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Channel: 感染症診療の原則
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米国でのノロウイルス アウトブレイク  (やはりGII.4)

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MMWRの最新号の米国のノロウイルス アウトブレイクのレポート。

米国では、毎年約2100万人が感染、約800人が死亡する、インパクト。

今年度、日本を含めて大流行しているのは、(2012年3月にオーストラリアで分離されたため)シドニーというお名前のついている新しい遺伝子型。

Notes from the Field: Emergence of New Norovirus Strain GII.4 Sydney ― United States, 2012

半分がヒトヒト感染。2割が食べ物由来、1%が水由来(こわい〜)

米国ではノロの影響をどうやって調べているのか?ですが、CDCのページとこちらの日本語解説「ロウイルス胃腸炎アウトブレイクのための米国の新しいサーベイランスネットワーク」が参考になります。

"CaliciNetの設立目的は、ノロウイルスアウトブレイク株の標準タイピング法の改良、地理的に異なる複数のノロウイルス疾患クラスターの関連付け、新規ノロウイルス株のすみやかな確定および同定、および米国におけるノロウイルス株の包括的なサーベイランスネットワークの樹立"

ノロ、ということではないですが、EUも遺伝子情報を含めた感染症のsurveillanceを始めています。

A note from the editors: molecular epidemiology of human pathogens – current use and future prospects
Eurosurveillance, Volume 18, Issue 3, 17 January 2013


日本は発生動向調査は1類〜5類で医師が報告をするpassiveな届出ベースの把握、そこに病原体の詳細な情報はありません。

病原体サーベイとリンクさせること、他の先進国と同じレベルの病原体情報をリアルタイムで把握していく工夫が必要なのでしょうが、腕力(お金やマンパワー)もそれなりに必要ですね。そして、それはただ集めるだけでなく、そもそも何に生かそうとするものなのか、データはどのように現場にフィードバックをされるのかが明確になっていることが協力を得るために重要。

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