日本にはいろいろユニークな感染症の事情がありますが、性感染症の対策として各国ではintegrationが進むHIV/AIDSの予防とSTD/STIsの予防が、日本では別モノであります。
その表現型として、「エイズ予防指針」と「性感染症予防指針」という2つの予防指針がありますが、5年前にも性感染症学会あたりから、一緒にしたほうがいいのではないかという意見がありました。
そこから5年後ですから、いいかげん一緒になるのかなとおもっていたら、5年後も別々のままでした。5年ごとの見直しの会議があるわけですが、別々に開いていたのでしかたないでしょうか。一緒に会合を開き、この国で予防をどうするのかという話をすればよかったわけでありますが、そこはどっこい、扱っている部署が違うのでそう簡単にはいかないのだそうです。
エイズのこと・・・・・・・疾病対策課。
エイズ以外の性感染症・・・結核感染症課。
それぞれの部署は他にも扱う大きなテーマがありまして、neglected diseasesである性感染症に力や人員をどれだけ避けるのだろうという状況があります。
しかし。
そのような中、性感染症の予防指針に盛り込まれた新しいことが、次々とHPに掲載されていっています。
すごい。
1)性感染症1次予防としてのワクチン啓発
2)パートナー健診のすすめ
3)咽頭感染の予防啓発
新しく改訂された性感染症予防指針が官報に掲載され、自治体に文書で連絡がいったのが平成24年1月19日。
そしてこのパートナー健診啓発ポスターが掲載されたのは3月です(すばやい)。
そして、平成24年の11月末には、「この問題はどう扱うんだろうなあ」と思われていた咽頭感染についての啓発ポスターがHP掲載となりました。
それだけではなく、Q&Aまで掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html
ほ、本気だ。
しかも、当ブログが以前書いた「Oral Sexの歴史」よりも科学的です・・・
し、しかし。なぜかHPVが抜け落ちています・・・・「など」に入るのだとしても、HPVワクチン(16型と18型)との関連性が知られているのだから、1次予防とあわせて書いたほうが、接種を検討している人には本当はいいと思うのですが・・・・
国内での名称が「子宮頸がん予防ワクチン」という製薬会社のプロパガンダみたいになってしまいましたし、
適応も他の国が認めているような肛門がんも取れていないからですかね・・・。
何か事情があるのかもしれません。
関心あるかたは、情報鎖国に身を委ねるのではなく、自分で調べてリテラシーを高めましょう。
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Q3 オーラルセックス(口腔性交)によりどんな性感染症に感染するのですか。
A3 オーラルセックスで感染する性感染症には淋菌感染症、クラミジア感染症、ヘルペス感染症、梅毒などがあります。
これらの病気の概要を説明します。
(1) 淋菌感染症:淋菌という菌が引き起こす病気です。男性では尿道炎(尿の出始めの痛み、陰茎の尿道口からの黄色で粘い膿)、女性では子宮頸管炎(帯下増、約半数で無症状)が起こります。潜伏期間(感染機会から症状が出るまで)は2〜7日ですが、女性では、自覚症状がないまま、骨盤腹膜炎で発症し、強い下腹部痛をきたすことがあります。更に上腹部まで感染が進展すると肝臓周囲炎を起こし、激烈な上腹部痛をきたします。治療には抗菌薬が用いられ、単回投与(注射)で尿道炎や子宮頸管炎は治る場合が多いのですが、腹膜炎になると入院治療が必要となる場合があります。
(2) クラミジア感染症:クラミジア・トラコマティスという菌が引き起こす病気です。淋菌感染症と同様の感染部位ですが、潜伏期間は1〜3週間ですが、男性の尿道炎でも症状は弱く、半数が気付かないまま保菌しています。より深部の精巣上体炎(陰嚢内容が腫れて痛くなる)で発症することもあります。女性でも7〜8割が子宮頸管炎の状態では気付かず、腹膜炎症状で発症することも少なくありません。症状がないままに卵管癒着等が起こり不妊症の原因となることもあります。治療は深部感染に至っていなければ、抗菌薬の内服で治すことができますが、精巣上体炎や腹膜炎では、かなり長期の投薬が必要です。
(3) ヘルペス感染症:単純ヘルペスウイルスは口唇や口腔内に水疱・潰瘍をきたし、この感染症は痛みを伴い、治っても再発を繰り返します。症状がない時でもウイルスの排泄は続いているといわれ、オーラルセックスでこのウイルスが性器に感染し、2〜5日の潜伏期を経て性器ヘルペスとして男性では亀頭や包皮に、女性では陰唇を中心に水疱・潰瘍・痛みをもたらします。治療には抗ウイルス薬の投与が行われます。
(4) 梅毒:口唇・口腔内にも梅毒病変ができることがあり、梅毒トレポネーマという菌がオーラルセックスによって、性器に病変を作ります。性行為後約3週間の潜伏期を経て男性では陰茎亀頭部やその上の包皮、女性では陰唇部に初期硬結という痛みのない硬い病変ができ、次第に崩れ、硬性下疳と呼ばれるやはり無痛の潰瘍となります。この病変は自然に吸収され良くなりますが、病気が治ったわけではなく、そのあと全身感染となり、約3か月後には?期病変と呼ばれる手のひら・足の裏を中心に乾いた発疹が現れ、進んでいきます。治療には抗菌薬が使われます。
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補足をしておきます。
米国CDC "HPV is passed on through genital contact―most often during vaginal and analex. HPV may also be passed on during oral sex."
