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Channel: 感染症診療の原則
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4類になりました・・・・(ダニ関連続報)

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感染症法は、医療関係者だけでなく個人の生活や情報にもかかわってくることが書かれていますので、関心をお持ちの方は一度勉強することをお勧めします。

文章を読んでいくと頭痛がするかもしれませんので、想像しやすい感染症で生活への影響などを考えるとよいかもしれません。


たとえばインフルエンザ。新型インフルエンザの初期対応は(後から考えると)過剰なことがたくさんあったわけですが、情報が不足しているときの混乱の中にはかなり深刻な問題もおきていました。

ネットや実生活で学校や個人が誹謗中傷を受けたり、まだ保護者のケアが必要なこどもが保護者から遠い病院に隔離されてしまったりしました。

結核。一週間に300例前後報告されますが、「2類」の感染症なので、個人情報をもとに保健所から連絡がいき、接触した人の検査が必要になります。

麻疹はどうでしょうか。5類感染症なので、名前や住所などの個人情報は基本的には医療機関から保健所にはいかないカテゴリーですが、接触者への対応が必要な感染症なので、保健所から連絡がいくことがあります。


このように、病原体(感染症)によって、個人や社会を守るために必要な対応のレベルや緊急度が異なるわけです。

それが妥当かどうかという検証も必要なんですが。

最近話題になっているSFTS(エスエフティーエス、におちついたそうです。したかみそうな名前ですがー)は(なぜか)3月4日から「4類」の届け出疾患になったそうです。(昨日MLで知りました)

が、しかし。

「重症熱性血小板減少症候群」・・・これだけだといろいろあってたいへんです。なので、条件がついています。
病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。 となっています。

問題はその病原体検査をどうすれば(どこに依頼するの、いくらなの、たくさんできるの)、でございます。

そして報告は「直ちに」になっています。直ちに…。
今のところ、以前亡くなったひとの残っている検体で調べているわけですが、、、その場合も直ちに、です。

曝露後対応の検討が必要な髄膜炎菌性髄膜炎は5類で「届出を7日以内に行わなければならない」です。
それでいいのか(どちらも)。

届け出する感染症の全体像はこちら:「感染症法に基づく医師の届出のお願い」

日本では話題になるたび盛り込まれてしまっており、その重要性や公衆衛生的な意義、分類の妥当性など臨床の先生方から???と思われてしまっているものがあります。全体の精度管理にかかわるのでこのあたりも今後どうするのか(ということを誰が決めるのか)。

まだ全体像がよくわからない感染症を本気で知らべるなら、流行地の血清サーベイランスなども大事ですね・・・

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