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Channel: 感染症診療の原則
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【Q&A】若セミ 香坂先生

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若手医師セミナー 香坂先生のご講義でのQ&A情報をいただきました。
香坂先生、お忙しい中ありがとうございました。


※下記は、講義に関連した質疑であり、一般化したり特定の症例に対応するコメントではありません。活用される際はその方の責任で確認や検討をお願いします。

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> ST低下で対面の心筋の変化は関与していないのですか?

関与していません。 ST上昇は対面の心筋の再分極が大事です(梗塞を起こしている心筋は脱分極も再分極もしないので、そこに電位差が生じる)。ですが、ST低下は虚血を起こしている側の変化だけで電位差
が生じているので、対面の心筋の状態は関係ないのです。

> 心窩部痛の患者さんをみたとき、どのような場合に心電図を取るべきでしょうか?

すべてのケースで!しかも、10分以内が鉄則です。

> 術前評価でどのくらいのレベルの内容をコンサルトされると困りますか?

特に困ることはありませんが、コンサルトでお答えした内容をマネジメントに反映してください。術前評価のキモは運動耐用能です。4 Mets
程度の運動(家の周りの掃除や階段昇降)ができればまず普通の手術は大丈夫です。詳しくは米国の周術期管理のガイドラインなどをご覧ください(http://circ.ahajournals.org/content/116/17/e418.full)。

> CK のピークが2倍以上ならAMIという診断基準は今も使われているのでしょうか?

今は Universal Definition
という、トロポニンを中心とした定義に変わっています。その施設のトロポニンの99パーセンタイル値を越えていて、症状や画像上の梗塞の所見があればAMIと考えます。

> ラピチェックはどう評価すればいいのでしょうか?

日本で市販されているもので、大規模な臨床研究がないのでなんともいえませんが、見逃しが許されない検査なので、やや False Positive
が多くなっても仕方がないという閾値に設定されているような気がします。陰性なら信頼できるでしょう。

> トロポニンを測定しない指導医が多いが、どうやって説得?したらよいでしょうか。

粘り強く。地動説が認められるのにも200年くらいかかりました。

> 最後に音声が聞こえなかったのですが。

申し訳ありませんでした。よければこんなサイトなどで S3 聞いてみてください。

http://www.med.ucla.edu/wilkes/Rubintro.htm

UCLA の教材です。

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