Cases in Travel and Tropical Medicine #2

せみTropicalな日が続く事もあるようになりました。連休最後の日、皆様はいかがお過ごしですか？

本日の症例は29歳、男性研修医。

主訴：
1週間続く、発熱（39度）と乾性咳と腹痛・下痢、そして足の皮疹です。

病歴：
エチオピアにいってました。

身体所見：
・39度、HR:110R、BP:135/65、
・リンパ節主張なし
・心臓・肺：正常
・肝臓腫大してTender。脾腫なし。
・神経学的には正常
・足に痒い皮疹


検査：
CBC:WBC,RBC正常。好酸球:1400
肝機能：AST:76, ALT:67: ALP:109;Bil0.8, INR:1.1, Alb:3.7
電解質：正常、腎機能：正常
便培養陰性、寄生虫：卵・無し。

問題：
次のどれを投与しますか？
・Ciprofloxacin
・Albendazole
・Praziquantel
・Artesunate
・Steroid

正解：
・Katayama feverなのでPraziquantel　＞＞改善した。

片山熱について：
・曝露後2-12週（半月から3ヶ月後）
・診断は曝露＋好酸球↑＋発熱＋蕁麻疹
・血清学は感度良いが陽転化するのに時間かかる。
・Stool O&Pは最大80％の症例で偽陰性
・直腸生検は感度良いが侵襲強い。
・通常、治療は臨床的診断による
・治療は発症してればPraziquantelだが、曝露＋未発症ならばマラリア薬のArtemisininも悪くない。（編集長：驚き）
・Artemisininはマラリア以外にも効く：住血吸虫にも。

Ross AG, Vickers D, Olds GR, Shah SM, McManus DP.
Katayama syndrome.
Lancet Infect Dis. 2007 Mar;7(3):218-24.
PMID: 17317603

経過：
・治療して改善したが、一ヶ月後にまだ便中に住血吸虫が・・

問題：どうする？
・再度Praziquantel
・Praziquantelを大量に
・PraziquantelとArtesunateを併用
・別の診断も考える
・何もしない。2ヶ月後に再検

正解：
・何もしない。治療しても卵は出てくる。場合によっては死んだ卵がずっと出てくる。