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Channel: 感染症診療の原則
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バンコマイシン耐性と蛋白尿の共通点

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昨日も無事、Dr.YのAssistのもと駒込病院の外来を終える事ができました。

編集長にとってD.YはHIV感染症領域における腎障害の若くしてAuthorityです。
その彼から最近の話題を聞きました。
以下、Dr.Yとの会話から・・

編集長:腎機能障害といっても具体的にはS-Creatinineを見てるのだろう?
Dr.Y:ハイ、S-Creatinineは大事な指標の一つです。これによる分類が「ステージ分類」と言われるものです。(CKD診療ガイド2009)
編集長:そうでしょう、そうでしょう。
Dr.Y:ところが蛋白尿の程度がS-Creatinineとは独立した腎機能障害の指標として認知されたのです。即ちS-Creatinineと蛋白尿の2軸によるTableです。(CKD診療ガイド2012)
編集長:そうなの・・
Dr.Y:はい。そうなのです。S-Creatinineが正常だと思って見ていると、知らないうちにタンパクがダダ漏れしている・・なんて事もあるのです。そして、このタンパク尿が心臓、血管、腎臓、の障害のRisk factorなのである!!
編集長:えー・・と。タンパク尿が心臓や血管の障害のRisk factor・・?
Dr.Y:はい。そうであります。つまりタンパク尿は腎臓の問題の表現だけでなく、血管内皮障害のSurrogate Marker的な・・
編集長:なるほど!! 理解が分かった。

そう言えば、2-3年前のICAACの発表でVCMに対するMICが高いMSSA(MRSAでなくて)は、Nafcillinでの治療効果も悪い・・という話しを思い出しました。MSSAをNafcillinでの治療するならVCMのMICなど関係無い筈ですが、やはりVCMのMICが高いというのは患者さんの状態が悪い・・というSurrogate Markerなのかも知れません。

という事で、
VCM耐性もタンパク尿も、それぞれ「患者の基礎状態の悪さ」や「内皮障害」という、より広くて深い概念のSurrogate Markerなのかな・・
と・・まあそんな事を考えた駒込病院外来であります。

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