英国NHS "It’s not known exactly how a person can get infected in the mouth with HPV, but there is a good chance that it can happen through oral sex."
米国National Cancer Institute "The most reliable way to prevent infection with either a high-risk or a low-risk HPV is to avoid any skin-to-skin oral, anal, or genital contact with another person
The Oral Cancer Foundation "Two types of genital tract HPV in particular, HPV 16 and HPV 18, are known to cause the vast majority of cervical cancers, and new studies show that one of them, HPV16, is also linked to oral cancer as well. In the oral environment HPV16 manifests itself primarily in the back (posterior) regions such as the base of the tongue, the oropharynx (the back of the throat in the mouth), the tonsils and the tonsillar pillars. These oncogenic or cancer causing versions of HPV are also responsible for other squamous cell carcinomas, particularly of the anus and penis."
Prevalence of oral HPV infection in the United States, 2009-2010.
JAMA. 2012 Feb 15;307(7):693-703. Epub 2012 Jan 26
HPV-associated head and neck cancer: a virus-related cancer epidemic
The Lancet Oncology, Volume 11, Issue 8, Pages 781 - 789, August 2010
Oral Sexual Behaviors and the Prevalence of Oral Human Papillomavirus Infection
JID 2009:199 (1 May)
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Q4 オーラルセックス(口腔性交)による性感染症はどのくらいあるのですか。
A4 性交渉の際にオーラルセックスを行うカップルは特に若い世代に多く、調査の結果では7割以上で行われており、その際にコンドームを使用するのは2割程度という調査報告があります。
また、性器に淋菌をもっている人の10〜30%、クラミジアをもっている人の10〜20%で、口腔内にもこれらの菌が認められると報告されています。
このため、オーラルセックスにより性感染症が拡がることが懸念されています。
※このあたりは、とてもありがたい情報。学校で説明するときの根拠に使えますよ。
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Q5 オーラルセックス(口腔性交)による性感染症の心配があった場合はどこに受診すればよいですか。
A5 性感染症は一般的に男性では泌尿器科又は皮膚科、女性では産婦人科で診察されており、また、口腔内の性感染症に関しては耳鼻咽喉科で診察している場合もあります。予め電話してから受診することをお勧めします。
※皆さんの施設では、希望者がいたときに何かがどのように検査をしてくれるかご存知ですか?
