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Channel: 感染症診療の原則
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今年度最後の若セミ 胸部単純写真基本 お見逃しなく!!

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「日本人は市中肺炎CAPを抗菌薬でなく、放射線で治療するのか・・」
と冗談を言われるほど、市中肺炎=胸部CTが頻繁に行われていますが・・。
(勿論、必要な場合もありますが・・)

1984年、KY大学の外来でCAPで来たインド人と編集長との会話。
編集長:病歴と身体所見上、肺炎だと思います。胸部写真を撮りましょう。
インド人:はい。
編集長:胸部写真のPAとLateral(正面と側面)を指示用紙に記入する。
インド人:ちょっと待って。どうして正面に加えて側面を撮りますか? あなたは病歴と身体所見上、肺炎を強く疑い、それを確定するために胸部写真の正面を撮ります。きっと異常陰影が写るんでしょう。
編集長:もちろん。
インド人:肺炎の診断としては正面撮影の異常陰影で既に十分ではないですか? 側面の異常陰影はあなたの治療をどのように変えますか? 側面撮影の経費を払うのは私なのですよ!!
編集長:確かに・・

2014年、編集長と研修医との会話:
研修医:22歳の青年のCAPです。胸部単純写真で異常陰影を認めますので、胸部CTをとります。
編集長:胸部単純写真で異常陰影は胸部CTでも異常陰影です。胸部CTの異常陰影は先生の治療をどのように変えますか?
研修医:確かに・・

「胸部単純写真の講演を聴きたい」という研修医の要望が非常に高かったのも編集部が佐藤先生に講義をお願いした理由の一つでしたが、上記のような無考えに指示される胸部CTに対する一つの答えを期待した事も事実です。特に今後、医療費が無尽蔵にあるわけでない日本で効率的な診療を行うためにも。

編集長:講演スライドを拝見しましたが、Felson以来の興奮、Meschan以来の感動、間違いありません!

あ、失礼、Meschanなんて世代は、もう還暦世代かな・・

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