修正　後塵を拝する日本

格段の進歩をとげた中国の感染症事情：
・信じられないような速度で中国の科学力が進歩している・・とある中国に進出している検査関連企業から聞いていた。数年前までは実感するのが難しかったが、いろいろな形で気づく事が多くなった。その中国の論文がNEJMの本日号（6月２０日号）に載っていた。著者は中国CDCのYu Wang先生。現在はCDCのDirectorの要職にあり昨年、一時間ほど中国CDCでお会いする機会があった。



SARSからの学習
・SARS以来、中国は変わった・・とWang先生。
・そして「どの位、変わったか。どの位健康の脅威に対して対応する能力が備わったか」これを試す機会となったのが今回の「H7N9インフルエンザだった」というのです。H7N9ウイルスの遺伝子。そのfull sequencingを終えた翌日にはWHOに報告し、その後の発症状況などは毎日公開とした。新しいウイルスに対する診断能力も格段に進歩し、検査キットなども直ちに各地の主要検査センターで使えるようにした。
・SARSの時に批判された情報公開の遅れの理由に各地の情報を集める能力の問題があった。しかし2004年以来、中国の90％以上の主だった病院からWebに基づく情報が毎日報告されている。39の報告義務のある疾患について、毎日68000のComputerターミナルから報告が入るようになった。（ちなみに日本では多くの情報が発生届が必要な疾患は感染研に保健所にFAXで送られている！！）（続く）

後塵を拝する日本
・先日は中国における健康保険制度のカバー率は日本のそれを上回った・・という話しを聞いたが、疾患の疫学的な発生情報の収集力も格段に進歩している。
・ワクチンの製造会社が多数生まれ、リアルタイムで感染症の発生状況を把握できるようになった、この国のCDCのDirector曰く、「限られた予算で可能な限り多くの健康を守るならば予算の殆どがワクチン関連に使われるでしょう・・」
・Director曰く：それにしても日本からの訪問客で基礎医学以外の話題、臨床的、疫学的話題を話したのはあなたが初めてですね・・。もしかしたら日本の中枢にもそろそろ疫学のExpertが要るのではないですか・・（続く）

（写真：中国CDCの訪問時に。）


※編集長のミスを修正しました
※※おおーヤダヤダ、まるでケンタッキー大学Intern時代、薬学部のPharmDに自分のカルテを直された時みたい・・（編集長）