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Channel: 感染症診療の原則
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ムンプス流行に備える、の話。

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病原体によっては年がら年中流行っているものもあれば、かなり季節トレンドが明確なものがあります。

また、数年おきにブレイクする自然経過を観察できるものも。

(オリンピックyearに流行するねえ・・・・といったかんじで)

特に、ワクチンがないものとか、日本のように特定のワクチンの接種率が低くてその抑制効果が見えにくい場合はこのサイクルを気にした方が良い場合も。

そして、2013年にブレイクしそうなのは流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)という話(ひそひそ・・・)。

現在、任意のこのワクチンの公費支援状況は自治体によってばらばらです。

大臣への要望書 日本小児科学会「おたふくかぜワクチンの早期定期接種化について」平成24年9月

全体では接種率は30%前後ということですので、免疫のない、かなり幅広い層に広がる可能性があります。

流行性耳下腺炎は、おたふく、といわれるほどに顔の下のほうが腫れるわけですが、医療者が怖いなと思っているのは顔がペコちゃんポコちゃんのようになることではなく、後遺症としての難聴とか、合併症としての髄膜炎等です。

思春期〜成人が感染すると、睾丸炎、卵巣炎を合併することがあります。
(精巣-睾丸炎(成人の 20〜30%例)、卵巣炎(成人の 5%例)
下記の論文に、このことはヒポクラテスの時代から把握されている、とあります(@@)

昭和42年流行性耳下腺炎性睾丸炎の5例

画像その1 Figure 104.3 Mumps orchitis with a swollen tender testicle

画像その2 34. Patient with mumps orchitis:

このスライドショーと解説も参考になりました。睾丸関係の・・・。

痛そうです。

闘病記のあるブログ。次男→長男/お嫁さん/三男→パパ(本人)

「僕は、自分の睾丸が将来どうなるのか不安を抱えたまま診療所を後にする事となった。」

せつない・・・。

妊婦が初期に罹患すると流産のリスク

流行しませんように!
(ワクチンの在庫不足騒ぎとかもおきませんように)


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