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Channel: 感染症診療の原則
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ノロ、インフルエンザと同時期に流行している感染症

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スポーツニュースでも、4番バッターとか、ヒーローの話題が中心になりますので、報道のなかでも冬の感染症Kingであるインフルエンザやノロにスポットがあたるのもわかります。

しかし、同時期に活躍、じゃなくて活動をしている病原体もありますので、感染症危機管理的にはそういったところもボソボソつぶやいていかねばとおもうわけであります。

インフルエンザになっちゃったよ、、は実はインフルエンザではなかったりもします。

でも、確認のためだけに検査を受けに受診するのはやめましょう。家で寝て治しましょう。受診すると別の病気を待合室でもらってくる可能性があります。そういう時期・場所なのです。冬の病院は。

下痢もそうです。口から飲み物や食べ物をとれるようなら暖かくして自宅で静養。
もともと基礎疾患がなく、海外帰りでもなく、周囲に同様の症状の人はいない(食中毒疑いではない)ならば受診は不要。

呼吸器系の感染症ですと、ひきつづきマイコプラズマや百日咳も流行していますし、RSも大人でも重症例が出ています。
パラインフルエンザ( Human parainfluenza viruses : HPIVs )ヒトメタニューモ
とか、感染管理に責任を持つ人たちの間では、常にいろいろな流行の鑑別がうずをまきます(まきたくないけど)。
結核はオールシーズンものです。でもなぜか想定外で対応が遅れたりします。

パラ、とついているだけのようですがインフルエンザウイルスとはまったく別もの。
(ちなみに、犬に感染するパラインフルエンザウイルスはあります)

ワクチンも治療法もありません。対策もインフルエンザと同じ。
この時期の咳くしゃみエチケットや手洗いは大事ですね。

香港にある1100床のCastle Peak Hospitalでは、パラインフルエンザの集団発生があり、隔離や病棟閉鎖対応中。

米国CDCのサイトの説明:パラインフルエンザ

こういったニュースをみて思い出し、頭に再インプット中。


SARSのときの教訓として、呼吸器系の感染症のアウトブレイクがおきたら、その病原体はいったいなんなのか。
関係者(主に公衆衛生のひとたちですが)がすぐさま確認するようになっています。

Unknown sourceとかイヤなかんじをもたないといけません。

〜の様な、というあたりでちょっとどきどき。(SARSとおなじ)コロナウイルスが〜という話もつい最近のこと。

Human parainfluenza virus-associated respiratory tract infection among children and genetic analysis of HPIV-3 strains in Beijing, China.

病名がつくまで対応が甘いスタッフが一定数います。
あとで、あ、H5N1だったよ、とか新しいコロナウイルスの患者さんだったよときいてパニックになったりすることが、感染症対応以上に大変だよね、、、と感染管理に取り組む人たちの間で話されていることです。

そうですかあ?と思う方は、結核がどのような対応になっているかぜひ評価をしてみてください。
長く続く咳症状のヒトから医療者に拡大している集団事例、多いですよね。

病院によっては、ある条件で入院してきた患者さんは陰性とわかるまで結核として対応、という基準もつくっています。個々人のモチベーションに依存しない仕組みも大切ですね。

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