昨夜テレビをみていたら、中国で退院するH7N9の中年男性患者がインタビューに回答をしていました。
まあ、ご本人の同意のもとなのかもしれませんが、びっくり。
H7N9は「インフルエンザ」ですので、多くは曝露や感染をしても軽症でしょうし、一定の人は無症状でしょう。一部の人は重症になるでしょう。おそらく高齢者です。インフルエンザだからです。
免疫のない若い人には広がるかもしれませんが、回復します。インフルエンザだからです。
予防につかうPPEも基本的なことで対応できます。
処方するとしたら、あまり選択肢もありませんのでいつもと同じ薬です。インフルエンザですから。
社会にどの程度のインパクトがあるかは分母が把握されていくとわかりますし、また重症はどんな人が?といった臨床情報が大事ですね。
21日までの情報がネットであちこちで公開されています。
鳥の調査もすすんでいて、広い地域の鳥からウイルスは把握されています。
エピカーブは症例定義にもとづいてカウントした症例を図示したものです。
死亡率は診断される症例数(分母)が多くなったので下がっていっています。
年齢別でみると
想定の範囲内。
男性の高齢者が多いですね。
死亡例は
やはり、高齢者の男性が多いです。なぜ男性?ですがあるレポートには喫煙がリスク因子としてかかれていました。でもまあ、喫煙していた人が呼吸器感染症上不利なのはコモンな話でこのインフルエンザに特別関係が深いわけでもありません。
という状況のインフルエンザ。
新しい情報はWHOや米国CDCなど世界の関連機関の文書が感染研のHPにあります。
インフルエンザA(H7N9)〜新着情報〜
日本語解説つきです。ありがたいですね。
4月19日に感染研が独自の評価を発表。新しい動きのはじまり。
「中国における鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染事例に関するリスクアセスメントと対応」
※1−2週間おきに発表するそうです…
専門家のコメントもありがたいですね。
4月22日 東北大学 押谷先生「インフルエンザA(H7N9)のリスクをどう考えるべきか」 (第二報)
岩田先生のブログ 楽園はこちら側
この時点で紹介されていますが、
"WHOは本件に関して、入国時の特別なスクリーニングを薦めてはいない。あるいは、旅行、通商の制限も推奨しない。"です。
日本はなぜか中国全土に対象を広げた健康カード配布だそうで、誰が決めたんだろう〜。
中国に直行便のとんでいる日本の空港もたくさんありますが、香港や台湾はもっと影響を受けやすい地域であり、どちらも親切に英語ページがありますので、毎日見るようにしています。
台湾CDC H7N9特設ページ 4月3日以降、23日の時点で125例の疑い例があり、118例は陰性確認。残りは結果待ち。
香港 公衆衛生部門 H7N9特設ページ 23日の時点で疑い例とかとても少ないですね。
この香港のサイトは情報がとても見やすいです。医師向け、一般向け、学校向けと整理されています。
そういえば、2009年のときは通知乱発で、現場では「今何がactiveな情報なのかさっぱりわからない」状況がありました。
まあ、インフルエンザや呼吸器感染症疑いを診るのは通常の業務の範囲なので、必要な判断はできたのですが、現場状況を知らない人たちがふりまわした情報で一番迷惑をこうむったのは患者さんです。
ちょっとした咳や微熱に過剰に騒がれて、プライバシーがおかされ、入院しなくていいのに入院しろといわれたり、小学生や中学生が自宅から遠くなれた施設につれていかれてしまったり(重症でもないのに)、根拠が怪しくなった時期前それをいう人がいて周りが迷惑したのを思い出します。
飛沫感染予防、必要時に接触感染予防。吸引や検体採取のときにゴーグルやN95をつかいたいひとは使えばいいですが、重症でもない人を入院させたり、通常の病棟で対応可能なのに、病原体不明時に対応する隔離病棟などにいれたり面会制限や行動制限をかけたら当然、人権侵害になりますね。
インエンザやインフルエンザ疑いで。
世界のどの国もそんな対応をしていません。
てんぱっちゃう専門家のいないところだとやってしまいかねませんが、感染症の専門家がいたり、感染症の専門施設に指定されているところではそんな対応はしませんね。
今のところ、鳥インフルエンザですので、特別な指定を受けておらず、人権問題にふれるような制限や命令をする法的根拠がありません。
下記の法律も適応ではありませが、、、今後状況がかわったときのために復習。
法律をみると「第四章 健康診断、就業制
限及び入院」
(最小限度の措置)
第二十二条の二 第十七条から第二十一条までの規定により実施される措置は、感染症を公衆にまん延させるおそれ、感染症にかかった場合の病状の程度その他の事情に照らして、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
根拠なく過剰にやったら違法です。
当然、苦情がでます。
(都道府県知事に対する苦情の申出)
第二十四条の二 第十九条若しくは第二十条の規定により入院している患者又はその保護者は、当該患者が受けた処遇について、文書又は口頭により、都道府県知事に対し、苦情の申出をすることができる。 2 前項に規定する患者又はその保護者が口頭で同項の苦情の申出をしようとするときは、都道府県知事は、その指定する職員にその内容を聴取させることができる。
3 都道府県知事は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。
感染症患者の強制隔離・長期入院の仕組みをめぐる諸問題―法律家の立場から―
新しくできたインフルエンザの特措法を知らないひとは