パンツの中は○○科、口の中は○○科と、あちこちいかないで検査ができればなあとおもいます。
同じ心配事できているのですから。
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Q6 オーラルセックス(口腔性交)による性感染症の検査はどんな検査をするのですか。
A6 最近では、男性なら初尿と咽頭擦過検体の両方を、女性なら子宮頸管擦過検体と咽頭擦過検体の両方を検査することが多くなってきています。咽頭擦過検体の代わりに咽頭うがい液で口腔内に菌がいないかどうかを調べることの方が菌を見つけやすいという報告もあります。
※インフルエンザみたいにグリグリ痛いのではないかと怯えているひとたちがいます。
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Q7 オーラルセックス(口腔性交)で性感染症に感染しないためにはどうすればよいですか、予防方法はありますか。
A7 男性用コンドームを陰茎に装着することや、女性の性器にラップ等を使用することで感染のリスクを低くすることができます。ヘルペス感染症のように皮膚と皮膚の接触でも感染するものについては、コンドームやラップ等で防ぎきれない場合もありますので、性器や口腔周囲に異変を感じる時は、オーラルセックス(口腔性交)を含めた性行為を差し控え、早期に医療機関を受診することが望まれます。
※さすがに厚労省のHPには書いていませんでしたが、フェラチオ用のコンドーム(チョコレート・フレーバー、ストロベリー・フレーバー、とかバナナやりんごがミックスになったセット売り等)も販売されています。
女性性器や肛門はどうカバーするの?ですが、海外ではデンタル・ダムなるラテックスシートの使用が推奨されています。
STDクリニックで無料配布したり、ネットでも購入できます。
日本ではなかなか手に入らないので、ラップ療法ならぬ、ラップ予防を提案することもあります。
HPVについては、ワクチンのことを入れたいところ書きたいですよねえ・・・・
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Q8 キスだけでも性感染症はうつりますか。
A8 仮にパートナーが口腔内に淋菌やクラミジアを有していても、通常のキス程度であれば感染が成立するほどの暴露がないため、感染リスクは極めて低いと言えます。ただし、ヘルペス感染症のように皮膚と皮膚の接触でも伝播するものについては、キスする際に皮膚が接触することで感染する可能性があります。
※余談ですが・・・以前、女子高校生に「自分の性器のクラミジアが彼のノドにうつって、さらに自分のノドに映った場合は"スカッシュ感染"ですか?」と聞かれたのは今でも忘れられません。
(ピンポン感染を説明したあとです)
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Q9 性感染症について相談できる機関はありますか。
A9
性感染症については、全国の保健所で相談することができます。「性感染症について相談したい」旨を伝えれば担当者につながります。
※学校の先生がこのことを知らなかったり、性感染症予防指針を保健所の人がまだ知らなかったりします。
感染症系の皆様、ぜひ地域での啓発をよろしくお願いいたします。
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パートナー健診のポスター Oral SexのポスターとQ&A。
あとはパートナー健診のQ&A(医療者と患者さん向け両方あったら便利ですね)、ワクチンでの予防ポスターですね。
B型肝炎ワクチンの在庫が全国的に不足しているので、すぐにはできないのかもしれませんが・・・。
そして、今度の週末は性感染症学会(岐阜県)です。
その表現型として、「エイズ予防指針」と「性感染症予防指針」という2つの予防指針がありますが、5年前にも性感染症学会あたりから、一緒にしたほうがいいのではないかという意見がありました。
そこから5年後ですから、いいかげん一緒になるのかなとおもっていたら、5年後も別々のままでした。5年ごとの見直しの会議があるわけですが、別々に開いていたのでしかたないでしょうか。一緒に会合を開き、この国で予防をどうするのかという話をすればよかったわけでありますが、そこはどっこい、扱っている部署が違うのでそう簡単にはいかないのだそうです。
エイズのこと・・・・・・・疾病対策課。
エイズ以外の性感染症・・・結核感染症課。
それぞれの部署は他にも扱う大きなテーマがありまして、neglected diseasesである性感染症に力や人員をどれだけ避けるのだろうという状況があります。
しかし。
そのような中、性感染症の予防指針に盛り込まれた新しいことが、次々とHPに掲載されていっています。
すごい。
1)性感染症1次予防としてのワクチン啓発
2)パートナー健診のすすめ
3)咽頭感染の予防啓発
新しく改訂された性感染症予防指針が官報に掲載され、自治体に文書で連絡がいったのが平成24年1月19日。
そしてこのパートナー健診啓発ポスターが掲載されたのは3月です(すばやい)。
そして、平成24年の11月末には、「この問題はどう扱うんだろうなあ」と思われていた咽頭感染についての啓発ポスターがHP掲載となりました。
それだけではなく、Q&Aまで掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html
ほ、本気だ。
しかも、当ブログが以前書いた「Oral Sexの歴史」よりも科学的です・・・
し、しかし。なぜかHPVが抜け落ちています・・・・「など」に入るのだとしても、HPVワクチン(16型と18型)との関連性が知られているのだから、1次予防とあわせて書いたほうが、接種を検討している人には本当はいいと思うのですが・・・・
