Cases in Clinical Microbiology続きます。変わりまして今度は
新生児の症例(Group B Streptococcus:GBS)です。
症例:
分娩が近づき、規定通りVaginaの培養を出しますとGBS陽性で戻りました。
問題は、この培養提出時点ではPCN Allergyは認知されていない。
分娩直前にPCN Allergyが認知され、他の抗菌薬の感受性のリクエストされた
しかし、イチイチGBSの株を保管するほど余裕無いのが細菌室。
結局、PCNの代わりにEM 500mg静注となりましたが、新生児はGBSの敗血症になりました。
GBSの耐性化:
問題はGBSはGroup A Streptococcusよりも耐性の問題が多いという事。
そのためにPCN Allergyと報告されている症例の検体については感受性検査が行われます。(日本でもやってると思います。I hope)
Church DL, Baxter H, Lloyd T, Miller B, Elsayed S.
Evaluation of StrepB carrot broth versus Lim broth for detection of group B Streptococcus colonization status of near-term pregnant women.
J Clin Microbiol. 2008 Aug;46(8):2780-2.
PMID: 18524962
D-test:
問題のGBSの感受性は以下のとおり。なのでD-testの出番です。
PCN (S)、EM (I)、CLND (S)
マクロライドの耐性のメカニズム:
マクロライドの耐性は基本的にはmsrA(efflux)とerm(Ribosomal mutation)
ermは更にinducibleとconstitutiveに分かれます。
D-testはermのinducible型耐性の検出に用います。
このようなマクロライドやクリンダマイシン耐性の問題が正確に認識される必要があります。(細菌室だけでなくて産科の現場でも)
Chen KT, Puopolo KM, Eichenwald EC, Onderdonk AB, Lieberman E.
No increase in rates of early-onset neonatal sepsis by antibiotic-resistant group B Streptococcus in the era of intrapartum antibiotic prophylaxis.
Am J Obstet Gynecol. 2005 Apr;192(4):1167-71.
PMID: 15846197
CDCのGBSのGuidline(2010年版):
EM500mg静注の体内動態は非常に個人差があり期待どおりの活躍は難しいかも。
そして胎盤はEMに対してバリアなので胎児、新生児は守られてない。
2010年に出たCDCのGBS用Guidlineでは、そもそもマクロライドの使用を辞めるように勧告しています。代わりはVCMのようです。
また、今後、分娩直前の感受性検査の必要に対処するため、産科から提出された検体中のGBSは暫く保管する事が勧められているようです。
(写真:昨日、伺った湘南藤沢病院のPGY1ピカピカの一年生、略してピカイチ、名古屋の中華料理屋さんみたい)
新生児の症例(Group B Streptococcus:GBS)です。
症例:
分娩が近づき、規定通りVaginaの培養を出しますとGBS陽性で戻りました。
問題は、この培養提出時点ではPCN Allergyは認知されていない。
分娩直前にPCN Allergyが認知され、他の抗菌薬の感受性のリクエストされた
しかし、イチイチGBSの株を保管するほど余裕無いのが細菌室。
結局、PCNの代わりにEM 500mg静注となりましたが、新生児はGBSの敗血症になりました。
GBSの耐性化:
問題はGBSはGroup A Streptococcusよりも耐性の問題が多いという事。
そのためにPCN Allergyと報告されている症例の検体については感受性検査が行われます。(日本でもやってると思います。I hope)
Church DL, Baxter H, Lloyd T, Miller B, Elsayed S.
Evaluation of StrepB carrot broth versus Lim broth for detection of group B Streptococcus colonization status of near-term pregnant women.
J Clin Microbiol. 2008 Aug;46(8):2780-2.
PMID: 18524962
D-test:
問題のGBSの感受性は以下のとおり。なのでD-testの出番です。
PCN (S)、EM (I)、CLND (S)
マクロライドの耐性のメカニズム:
マクロライドの耐性は基本的にはmsrA(efflux)とerm(Ribosomal mutation)
ermは更にinducibleとconstitutiveに分かれます。
D-testはermのinducible型耐性の検出に用います。
このようなマクロライドやクリンダマイシン耐性の問題が正確に認識される必要があります。(細菌室だけでなくて産科の現場でも)
Chen KT, Puopolo KM, Eichenwald EC, Onderdonk AB, Lieberman E.
No increase in rates of early-onset neonatal sepsis by antibiotic-resistant group B Streptococcus in the era of intrapartum antibiotic prophylaxis.
Am J Obstet Gynecol. 2005 Apr;192(4):1167-71.
PMID: 15846197
CDCのGBSのGuidline(2010年版):
EM500mg静注の体内動態は非常に個人差があり期待どおりの活躍は難しいかも。
そして胎盤はEMに対してバリアなので胎児、新生児は守られてない。
2010年に出たCDCのGBS用Guidlineでは、そもそもマクロライドの使用を辞めるように勧告しています。代わりはVCMのようです。
また、今後、分娩直前の感受性検査の必要に対処するため、産科から提出された検体中のGBSは暫く保管する事が勧められているようです。
(写真:昨日、伺った湘南藤沢病院のPGY1ピカピカの一年生、略してピカイチ、名古屋の中華料理屋さんみたい)