こちらの解説資料をよみましょう。
まあ、ご本人の同意のもとなのかもしれませんが、びっくり。
H7N9は「インフルエンザ」ですので、多くは曝露や感染をしても軽症でしょうし、一定の人は無症状でしょう。一部の人は重症になるでしょう。おそらく高齢者です。インフルエンザだからです。
免疫のない若い人には広がるかもしれませんが、回復します。インフルエンザだからです。
予防につかうPPEも基本的なことで対応できます。
処方するとしたら、あまり選択肢もありませんのでいつもと同じ薬です。インフルエンザですから。
社会にどの程度のインパクトがあるかは分母が把握されていくとわかりますし、また重症はどんな人が?といった臨床情報が大事ですね。
21日までの情報がネットであちこちで公開されています。
鳥の調査もすすんでいて、広い地域の鳥からウイルスは把握されています。
エピカーブは症例定義にもとづいてカウントした症例を図示したものです。
死亡率は診断される症例数(分母)が多くなったので下がっていっています。
年齢別でみると
想定の範囲内。
男性の高齢者が多いですね。
死亡例は
やはり、高齢者の男性が多いです。なぜ男性?ですがあるレポートには喫煙がリスク因子としてかかれていました。でもまあ、喫煙していた人が呼吸器感染症上不利なのはコモンな話でこのインフルエンザに特別関係が深いわけでもありません。
という状況のインフルエンザ。
新しい情報はWHOや米国CDCなど世界の関連機関の文書が感染研のHPにあります。
インフルエンザA(H7N9)〜新着情報〜
日本語解説つきです。ありがたいですね。
4月19日に感染研が独自の評価を発表。新しい動きのはじまり。
「中国における鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染事例に関するリスクアセスメントと対応」
※1−2週間おきに発表するそうです…
専門家のコメントもありがたいですね。
4月22日 東北大学 押谷先生「インフルエンザA(H7N9)のリスクをどう考えるべきか」 (第二報)
岩田先生のブログ 楽園はこちら側
この時点で紹介されていますが、
"WHOは本件に関して、入国時の特別なスクリーニングを薦めてはいない。あるいは、旅行、通商の制限も推奨しない。"です。
日本はなぜか中国全土に対象を広げた健康カード配布だそうで、誰が決めたんだろう〜。
中国に直行便のとんでいる日本の空港もたくさんありますが、香港や台湾はもっと影響を受けやすい地域であり、どちらも親切に英語ページがありますので、毎日見るようにしています。
台湾CDC H7N9特設ページ 4月3日以降、23日の時点で125例の疑い例があり、118例は陰性確認。残りは結果待ち。
香港 公衆衛生部門 H7N9特設ページ 23日の時点で疑い例とかとても少ないですね。
この香港のサイトは情報がとても見やすいです。医師向け、一般向け、学校向けと整理されています。
そういえば、2009年のときは通知乱発で、現場では「今何がactiveな情報なのかさっぱりわからない」状況がありました。
まあ、インフルエンザや呼吸器感染症疑いを診るのは通常の業務の範囲なので、必要な判断はできたのですが、現場状況を知らない人たちがふりまわした情報で一番迷惑をこうむったのは患者さんです。
ちょっとした咳や微熱に過剰に騒がれて、プライバシーがおかされ、入院しなくていいのに入院しろといわれたり、小学生や中学生が自宅から遠くなれた施設につれていかれてしまったり(重症でもないのに)、根拠が怪しくなった時期前それをいう人がいて周りが迷惑したのを思い出します。
飛沫感染予防、必要時に接触感染予防。吸引や検体採取のときにゴーグルやN95をつかいたいひとは使えばいいですが、重症でもない人を入院させたり、通常の病棟で対応可能なのに、病原体不明時に対応する隔離病棟などにいれたり面会制限や行動制限をかけたら当然、人権侵害になりますね。
インエンザやインフルエンザ疑いで。
世界のどの国もそんな対応をしていません。
てんぱっちゃう専門家のいないところだとやってしまいかねませんが、感染症の専門家がいたり、感染症の専門施設に指定されているところではそんな対応はしませんね。
今のところ、鳥インフルエンザですので、特別な指定を受けておらず、人権問題にふれるような制限や命令をする法的根拠がありません。
下記の法律も適応ではありませが、、、今後状況がかわったときのために復習。
法律をみると「第四章 健康診断、就業制
限及び入院」
(最小限度の措置)
第二十二条の二 第十七条から第二十一条までの規定により実施される措置は、感染症を公衆にまん延させるおそれ、感染症にかかった場合の病状の程度その他の事情に照らして、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
根拠なく過剰にやったら違法です。
当然、苦情がでます。
(都道府県知事に対する苦情の申出)
第二十四条の二 第十九条若しくは第二十条の規定により入院している患者又はその保護者は、当該患者が受けた処遇について、文書又は口頭により、都道府県知事に対し、苦情の申出をすることができる。 2 前項に規定する患者又はその保護者が口頭で同項の苦情の申出をしようとするときは、都道府県知事は、その指定する職員にその内容を聴取させることができる。
3 都道府県知事は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。
感染症患者の強制隔離・長期入院の仕組みをめぐる諸問題―法律家の立場から―
新しくできたインフルエンザの特措法を知らないひとは
こちらの解説資料をよみましょう。