インフルエンザH7N9については、感染研の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染事例に関するリスクアセスメントと対応(5月2日)が新しくなっていました。
GW中にご関係のみなさまありがとうございます。
日本語の情報はありがたいですね。
英語もみわたします。でも、globalなところで考えると、(今回は特にですが)中国語情報もみておきたい。
昨年ECDCにでかけたときは、複数言語を理解するepidemiologistがいるのはデフォルトなのですが、不足する言語についてもなるべく分かる人を採用していて、リスク管理のロジからして予算のかけかたが違うことを学びました・・。
米国CDCにも中国からの研究者を入れて交流したり、上海にあるCDCの拠点に人を派遣して、リアルタイムで情報を得る仕組みができています。
そういった情報戦略にお金をかけるのがうまくないことを何でカバーするのか。が課題。
それはさておき。CIDRAPのサイトには、情報共有のパワーポイントデータもあって便利です。情報発信を、発信して終わりと考えず、どうやって広く現場や関係者に普及させていくかの、ひとひねりがありがたいです。
5月2日の時点のエピカーブ。メモリのふりかたで印象がかわりますが、
週単位でみると
日単位でみると
年齢群でみると
日本はH7N9だけにシフトしていますが、、、こちらのグラフはH5N1との比較。年齢群が違うという特徴がありました。
地理情報で見ると
この1週間、特に現場での対応を左右するような新しい情報はないですね。
積極的な症例探索(active case finding)は、どれくらい「積極的」なのかわかりませんが(地域によって違いそう・・)
最初の頃に検査をされていた分母が「重症例」、現在は、接触をした人たちなどに広く網をかけていますので、軽症例や発症はしていない感染者がはいってきます。
濃厚接触をした人は家族や医療者で、健康監視をされていますが1000人を超える調査のなかでも感染例は把握されていません。
H5N1が高病原性で鳥さんがバタバタ死んでいるのに、H7の鳥さんはあまり具合が悪くならない。その意味では気づきにくいし広がりやすい。
処分をするのだというときの説得や経済保証もたいへんだなあと想像します。
なんだー、人にうつりにくいのかー、というのは早計(今ある情報だけでは、そうかもねー、ですが)。またウイルス変異というものははいつおこるかわからないのですが、おこっていないことについて消耗するほどに力をそそいで、他のことがお留守ではこまります。
風疹のことは別途書いているのでここでは省略しますが、よく「日本の対応は、こどものサッカーのようで、ボールがあるところにワーッと皆がむらがり、その他のことが・・・」といわれます。(専門部署が確立していないから、ということもありますが)
ちょっと前はメディアが「殺人ダニ!」とフトゲチマダニが媒介しているのではないか?と推測されている感染症が話題でした。
インフルエンザはH5N1の広がりが恐れられていました。
コロナウイルス情報をアップデートしている感染症関係者はどれくらいいるでしょうか。
外来で○○対応、というようなお達しが増えて、しかも数日単位で変更になってどれが現在activeなものか現場でわかりにくくなるとか、特定のもの以外へのリスク意識がさがるという副反応も生じます。
ヒトヒト感染、がH7N9でも関心事項の一つですが、病院に来た時点では通常のインフルエンザっぽいわけです。あとで「そうだったね!」とわかります。
SFTSはもっとわかりにくいですね。西日本とそれ以外では医療者の関心も異なるかもしれませんが、受診や転院してきた時点ではすぐにわからないかもしれません。
複数の医療者が曝露をします。
SFTSは、ダニだけでなく、血液を介したヒトーヒト間による接触感染症例も中国で報告されています。
医療機関におけるヒトーヒト間の感染伝播の要因としては、「個人防護具を装着していなかった」ことが指摘されています。
(日々、地道な、必要とされることをたんたんとやることがいかに大切か)
重症患者なので蘇生や気管挿管の際にフェイスシールドやゴーグルをつけていなかった事例が紹介されています。
Person-to-Person Transmission of Severe Fever With Thrombocytopenia Syndrome Bunyavirus Through Blood Contact.
Clin Infect Dis. 2012; 54: 249?252.
Human-to-human transmission of severe fever with thrombocytopenia syndrome bunyavirus through contact with infectious blood.
J Infect Dis. 2013;207:736-739.
A family cluster of infections by a newly recognized bunyavirus in eastern China, 2007: further evidence of person-to-person transmission.
Clin Infect Dis. 2011;53:1208-1214.
