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Channel: 感染症診療の原則
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開業医、感染症診療の鏡

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度々申し訳ありません。
先生との対談をさせていただいて1年が過ぎ、

壁を打ち破ってグラム染色も1年になるところです。

1年で86件(尿65、喀痰18、その他3)は多くはないと思いますが、検体をとれた数と理解しています。
検査をしてもすべてが培養できるわけではなく、起因菌として捉えられたのは多くはありません。
尿では大腸菌が31件と多く、Klebsiella,Enterococcusが続きます。喀痰は、肺炎球菌2件、H.influenzae1件と培養の難しさを感じています。

注目は、3rdセフェムの使用が2件もありました。

COPD基礎の肺炎で喀痰、尿とれない方のエンピリックで使用、数日後、何とか喀痰グラム染色して、有意菌ないことを確認。
ST,NQ,CEZの耐性大腸菌感染既往を持つ方の膀胱炎でCTMで細菌尿改善せず、使用。いずれもCDTR使用。

ここ1年で第三世代セフェムを使用したのは、この2件のみです。

この2件も昨年後半のことですので、今年はこのまま使わないかもしれません。
外来で診れる肺炎はAMPCで対応、尿路感染症で大腸菌らしいのはST、Klebsiella他あやしいGNRはCTMで、GPCはAMPCで対応しています。

これが正しいことかどうかは分かりませんが、
グラム染色とアンチバイオグラムがあることで、あてずっぽうではない治療が少しできているかなという印象です。

重症な方は病院で広域抗菌薬治療を受けていますので、それはそれで正しいことと思っています。

長くなりましたが、1年経ってのご報告です。

(写真は期限が来て新しくする染色液です。こんなに減らないのにもったいない。診療所用の小瓶が欲しいところです。スタッフの技でシンクはきれいなままです)

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