髄膜炎菌の話し、続きます。
本日は髄膜炎菌のエンドトキシンLPSについて・・(GNRだけでないのね・・)
#1:免疫から逃れる仕組み
LPSは単なる毒ではなく、Molecular mimickingにより、免疫システムのSurveillanceから隠れる事に使われているかも。
#2:LPSと臨床像の関係
Shock例では血中のLPSレベルは高く、髄液中は低い
髄膜炎例では血中のLPSレベルは低く、髄液中は高い
軽症例では両者低い
#3:LPSレベルと死亡率は綺麗に相関
LPS EU/ml 死亡率%
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<0.5 0
0.5-1.0 3
10-50 27
50-215 76
>215 100
恐ろしいのは<0.5から>215まで2-3時間ということ
#4:抗菌薬の使用はLPSレベルを上げるか?(菌体を壊して)
・結論はNoでした。
・抗菌薬で破壊されて放出されたLPSは瞬時に肝臓のクッパー細胞で処理されます。
・だから早期の抗菌薬治療が大事
・具体的にはBenzyl PCN、CTRX、CTXあたりを推奨
・投与期間はMaxで5日間