国内での名称が「子宮頸がん予防ワクチン」という製薬会社のプロパガンダみたいになってしまいましたし、
適応も他の国が認めているような肛門がんも取れていないからですかね・・・。
何か事情があるのかもしれません。
関心あるかたは、情報鎖国に身を委ねるのではなく、自分で調べてリテラシーを高めましょう。
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Q3 オーラルセックス(口腔性交)によりどんな性感染症に感染するのですか。
A3 オーラルセックスで感染する性感染症には淋菌感染症、クラミジア感染症、ヘルペス感染症、梅毒などがあります。
これらの病気の概要を説明します。
(1) 淋菌感染症:淋菌という菌が引き起こす病気です。男性では尿道炎(尿の出始めの痛み、陰茎の尿道口からの黄色で粘い膿)、女性では子宮頸管炎(帯下増、約半数で無症状)が起こります。潜伏期間(感染機会から症状が出るまで)は2〜7日ですが、女性では、自覚症状がないまま、骨盤腹膜炎で発症し、強い下腹部痛をきたすことがあります。更に上腹部まで感染が進展すると肝臓周囲炎を起こし、激烈な上腹部痛をきたします。治療には抗菌薬が用いられ、単回投与(注射)で尿道炎や子宮頸管炎は治る場合が多いのですが、腹膜炎になると入院治療が必要となる場合があります。
(2) クラミジア感染症:クラミジア・トラコマティスという菌が引き起こす病気です。淋菌感染症と同様の感染部位ですが、潜伏期間は1〜3週間ですが、男性の尿道炎でも症状は弱く、半数が気付かないまま保菌しています。より深部の精巣上体炎(陰嚢内容が腫れて痛くなる)で発症することもあります。女性でも7〜8割が子宮頸管炎の状態では気付かず、腹膜炎症状で発症することも少なくありません。症状がないままに卵管癒着等が起こり不妊症の原因となることもあります。治療は深部感染に至っていなければ、抗菌薬の内服で治すことができますが、精巣上体炎や腹膜炎では、かなり長期の投薬が必要です。
(3) ヘルペス感染症:単純ヘルペスウイルスは口唇や口腔内に水疱・潰瘍をきたし、この感染症は痛みを伴い、治っても再発を繰り返します。症状がない時でもウイルスの排泄は続いているといわれ、オーラルセックスでこのウイルスが性器に感染し、2〜5日の潜伏期を経て性器ヘルペスとして男性では亀頭や包皮に、女性では陰唇を中心に水疱・潰瘍・痛みをもたらします。治療には抗ウイルス薬の投与が行われます。
(4) 梅毒:口唇・口腔内にも梅毒病変ができることがあり、梅毒トレポネーマという菌がオーラルセックスによって、性器に病変を作ります。性行為後約3週間の潜伏期を経て男性では陰茎亀頭部やその上の包皮、女性では陰唇部に初期硬結という痛みのない硬い病変ができ、次第に崩れ、硬性下疳と呼ばれるやはり無痛の潰瘍となります。この病変は自然に吸収され良くなりますが、病気が治ったわけではなく、そのあと全身感染となり、約3か月後には?期病変と呼ばれる手のひら・足の裏を中心に乾いた発疹が現れ、進んでいきます。治療には抗菌薬が使われます。
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補足をしておきます。
米国CDC "HPV is passed on through genital contact―most often during vaginal and analex. HPV may also be passed on during oral sex."
英国NHS "It’s not known exactly how a person can get infected in the mouth with HPV, but there is a good chance that it can happen through oral sex."
米国National Cancer Institute "The most reliable way to prevent infection with either a high-risk or a low-risk HPV is to avoid any skin-to-skin oral, anal, or genital contact with another person
The Oral Cancer Foundation "Two types of genital tract HPV in particular, HPV 16 and HPV 18, are known to cause the vast majority of cervical cancers, and new studies show that one of them, HPV16, is also linked to oral cancer as well. In the oral environment HPV16 manifests itself primarily in the back (posterior) regions such as the base of the tongue, the oropharynx (the back of the throat in the mouth), the tonsils and the tonsillar pillars. These oncogenic or cancer causing versions of HPV are also responsible for other squamous cell carcinomas, particularly of the anus and penis."
Prevalence of oral HPV infection in the United States, 2009-2010.
