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Channel: 感染症診療の原則
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「〜のせい」?  association と causation

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青木編集長、9月上旬すでにヘロヘロしています。
暑さもありますが、直近の要因として、北九州につづいて月曜は横浜で症例検討会がありました。

因果関係あり!?かもしれませんガー、
もちろん常識的に考えて、因子は1つじゃなくて複合的にあるので、これをやめてもヘロヘロ解消にならないという仮説が編集部にはあります。「症例検討会のせいだっ!」とか、ツバばすわけぢゃありません。もちろん、だから仕事を減らしてあげるよ〜!ってことでもありません。

今日は順天堂練馬に出かけます〜。ヘロヘロ度が増すか用量関連性をみましょうか。


さて!

○○は〇〇の原因?因果関係なの? は日常でも医療の中でもよく話題になります。

考えるときに、いくつか軸があります。

一番有名なのはHill’s Criteria。 ヒルの判断基準、がポピュラーな名称でしょうか。

Causation and Hill’s Criteria

え?何それ状態で「〇〇のせいじゃないか」という話をするのは、「わたし、ちょっと何かたりないかも」くらいには思わないといけないとおもいます。

もともとはどこからきているかというと、、、Austin Bradford Hill “The Environment and Disease: Association or Causation?”
Proceedings of the Royal Society of Medicine, 58 (1965): 295-300.
です。

急いで勉強せねば、な人には下記の本がおすすめです。疫学を初期研修や養成課程でばっちり学んでないよー、という場合、手元に1冊・・・ならまずこれでしょうか。
日本語版がありますし。

ここの32ページ〜「因果性の判断基準」 34ページ〜「疫学における一般化」に解説があります。
続く第3章は「疾病発生と因果的効果の測定」。

ロスマンの疫学―科学的思考への誘い篠原出版新社

もとの英語版は2012年6月に改訂版が出ています。

Epidemiology: An IntroductionOxford University Press



ワクチンや治療薬を使用して、有害事象が報告されたときに、どのように因果関係を検討していくのか?

まずもって、現場の医師が「〇〇と関連がありそうだ」なぜならば「〇〇という仮説がたちうるから」と思うところからはじまります。
仮説も思いつかないような場合、しかも複数同条件下で症例が多発しているわけでもないときには、検証や議論自体が難しいですね。
仮説としていかがですか?は専門家にも尋ねられますが、専門家やたくさん症例を見ている先生からして、えー、同意できないなあ、、、と言われたらその先の話はむずかしいです。

(のちの世にひっくり返ることはないとはいえませんガー)

ワクチンと有害事象の因果関係については、昨年8月にIOMがレポートを出しており、あれってどうなの?的話の整理に役立ちます。
Adverse Effects of Vaccines: Evidence and Causality


このブログでも何度も紹介していますが、下記の資料は無料ですし、参考になるとおもいます。
「くすりと有害事象の因果関係」

有害事象を報告しているのは現場のドクター。
PMDAのデータセット 副作用が疑われる症例報告に関する情報
諸外国では、当事者や周囲の人からの報告も集めています(なので、分母にはいろいろまじっていますが)



そのほかの注意点ですが、、、

ラボ好きなんだよね〜というかたはラボのお作法にお詳しいのでしょう。

人間の反応を扱うデータの研究はもっと複雑。それぞれのモデル、因子、解析、結果、解釈上の「限界」を知り、言っていいこととマズイことというお作法をこれまた勉強しないと語れません。

下記は学部生には難しいですが、修士論文指導をする人には買ってもらっています。

調査観察データの統計科学―因果推論・選択バイアス・データ融合 (シリーズ確率と情報の科学)岩波書店

政策研究のお作法はまた別に存在します。
感染症関係に限定した話題になりますが、また別の記事で参考資料等もご案内したいとおもいます。

個人の体験、主観、と統計の数字はまた別モノです。
困っています・・・・というお話はまずよく聞きましょう。

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