北海道でO157が原因とみられるアウトブレイクについて、原因が白菜の浅漬けだろうという発表が行われました。
札幌や北海道、関係者の対応はたいへん迅速ですね。
施設や対応にあたった関係者の皆様は、お盆休みのなか、たいへん御苦労があったとおもいます。
おつかれさまです。
「O157集団感染 白菜浅漬け9施設で提供」 8月15日 朝日新聞
"Know your disease" 語る際の病原体の特性を良く知りなさい、は感染症を学ぶ際の基本ですが、O157のこのようなアウトブレイク報告は過去にいろいろありますので、加熱できない食材/メニューで、発症者に共通して摂取されているものをまず考えます。
何を食べましたか?という調査、食べた人と食べていない人での差は「喫食調査」(きっしょくちょうさ)で把握します。
昔と違って、流通の発達により、食材は世界各地全国各地から届いて食卓に並ぶ時代です。
このため、場合によっては北海道だけでなく出荷先の各地で散発する defuse oubreakになることもあります。
現場や公衆衛生関係者は、このような場合、まず被害拡大を食い止めるための作業を優先します。バックヤードには衛生研究所などラボの専門家の人たちが検体から得た菌の相同性等を検討し疫学調査チームにフィードバックをします。
現在、このevidenceの重要性が増しています。
例えば、「うたがい」の時点で発表をしたら、実は後でちがっていた(別のものが原因だった)とわかることがあります。
記憶に新しいのは、米国での事例ですが、最初はトマトだ、、、といわれて自主回収までしたのですが、実際にはハラペーニョだった事案があります。
疑いの時点でも自主回収をしたり規制をすることは、被害拡大防止のために時に必要な決断ですが、業者や同一食品、生産地域に関連する風評被害、その他巻き込まれる人も別途いますので、なるべくその可能性や確実性を検討した上で行われます。
症例の検体から得た菌が一緒でも、それだけでは不十分で、元の食材まで遡及(trace back)できることが重要です。畑の時点での汚染なのか、流通の段階での汚染なのか、加工の段階なのか、調理室での汚染なのか、いくつかのシナリオを同時検討します。
(怖いのは、ストーリーにぴたっとはまったときで、実際には複数の別要因でのアウトブレイクがおきているのに、全部同じだと「思い込まれたり」する時です。だからラボでの検証はとても重要)
「感染症疫学」の基礎研修では、このようなことを勉強します。
FETPの初期研修や、青森県がはじめたような自治体での地域関係者連携講習会などに参加したり、このようjな研修企画をすると学べると思います。
公衆衛生と臨床の人のネットワークにも役立ち、今回のような迅速な地域対応にもつながりますので、おすすめです♪
(関心あるかたはメールでブログ編集部までお問い合わせください。講師の紹介や研修プログラム立案をお手伝いできます)
厚生労働省 食中毒調査マニュアル
アウトブレイクの危機管理―感染症・食中毒集団発生事例に学ぶクリエーター情報なし医学書院
札幌や北海道、関係者の対応はたいへん迅速ですね。
施設や対応にあたった関係者の皆様は、お盆休みのなか、たいへん御苦労があったとおもいます。
おつかれさまです。
「O157集団感染 白菜浅漬け9施設で提供」 8月15日 朝日新聞
"Know your disease" 語る際の病原体の特性を良く知りなさい、は感染症を学ぶ際の基本ですが、O157のこのようなアウトブレイク報告は過去にいろいろありますので、加熱できない食材/メニューで、発症者に共通して摂取されているものをまず考えます。
何を食べましたか?という調査、食べた人と食べていない人での差は「喫食調査」(きっしょくちょうさ)で把握します。
昔と違って、流通の発達により、食材は世界各地全国各地から届いて食卓に並ぶ時代です。
このため、場合によっては北海道だけでなく出荷先の各地で散発する defuse oubreakになることもあります。
現場や公衆衛生関係者は、このような場合、まず被害拡大を食い止めるための作業を優先します。バックヤードには衛生研究所などラボの専門家の人たちが検体から得た菌の相同性等を検討し疫学調査チームにフィードバックをします。
現在、このevidenceの重要性が増しています。
例えば、「うたがい」の時点で発表をしたら、実は後でちがっていた(別のものが原因だった)とわかることがあります。
記憶に新しいのは、米国での事例ですが、最初はトマトだ、、、といわれて自主回収までしたのですが、実際にはハラペーニョだった事案があります。
疑いの時点でも自主回収をしたり規制をすることは、被害拡大防止のために時に必要な決断ですが、業者や同一食品、生産地域に関連する風評被害、その他巻き込まれる人も別途いますので、なるべくその可能性や確実性を検討した上で行われます。
症例の検体から得た菌が一緒でも、それだけでは不十分で、元の食材まで遡及(trace back)できることが重要です。畑の時点での汚染なのか、流通の段階での汚染なのか、加工の段階なのか、調理室での汚染なのか、いくつかのシナリオを同時検討します。
(怖いのは、ストーリーにぴたっとはまったときで、実際には複数の別要因でのアウトブレイクがおきているのに、全部同じだと「思い込まれたり」する時です。だからラボでの検証はとても重要)
「感染症疫学」の基礎研修では、このようなことを勉強します。
FETPの初期研修や、青森県がはじめたような自治体での地域関係者連携講習会などに参加したり、このようjな研修企画をすると学べると思います。
公衆衛生と臨床の人のネットワークにも役立ち、今回のような迅速な地域対応にもつながりますので、おすすめです♪
(関心あるかたはメールでブログ編集部までお問い合わせください。講師の紹介や研修プログラム立案をお手伝いできます)
厚生労働省 食中毒調査マニュアル
アウトブレイクの危機管理―感染症・食中毒集団発生事例に学ぶクリエーター情報なし医学書院