが。。。。ぼそぼそ)
日本には、その対応の基礎力はどれくらいあるのだろうと今回考えたしだいです。
ICNはちょっと前のデータで1700くらいいました…
自治体の医療機関へのサポートもかなりばらばらで、PPE購入協力支援があったり、紙を送ってくる以外何もしてくれないところもあったり。
言わないと何もしてくれないこともあるでしょうから、「隣の県」話もつかってリクエストするのもよいかもしれません。
その箱モノはあるから、うたがい症例をそこに紹介してみてもらいましょう、、、となったときに、次に思い浮かぶのは、その患者さんは歩いていっていいのか、タクシーに乗っていいのか、電車にのっていいのか、はたまた救急車をよんでしまっていいのか。
(以下は、ネット検索でどなたでも探せるレベルの公開情報からなんですが、お忙しい方のためにサマリーを紹介)
一類対応の医療機関が選定されていない自治体もあるので(総務省の評価などで、問題指摘されてますが)、普段は県境を超えない救急車は越境をして移送をすること受け入れるというような自治体間あるいは病院間の申し合わせがあるのかどうか。
検体を保健所から感染研(しかも東村山の方)にはこびましょう、、となったときに、隣の市ならいいですが、東京までそもそも飛行機な距離の場合はどうするの?とか。
保健所が運転していきなさいとなったら、誰が運転するのか(が、書いてない)。
検体回収と移送を民間企業と契約しているところもありますが、HIV検査の検体は運ばない、新型◯◯は運ばないというところもあります。
患者さんの移送は救急隊が担当することになっている自治体もありますが、新型インフルエンザ体制整備のときに民間移送業者に「委託」としたところもあって、インフルエンザはいいとしてまだ未体験の一類も同じ対応がすぐにできるのかどうか。
(連絡調整をして何人も介している間に個人情報保護があやうくなったりしないのか、など。これは探しても見つからない情報)
一類感染症講習会のe-learningで中島先生が講義をされている「接触者対応」。
(家族は?救急隊は?初動の医療者は?)
濃厚曝露をしていなくても健康観察中は自宅待機かという質問もきたりします。
など、調べ始めるとそれなりにわかったり、新たな疑問がうまれたり。
担当者も2-3年で変わるので引継ぎがない場合、過去の通知文の把握から2009年パンデミック対応の反省での申し合わせもつたわってなかったりすると時間もかかります。
新型インフルエンザのときとおなじく「誰か決めて」状態になるのはある程度はしかたないとして、昨年の風疹とちがい、目の前にリアルに問題が生じていない中での、不安のケア、コミュニケーションの課題などを学んでいるところです。
最適化が理想ですが(非専門家にはときに不十分に見え)、リスクは小さくても関係者が納得しないとか家族の不安が残るとか科学的な正しさ以上の対応をリーダーがひきうけなくてはいけないこともあります。
過剰になれば、患者さんがおびえたり社会の誤解につながって人権的な問題が生じたり、事務方からはそんなコストは本当にいるのかといか石がとんできたり。
初期と、状況認知が進んでからでは多少やり方もかわってきますが。
リアルな問題へのケアと同時に、不安のケアも考えることになります。
同じ病気の名前でも、歩いてくる患者さんと、ぐったりストレッチャーなケースなど個別の状況に応じて判断することがもとめられます。
まずは、マニュアルやガイドライン、他の施設のやりかたなどをみて、地域や施設特性にあわせてモデフィァイすることになります・・・。
・・・正直めんどうです。目の前にリスクはおきていません。おきそうにもありません。
いつかやろう、時間ができたらやろう、といって先延ばしにしていたらにわかに「その周辺」が騒がしくなり、週末やろうとおもっていたら金曜日の17時すぎにいろいろな情報が舞い込んでくるーー今から〇〇に行く新幹線に向かうのに!な状況になったかたもいらっしゃるとおもいます。夏休みが消えた・・・という悲劇も聞いています。
一類感染症の対策で一番進んでいるのは箱ものだと思います。
なにせ、イギリスでは一類感染症のような病気はRoyal Free Hospitalに集める、というところ、日本は44医療機関で対応するとなっています。
想像するに、指定されたところにはそれなりの設備のための投資が行われているとおもいます(マンパワーはどうかわかりませんが)。
マニュアルをつくったり年2回くらい訓練をすることはそう難しくないかもしれませんが、実際に困るような案件は(困る話であるがために)あまり関係者が深く検討してこなかったかもしれません。それが人間のNatureといえばそうなんですが。
制度はできていて、感染症法にもとづいて、各地に一種、二種と指定を受けている医療機関があります。
感染症の対応できるよね!ということになっていますが、、、ここからが問題です。
その施設で感染症を診る人は誰?院内の感染管理、保健所や検疫、行政との連絡ロジは誰が把握しているの?
