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11/5 国会議員の予防接種勉強会

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衆議院議員第一会館で16−17:30に開催された議員対象の予防接種勉強会。

約25議員が参加したもようです(議員の参加、秘書の参加、資料だけくださいという方いろいろ)。
そのほかに、日経、キャリアブレインなどメディアの方も参加。
世田谷区の区議さんも参加。1歳のお子さんがいて、母親として感じるところなどもコメント。


まず、10月3日に三井厚労大臣に提出された「VPDから子どもたちを守るための予防接種法改正に関する要望書」についての説明。これは8つの非営利団体(病気の子どもたちを守る活動をしている保護者による)が提出。

ロハスメディカル 10月30日記事

サイエンス系の学会もいくつか連なっている「予防接種推進専門協議会」があるのですが、そちらは出してないんでしょうか?HPなどが探せずこちらは未確認。みつけたら再掲します。
★関連資料はこちらの資料の<別紙3>


レク内容は2つあり、

1)東京保険医協会から 都内の自治体によるHib、小児肺炎球菌、HPVワクチンの助成状況
がありました。このような地域格差や保護者の経済力によって子どもの受けるサービスに格差があってはいけないですよね、という確認。

資料をみると、この3つを「全額助成」しているのは、中央区、港区、台東区、文京区、荒川区、渋谷区、杉並区。

他は、いくつかは全額助成だが、残り自己負担だったり。

例えば、
江戸川区:HPVワクチンは全額助成だけれど、Hibの助成は4000円、肺炎球菌の助成は5000円。赤ちゃんのワクチンには自己負担がある。

同じく
大田区:HPVワクチンは全額助成、Hibは3000円助成、肺炎球菌は4000円助成。

練馬区:HPVとHibが全額助成だが、肺炎球菌は5000円を2回助成。根拠は不明・・

奥多摩町:HPVは全額助成だけれど、赤ちゃんのワクチンに助成なし(TT)??

中野区:HPVワクチンは8000円助成、Hibと肺炎球菌は3000円それぞれ助成。全部自己負担あり。

HPVワクチンの自己負担はいくらかというと、昭島市が7500円、世田谷区5000円、他は1000円〜1600円が多い。
Hibは助成無しから800円〜4000円まで幅広く、肺炎球菌は1100円から6000円までありました。


次に
2)VPDを知って子どもを守ろう会(日赤医療センター小児科顧問)の薗部先生によるレクチャー

有害事象と副作用の違い、ワクチンの冤罪の歴史、SIDS、今後あるべき有害事象/副作用調査、定期化の必要性について。

----------------------------
ワクチンがなかった時代(1950年代)と、最近数年での1年間での当該感染症での
死亡者数の比較(北里大学 中山先生のデータの紹介)

百日咳     10,000〜17,000人 (0−5人)
ジフテリア   2,000〜3,800人  (0人)
破傷風     2,000人      (10−15人)
ポリオ     数百〜1000人   (0人)
麻疹      数千〜20,000人  (0−2人)
風疹    1964‐5年の沖縄での先天性風疹症候群 408例
日本脳炎    2,000人前後(0−2人)
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薗部先生は小児の循環器の専門医で、心臓に問題のある子どもが産まれてくるのは100人に1人の頻度いることや、不整脈の子どもの場合は、解剖をしてもわからないといったことも説明がありました。


3)質疑
メディアから。
質問:日本はなぜWHOの意向に沿わないのか?
質問:今日のような話は定期接種化につながっていくか?
質問:同時接種をしない医師は何人くらいいるのか?

薗部先生も指摘されていましたが、お役所が言葉の定義を不明確に場当たり的に使い分けると混乱が生じます。
有害事象、副反応については、文書上も一本化していただきたいですね。

厚労省自身は、2009年の書類として下記のように書いているんですが、それ以後も今にいたるまで、なぜか副作用として語ったり書いたりするので新聞がそのままワクチンの副作用という表現をしているんじゃないかというご指摘もありました。

ここはあまり気にしていないからなのか、意図的なのかよくわかりませんとのこと。

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[厚生労働省HP] 「予防接種後副反応報告制度について」

予防接種後副反応報告は、医師が予防接種後の健康被害を診断した場合又は市町村が予防接種を受けた者若しくはその保護者等から健康被害の報告を受けた場合に、「定期(一類疾病)の予防接種実施要領」(平成17年1月27日健発第0127005号厚生労働省健康局長通知別紙)及び「インフルエンザ予防接種実施要領」(平成17年6月16日健発第0616002号厚生労働省健康局長通知別紙)に基づき厚生労働省へ報告するものである。

当該報告制度は、予防接種後の被接種者の健康状況の変化についての情報を収集し広く国民に提供すること及び今後の予防接種行政の推進に資すること等を目的として、平成6年の予防接種法改正に伴い実施されてきたものであり、本集計報告書は、厚生労働省に報告された予防接種後副反応報告書を、報告基準にある臨床症状ごとに単純集計し、まとめたものである。
当該報告制度の留意点は以下のとおりである。

(1)本報告は、予防接種法に基づく定期接種として実施された予防接種を対象としており、いわゆる任意の予防接種は報告・集計の対象とはなっていない。

(2)報告するかどうかの判断は報告者が行うため、各都道府県の接種対象者人口などを考慮しても報告数に県ごとのばらつきが大きく、副反応数の発生率などについてはこのデータからは分析できない。
ワクチン別の副反応発生頻度については本報告ではなく、平成8年度より実施している予防接種後健康状況調査事業の報告書を参照していただきたい。

(3)本報告は、予防接種との因果関係の有無に関係なく予防接種後に健康状況の変化をきたした症例を集計したものであり、これらの症例の中には、予防接種によって引き起こされた反応だけでなく、予防接種との関連性が考えられない偶発事象等も含まれている。

集計に当たっては、予防接種との因果関係がないと思われるもの、もしくは、報告基準の範囲外の報告等についても排除せず、単純計算してまとめている。

(4)本報告は、予防接種健康被害救済制度と直接結びつくものではない。救済措置の給付を申請する場合には、別途、各市町村でまとめた書類の提出が必要である。
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次の会議までに用語の解説や定義というような資料ができると混乱解消につながるのでは・・・

日本薬学会 用語解説「有害事象」 

"薬物との因果関係がはっきりしないものを含め、薬物を投与された患者に生じたあらゆる好ましくない, あるいは意図しない徴候,症状,または病気" 因果関係がわかっているものは有害反応。

製薬会社と医師による有害事象の評価の違いについて参考資料。 日本医師会資料

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