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Channel: 感染症診療の原則
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教員とワクチン

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昨日の宮崎県の中学校教員が麻疹・・・のニュースをきっかけに調べてみました。

『学校教職員における麻疹の罹患歴,接種歴,抗体保有状況,および効果的ワクチン接種方式の検討』感染症誌85:263〜267,2011

2009 年に市原市の小・中学校教職員269 名を対象として麻疹の罹患歴,ワクチン接種歴,抗体保有について調べたところ麻疹の罹患歴「不明」は34%,ワクチン接種歴「不明」は52% と多く・・・とありました。

健診時の検体を用いて抗体価も測定されています。
調査結果を、今後の施策や改善につなげるための根拠とプランを提示している素晴らしい研究です。

"本研究においてもアンケート調査では,ワクチン世代において罹患歴および接種歴とも「不明」と答えたものが多く情報そのものの収集は困難であった.

さらに自然感染世代では「不明」を除いた回答中での罹患率62%,接種率62% はこの世代の罹患率ほぼ100% の実態と解離しており,ワクチン世代では「不明」を除いた回答中での罹患率24%,接種率88% はこの世代の接種率80% 程度の実態と解離していないように見えたが罹患歴および接種歴と感受性者の間には関連がなかったことから得られた情報も不正確であった.
これらより罹患歴あるいはワクチン接種歴によって感受性者を判断することには問題があると考えられた."

調査もアンケートだけではなく、倫理員会を通し、事実(血液検査)ベースで検証していく必要がありますね。

"本研究でも市原市の小・中学校教職員において30歳代〜50 歳代の自然感染世代と20 歳代のワクチン世代では抗体の保有状況が大きく異なり,免疫保有者率も自然感染世代の92.9% に比べてワクチン世代では67.3% と明らかに低かった"

ご提案は、1978年以降に生まれた人には2回接種、です。

地域や施設で考える際の参考になります。

※文部科学省・厚生労働省は「学校における麻疹対策ガイドライン」で教職員に対して麻疹のワクチン接種を勧奨しています。

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