その先生がしばらく業務負荷がかかるときにだれがカバーするの?
もともとの業務はどうする?
です。
これまでにお会いした方の中で「実は私カミングアウトしてないんです・・・」というので・・・おお、その話題かと一瞬姿勢を正したら、「ICDもっていることを周囲には伏せています」というお話。
感染症は好き、研修会参加したらICDはもらえた。
それを今 表明すると「じゃあ、やってくれ」といわれるんじゃないか。
自分の診療科をまわしつつ、教育をしつつ、書類業務におわれながら、現状からして荒野な状態の感染管理の責任を引き受けることには二の足を踏みます・・・ということです。
感染症専門医の数は学会が把握しており、ICDの数も制度協議会が把握しているのだとおもいます。
(編集長どっちももっていませんが。。。。ぼそぼそ)
日本には、その対応の基礎力はどれくらいあるのだろうと今回考えたしだいです。
ICNはちょっと前のデータで1700くらいいました…
自治体の医療機関へのサポートもかなりばらばらで、PPE購入協力支援があったり、紙を送ってくる以外何もしてくれないところもあったり。
言わないと何もしてくれないこともあるでしょうから、「隣の県」話もつかってリクエストするのもよいかもしれません。
その箱モノはあるから、うたがい症例をそこに紹介してみてもらいましょう、、、となったときに、次に思い浮かぶのは、その患者さんは歩いていっていいのか、タクシーに乗っていいのか、電車にのっていいのか、はたまた救急車をよんでしまっていいのか。
(以下は、ネット検索でどなたでも探せるレベルの公開情報からなんですが、お忙しい方のためにサマリーを紹介)
一類対応の医療機関が選定されていない自治体もあるので(総務省の評価などで、問題指摘されてますが)、普段は県境を超えない救急車は越境をして移送をすること受け入れるというような自治体間あるいは病院間の申し合わせがあるのかどうか。
検体を保健所から感染研(しかも東村山の方)にはこびましょう、、となったときに、隣の市ならいいですが、東京までそもそも飛行機な距離の場合はどうするの?とか。
保健所が運転していきなさいとなったら、誰が運転するのか(が、書いてない)。
検体回収と移送を民間企業と契約しているところもありますが、HIV検査の検体は運ばない、新型◯◯は運ばないというところもあります。
患者さんの移送は救急隊が担当することになっている自治体もありますが、新型インフルエンザ体制整備のときに民間移送業者に「委託」としたところもあって、インフルエンザはいいとしてまだ未体験の一類も同じ対応がすぐにできるのかどうか。
(連絡調整をして何人も介している間に個人情報保護があやうくなったりしないのか、など。これは探しても見つからない情報)
一類感染症講習会のe-learningで中島先生が講義をされている「接触者対応」。
(家族は?救急隊は?初動の医療者は?)
濃厚曝露をしていなくても健康観察中は自宅待機かという質問もきたりします。
など、調べ始めるとそれなりにわかったり、新たな疑問がうまれたり。
担当者も2-3年で変わるので引継ぎがない場合、過去の通知文の把握から2009年パンデミック対応の反省での申し合わせもつたわってなかったりすると時間もかかります。
新型インフルエンザのときとおなじく「誰か決めて」状態になるのはある程度はしかたないとして、昨年の風疹とちがい、目の前にリアルに問題が生じていない中での、不安のケア、コミュニケーションの課題などを学んでいるところです。