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Channel: 感染症診療の原則
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「日本の麻疹排除の行方」 議事録より

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風疹が流行しているため、すっかりメディアの記事は風疹シフトになりましたが、2012年の今年は麻疹排除宣言をするためのとりくみを、この5年間とりくんできました。

この5年という、気長なプランについては諸外国から「本気で排除するつもりがるのか?」等疑問多々ありましたが。特に、先にさっさと排除宣言にいたった韓国の専門家からは、一気に集中的にやるのがコツであるともききました。

なんでですかね?よくわかりませんが、「一斉のキャッチアップキャンペーンをやるだけの国内ワクチン生産インフラがない」という風の噂はありました。1歳児優先ですしね。

韓国は輸入して対応したのだときいています。

(実際、輸入だと治験とか、、承認しても検定とか、、、いろいろプロセスがたいへんなわけです)

5月に麻疹対策の会議があり、議事録が公開されたと厚生労働省新着メールにあったので、感染症に関わる方はぜひ読んでみましょう。

麻疹だから? そうですね。

日本には、「特定感染症予防指針」を定めている(国として体制を整えて取り組む)感染症ががあります。
エイズ、結核、STD、インフルエンザ、そして麻疹です。

感染症に関わる人たちはその枠組みや現況を知っておく必要があります。

議事録リンクはこちら

冒頭あいさつの、会議とりしきりをされているのは難波江先生。
厚労省の結核感染症課から国立感染症研究所のFETPに参加された(コース開設以来初)ドクターです。国際経験も豊富。

健康局長の現況説明:
「麻しんの排除に向けた取組につきましては、皆様方をはじめ関係者のご尽力によりまして、平成22年度の第1期の予防接種率が95%を超えるなど、着実に実施されてきておりまして、国内での患者数は平成19年には1万人以上でしたが、平成23年には400人程度と大幅に減少しております。
しかしながら現時点ではWPROが定めます麻しんの排除の基準には達しておりませんで、さらなる対策の推進を検討する必要があると考えております。また、輸入例を発端とする事例の割合が増していることなど、直近の状況への対応も必要となってきております。」

学校との連携が大事なので、文科省の協力が必要。
参考人として(もっとワンランク上の扱いでもいいと思いますが)文部科学省スポーツ・青少年局学校健康保健教育課の有賀学校保健対策専門官が参加。


現状を説明するのは、国立感染症研究所 感染症情報センターの島田先生。

「麻しんについて3つあります。1つは報告数全体の中で成人の占める割合が増加していること。2つ目は地域流行がまだ観察されている。つまり、麻しんウイルスに対する感受性者が一定数存在すると思われること。3つ目は、検査結果に対する判断について問題点が明らかになったことです。風しんについては、昨年に引き続き地域流行が認められておりまして、先天性風しん症候群のリスクが高まっていることです。

文科省からの発言。

「学校における麻しん対策ガイドラインの策定から始まり、その後、ガイドラインなどを受けて、麻しんの予防接種勧奨リーフレットの作成、送付を毎年やっております。平成22年度についてはタイアップポスターということで、子どもたちに配るリーフレットだけではなく、日本医師会、文部科学省と連携したポスターを作って配布しております。
 先に、4の「接種の促進に関する通知・事務連絡」です。こちらは基本的には厚生労働省から出された通知に則って、特に学校に関係の深いものに関しては、そのまま教育委員会を通じて学校で周知を図っていただくようにということで送っているものです。ほとんど厚労省のものと被るので、一つひとつ読み上げることは省略します。
 また、それを受けて3ですが、毎年「健康教育行政担当者連絡協議会」が5月、6月の時期にあって、そこでは都道府県及び政令指定都市の学校保健担当が来ていますが、そこで必ず麻しんについての話はしております。平成24年度についても5月、6月に予定されておりますので、その際にお話できればと思っています。文部科学省からは以上です。」

関心ある方は続きをリンク先で。

これは国の対策会議ですが、実際の取り組みは地域で行われています。
皆様の地域では、このような会議の場で、皆様の意見が反映されることを期待しております。

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