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Channel: 感染症診療の原則
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高齢者とこどもの O157

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年間を通じてアウトブレイクはおきていますが、死亡例が複数でていることと、平時の3倍ということで札幌でのO157の報道が続いています。

「O157 高齢者施設以外でも 昨年の3倍」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/396303.html

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新たに80代女性死亡 O157集団感染 2012年08月14日 朝日新聞地方版

発症者100人に
 道央10カ所の高齢者施設で多数の入所者らが下痢や腹痛などの症状を訴え、腸管出血性大腸菌O(オー)157に感染した100歳代の女性1人が死亡した問題で、札幌市保健所は13日、市内の病院に入院していた80歳代の女性が死亡したと発表した。亡くなったのは12日夜で、便からO157が検出されたという。札幌市保健所と道食品衛生課によると、発症者数は13日午後5時現在、札幌市保健所管内は5人増えて54人、苫小牧保健所管内は1人増えて16人。新たな発症者がいない江別、千歳保健所を合わせて100人に上っている。
 また、札幌市保健所は、市内の4歳の女児がO157で11日に死亡した、と13日深夜に発表した。
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・・・深夜に発表(- -;)。

複数地域で同時におきていることが疫学的にリンクがあるのかどうかはまだ報じられていませんが、遺伝子情報や共通食材などの情報がそのうちでてくることでしょう。全部が関連しているのかはわかりません。
政令市と都道府県の両方で同時発生しているときに、情報共有や連絡がうまくいかないことが過去にもおきています。
札幌市も保健所のHPにも特に今日の時点でアナウンスはありません。

いずれにしても、集団事例になりやすい病原体なので、どの地域でも日々の衛生管理について見直しをできるといいですね。

「感染症発生動向調査からみたO157、O26、O111以外のO血清群による腸管出血性大腸菌感染者報告数の推移、2005〜2009年」IASR 2010年7月

「老人福祉施設における腸管出血性大腸菌O157集団食中毒事例について─福岡県」2012年5月

「死亡者が確認された高齢者福祉施設における腸管出血性大腸菌O157感染症集団事例−東京都」IASR 2004年

「特別養護老人ホームで発生した腸管出血性大腸菌O157感染症集団発生−埼玉県」IASR 2001年

「保育所で発生した腸管出血性大腸菌O157による集団感染事例−富山県」IASr 2007年
「保育園で発生した腸管出血性大腸菌(O157)集団感染事例―福岡市」IASR 2009年
「保育所における腸管出血性大腸菌O157集団感染事例、2008年―大阪府」IASR 2008年

どの世代でも発症報告はありますが、重症化や死亡リスクが高いのはこどもと高齢者。

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