年に2回の感染対策講習会で、引き続き、基本的なことを伝えていきましょう。
GW中にご関係のみなさまありがとうございます。
日本語の情報はありがたいですね。
英語もみわたします。でも、globalなところで考えると、(今回は特にですが)中国語情報もみておきたい。
昨年ECDCにでかけたときは、複数言語を理解するepidemiologistがいるのはデフォルトなのですが、不足する言語についてもなるべく分かる人を採用していて、リスク管理のロジからして予算のかけかたが違うことを学びました・・。
米国CDCにも中国からの研究者を入れて交流したり、上海にあるCDCの拠点に人を派遣して、リアルタイムで情報を得る仕組みができています。
そういった情報戦略にお金をかけるのがうまくないことを何でカバーするのか。が課題。
それはさておき。CIDRAPのサイトには、情報共有のパワーポイントデータもあって便利です。情報発信を、発信して終わりと考えず、どうやって広く現場や関係者に普及させていくかの、ひとひねりがありがたいです。
5月2日の時点のエピカーブ。メモリのふりかたで印象がかわりますが、
週単位でみると
日単位でみると
年齢群でみると
日本はH7N9だけにシフトしていますが、、、こちらのグラフはH5N1との比較。年齢群が違うという特徴がありました。
地理情報で見ると
この1週間、特に現場での対応を左右するような新しい情報はないですね。
積極的な症例探索(active case finding)は、どれくらい「積極的」なのかわかりませんが(地域によって違いそう・・)
最初の頃に検査をされていた分母が「重症例」、現在は、接触をした人たちなどに広く網をかけていますので、軽症例や発症はしていない感染者がはいってきます。
濃厚接触をした人は家族や医療者で、健康監視をされていますが1000人を超える調査のなかでも感染例は把握されていません。
H5N1が高病原性で鳥さんがバタバタ死んでいるのに、H7の鳥さんはあまり具合が悪くならない。その意味では気づきにくいし広がりやすい。
処分をするのだというときの説得や経済保証もたいへんだなあと想像します。
なんだー、人にうつりにくいのかー、というのは早計(今ある情報だけでは、そうかもねー、ですが)。またウイルス変異というものははいつおこるかわからないのですが、おこっていないことについて消耗するほどに力をそそいで、他のことがお留守ではこまります。
風疹のことは別途書いているのでここでは省略しますが、よく「日本の対応は、こどものサッカーのようで、ボールがあるところにワーッと皆がむらがり、その他のことが・・・」といわれます。(専門部署が確立していないから、ということもありますが)
ちょっと前はメディアが「殺人ダニ!」とフトゲチマダニが媒介しているのではないか?と推測されている感染症が話題でした。
インフルエンザはH5N1の広がりが恐れられていました。
コロナウイルス情報をアップデートしている感染症関係者はどれくらいいるでしょうか。
外来で○○対応、というようなお達しが増えて、しかも数日単位で変更になってどれが現在activeなものか現場でわかりにくくなるとか、特定のもの以外へのリスク意識がさがるという副反応も生じます。
ヒトヒト感染、がH7N9でも関心事項の一つですが、病院に来た時点では通常のインフルエンザっぽいわけです。あとで「そうだったね!」とわかります。
SFTSはもっとわかりにくいですね。西日本とそれ以外では医療者の関心も異なるかもしれませんが、受診や転院してきた時点ではすぐにわからないかもしれません。
複数の医療者が曝露をします。
SFTSは、ダニだけでなく、血液を介したヒトーヒト間による接触感染症例も中国で報告されています。
医療機関におけるヒトーヒト間の感染伝播の要因としては、「個人防護具を装着していなかった」ことが指摘されています。
(日々、地道な、必要とされることをたんたんとやることがいかに大切か)
重症患者なので蘇生や気管挿管の際にフェイスシールドやゴーグルをつけていなかった事例が紹介されています。
Person-to-Person Transmission of Severe Fever With Thrombocytopenia Syndrome Bunyavirus Through Blood Contact.
Clin Infect Dis. 2012; 54: 249?252.
Human-to-human transmission of severe fever with thrombocytopenia syndrome bunyavirus through contact with infectious blood.
J Infect Dis. 2013;207:736-739.
A family cluster of infections by a newly recognized bunyavirus in eastern China, 2007: further evidence of person-to-person transmission.
Clin Infect Dis. 2011;53:1208-1214.
年に2回の感染対策講習会で、引き続き、基本的なことを伝えていきましょう。