Quantcast
Channel: 感染症診療の原則
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

ST合剤がだめだったら

$
0
0
12月1日のブログ記事参照。

ニューモシスチス肺炎は日本でエイズと診断される全体の3割〜の人が発症(して診断される)。

治療薬はいろいろありますが、ST合剤での副反応頻度が高いので、アトバコン(アトバクオン)という次の選択肢を使うことになります。

が、これまで日本では未認可のクスリであったため、治療薬研究班という名前の事業が東京医大臨床検査医学講座の福武教授のもとにあり、ここから全国の医師が取り寄せて使っていたという経緯があります。


そして、この薬はめちゃ高い。

HIV感染して気づかない人が増えたら、この予算は底をつくといわれていました。

未承認薬やドラッグラグ等の問題を解決するプロセスで、感染症専門医などから必要性の高い薬として名前があがっていたのですが、ようやく1月18日に承認となりました。

グラクソ・スミスクラインの「稀少専家」というサイトに行き、「医療者」を選ぶと、HIV陽性の症例とそうでない症例、、の情報などがならんでいます。

商品名は「サムレチール」

トリメトプリム,スルホンアミドまたはいずれも忍容できない HIV 感染症患者におけるニューモシスチスカリニ肺炎の予防に対するアトバクオンとダプソンの比較
N Engl J Med 1998; 339 : 1889 - 95

薬剤師さんによる解説 「アトバコン:忍容性が高いニューモシスチス肺炎治療薬」日経メディカルオンライン


困ったら東京医大の福武先生や山元先生に相談する。そうやって関係者は2012年までのりきってきたといえます・・・。
東京医大のHIVセミナーの懇親会などではそういった事情なども学べそうです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

Trending Articles