教え子から嵐の如くリクエストされる書評群。
どれも我が教え子に相応しい名著が多く、目を通す事自体が非常に勉強になっている編集長ですが・・。
今回、教え子ではない。というか最近まで面識がなかったが若セミの講師として若手から強く推挙された多摩総合医療センター 精神神経科の児玉知之先生の御著書を拝読しました。
一般臨床医のための メンタルな患者の診かた・手堅い初期治療クリエーター情報なし医学書院
推挙してくれた若手医師達
これ、本当に名著だと思います。
まず、心を動かされるのが「本当に役立ちたい・・」という熱意。このために何とか問題の本質を自分の言葉で翻訳するという努力がにじみます。
更に精神科領域なので、意識の量と質といった哲学的とさえ編集長には思えて仕舞う言葉さえ、極めて平易に解説して下さっています。このあたり、失礼ながら「本当にイイヤツなんだろうな(失礼!)・・」と思わされます。
児玉先生は聖路加国際病院の内科Chiefレジデントを終えてから精神科に進まれています。それゆえに記載に内科的なセンスも充満しています。薬の投与量は十分に。(良く見られる誤りは不十分な量で複数併用している・・) 効果判定は何を見るのか・・
この辺り極めて内科的ではないですか・・!!
人生初めて了解出来た事の例:
・統合失調症は自分の内部からの情報と外部からの情報の統合する機能が失われている・・。
・内科疾患と精神科疾患の臨床像の距離の近さ・・。
・認知症は皮質性と皮質下に分ける。このためには固縮Rigidityの有無の検討には、ふらつき・歩行状態の変化など(要はExtrapyramidalやね・・)の検討が大事。
などなど・・
これ、若セミ、今年も盛り上がって仕舞いますね。