9月12日に開催された、副反応関連の会議の資料が本日厚労省のホームページに掲載されていました。
平成25年度第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会、第3回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(合同開催)配付資料
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見ている情報はどのあたりか?ですが、、、
1次資料は医療機関のカルテですが、その調査などを踏まえた専門家の会議の資料があり(2次資料)、そこからさらにこの会議で配布する資料(3次)が作成されています。
この資料が配布されて、委員会の中で議論が行われます。
傍聴していた記者が、ある軸で解釈・伝達をしてメディア経由で見ている情報が4次情報。
メディア棒読みではわからないこともあるので、まずはこの会議資料を見て勉強するのが良いと思います。
年齢や接種した日、ワクチンの種類、基礎疾患、重篤度、転帰情報があります。
安全性を検討するデータですから、精度をあげる工夫が進むことを期待。
MR、M、R、水痘、B型、ムンプス、ロタ、A型肝炎、肺炎球菌、DPT、DT、D、Tについてであり、今回はHPVの資料はありませんでした。
今回は風疹対策として、MRワクチンを任意ワクチンで接種する人が増えましたので、分母も大きくなり、分子も増えているのではないか・・・ですが、
平成25年4月1日 〜6月30日で、 1,380,873接種
製造業者からの報告 7(0) 0.001%
医療機関からの報告 34 0.002% うち重篤が16症例、このうち死亡が2。
重症例の経過サマリーも記載あり。
風疹ワクチンは在庫不足で全体に分母も少なく、報告(分子)はゼロでした。
次年度から定期接種に、、ということが話し合われているムンプスワクチンですが、231,900接種で報告が8例。
しかし、ムンプスワクチンの単独ではなくて今後のことを考えたらMMRでしょう、ということが基本計画の部会ではなされていることです。
この会議の翌日の13日に開催された「予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産流通部会」については、現時点でまだ配布資料がありません。
メーカー側からの資料の中にある指摘。
国内メーカーが国内の需要(この先しぼむだけの市場)を相手に開発その他のコストを引き受けても利益にならない状況であります。
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日本におけるワクチン研究開発の課題
疫学調査が未充足のため、開発すべきワクチンが同定できず、また、ワクチン導入後の疾病へのインパクトが不明瞭
単独企業による全てのワクチン創製技術の網羅が困難である
– 新規ワクチン創製のためには、遺伝子工学や免疫学の最新の知見をベースに、抗原探索技術、アジュバント技術、デバイス・デリバリー技術、製造技術などを組合わせる必要がある
他の医薬品と比較して、ワクチンの研究開発インセンティブが働きにくい
– 市場規模が小さい
• 研究開発費の回収が困難な場合もある
– 市場規模予測が困難である
• 定期接種・任意接種により売上は大きく異なる
– 有害事象発生による、積極的接種勧奨中止のリスク
– 副反応による訴訟リスク
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この会議の別資料にもありますが、世界全体のシェアの8割は、GSK、サノフィ、ファイザー、Merck、Novartisの5社になっていて、
国外の市場も見越しての投資となると、ここと競い合えるのか(そもそも)という問題があります。
資料にMMRワクチンや小児の混合ワクチンの「開発」とありますが、国内でいちからつくるのか、IPVのときのように、すでにあるIMOVAXポリオを国内でつくるムニャムニャ
のような話なのかがイマイチ資料だけではよくわかりません。
議事録はいつごろでしょうね。