JAMA. 2012 Feb 15;307(7):693-703. Epub 2012 Jan 26
HPV-associated head and neck cancer: a virus-related cancer epidemic
The Lancet Oncology, Volume 11, Issue 8, Pages 781 - 789, August 2010
Oral Sexual Behaviors and the Prevalence of Oral Human Papillomavirus Infection
JID 2009:199 (1 May)
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Q4 オーラルセックス(口腔性交)による性感染症はどのくらいあるのですか。
A4 性交渉の際にオーラルセックスを行うカップルは特に若い世代に多く、調査の結果では7割以上で行われており、その際にコンドームを使用するのは2割程度という調査報告があります。
また、性器に淋菌をもっている人の10〜30%、クラミジアをもっている人の10〜20%で、口腔内にもこれらの菌が認められると報告されています。
このため、オーラルセックスにより性感染症が拡がることが懸念されています。
※このあたりは、とてもありがたい情報。学校で説明するときの根拠に使えますよ。
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Q5 オーラルセックス(口腔性交)による性感染症の心配があった場合はどこに受診すればよいですか。
A5 性感染症は一般的に男性では泌尿器科又は皮膚科、女性では産婦人科で診察されており、また、口腔内の性感染症に関しては耳鼻咽喉科で診察している場合もあります。予め電話してから受診することをお勧めします。
※皆さんの施設では、希望者がいたときに何かがどのように検査をしてくれるかご存知ですか?
パンツの中は○○科、口の中は○○科と、あちこちいかないで検査ができればなあとおもいます。
同じ心配事できているのですから。
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Q6 オーラルセックス(口腔性交)による性感染症の検査はどんな検査をするのですか。
A6 最近では、男性なら初尿と咽頭擦過検体の両方を、女性なら子宮頸管擦過検体と咽頭擦過検体の両方を検査することが多くなってきています。咽頭擦過検体の代わりに咽頭うがい液で口腔内に菌がいないかどうかを調べることの方が菌を見つけやすいという報告もあります。
※インフルエンザみたいにグリグリ痛いのではないかと怯えているひとたちがいます。
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Q7 オーラルセックス(口腔性交)で性感染症に感染しないためにはどうすればよいですか、予防方法はありますか。
A7 男性用コンドームを陰茎に装着することや、女性の性器にラップ等を使用することで感染のリスクを低くすることができます。ヘルペス感染症のように皮膚と皮膚の接触でも感染するものについては、コンドームやラップ等で防ぎきれない場合もありますので、性器や口腔周囲に異変を感じる時は、オーラルセックス(口腔性交)を含めた性行為を差し控え、早期に医療機関を受診することが望まれます。
※さすがに厚労省のHPには書いていませんでしたが、フェラチオ用のコンドーム(チョコレート・フレーバー、ストロベリー・フレーバー、とかバナナやりんごがミックスになったセット売り等)も販売されています。
女性性器や肛門はどうカバーするの?ですが、海外ではデンタル・ダムなるラテックスシートの使用が推奨されています。
STDクリニックで無料配布したり、ネットでも購入できます。
日本ではなかなか手に入らないので、ラップ療法ならぬ、ラップ予防を提案することもあります。
HPVについては、ワクチンのことを入れたいところ書きたいですよねえ・・・・
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Q8 キスだけでも性感染症はうつりますか。
A8 仮にパートナーが口腔内に淋菌やクラミジアを有していても、通常のキス程度であれば感染が成立するほどの暴露がないため、感染リスクは極めて低いと言えます。ただし、ヘルペス感染症のように皮膚と皮膚の接触でも伝播するものについては、キスする際に皮膚が接触することで感染する可能性があります。
※余談ですが・・・以前、女子高校生に「自分の性器のクラミジアが彼のノドにうつって、さらに自分のノドに映った場合は"スカッシュ感染"ですか?」と聞かれたのは今でも忘れられません。
(ピンポン感染を説明したあとです)
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Q9 性感染症について相談できる機関はありますか。
A9
性感染症については、全国の保健所で相談することができます。「性感染症について相談したい」旨を伝えれば担当者につながります。
※学校の先生がこのことを知らなかったり、性感染症予防指針を保健所の人がまだ知らなかったりします。
感染症系の皆様、ぜひ地域での啓発をよろしくお願いいたします。
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パートナー健診のポスター Oral SexのポスターとQ&A。
あとはパートナー健診のQ&A(医療者と患者さん向け両方あったら便利ですね)、ワクチンでの予防ポスターですね。
B型肝炎ワクチンの在庫が全国的に不足しているので、すぐにはできないのかもしれませんが・・・。
そして、今度の週末は性感染症学会(岐阜県)です。