大学で教えている人は、学生さんに挑戦してもらってみてください。(以下、4−5回学生に実施した話を組み合わせています。フィクションであってほしいけどノンフィクションです)
お題「赤ちゃんが産まれる/産まれた 保護者の立場になって日本語で予防接種情報を探してください」「どこに情報があったか、十分な情報提供をしているところはどこだったか教えてください」
多くの学生が「厚生労働省」のホームページにいきます。
トップページから該当カテゴリーにいくべきなのですが、ここで学生が「健康・医療」なのか「子育て」なのか悩みます。
えーっと、、、と悩むうちに上に検索欄があることに気づきます。ここでエイっと「予防接種」検索をします。
そうすると「予防接種情報」がよさそうなのでクリックします。(他は「新型インフルエンザ」「ポリオ」など各論すぎるので)
(この並びにどのような意味や優先順位があるのか。慣れていない方にはわからないと思います)
このページの上の方をみると、厚労省のページ構成が
「ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 健康 > 感染症情報 > 予防接種情報」
だとわかります。
まともにクリッククリッククリックすると4回くらいしないといけないんですね。
そして、最初は「子ども・子育て」ではなく「健康・医療」にいくべきだったことがわかります。
スケジュールはどこかしら? あ、ありました!左の真ん中あたりに。タイトルは『役立つ情報』です。
でも役立つ情報はこれしかありません。『役立つ』というより、これは超基本情報なのではないでしょうか。
クリックすると、「国立感染症研究所」のサイトにジャンプします。連携プレーです。
ここで気の早い学生が言います「あ!見つけました!けっこう簡単!」
----------------------2012年5月24日アクセス時点----------------------
(日本の小児における予防接種スケジュール)
※2012年4月1日以降変更予定スケジュール↓
4つのPDFの画像があります。しかし、最後の20歳以上のスケジュール
は「作成中」で開けません(ToT)まあいいか。大人はあとまわし。
---------------------------------------------------------------------
よし!乳幼児用のスケジュール表をクリック!。。。と、その時別の学生がいいます。
「あの〜私、厚労省じゃなくってえ、Googleで検索しちゃったんですけどお。ぶいぴーでぃ(VPD)って会もスケジュール書いてあるんですけどお。けっこう見やすいかも〜パステル調で目にやさしい〜」
なるほど。そうきましたか。
そうすると別のところから「自分もネット検索で日本小児科学会のスケジュールを見つけました〜」
「スケジュール表だけじゃなくて記録シートとか、新しく変わったところの解説とか親切だと思います!」
・・・ということで3つのスケジュールをダウンロードして見比べることにしました。
実は他にも製薬会社のHPにスケジュール表があったりします。こりゃまたなぜ(ToT)
しかし、結論は出ません。微妙に違いもあります。
−さて、あなただったらどれをもとに子どもの接種計画をたてる?
「国民なんだから国の情報が基本じゃね?」
「でもこれ誰が決めたか書いてないよ?研究所が決めるものなの?」
「ワクチン接種をしている小児科医が一番いいんじゃ?専門家がいっぱいいて決めている感じする」
「VPDの会も誰がどうやって決めたのかわからないよ。でもおすすめって書いてあるね」
「もう、わからないから誰かに決めてもらいます。かかりつけの小児科医にお願いっ!」
「そうだ!母子手帳どおりにすればいいんじゃ?」
「区のホームページに書いてあるとおりでいいんじゃ?だってお金も出してくれるって書いてあるし」
「あれ、渋谷区と江東区で内容がちがう!」 ぶひぶひぶひ、、、、部屋が騒がしくなってきました。嫌な予感。
と、その時、米国で生まれ、オーストラリアとイギリスで育った、お父さん米国人、お母さん日本人の学生が爆弾発言をします。
「なんか、うさんくさくないですか?」 まさか陰謀っていうんじゃ・・・
「私はやはり日本語の情報だけでは不安ですっ!」 ちがった(^^;)
そ、そお? じゃあ、英語もみてみる?
と、ここで広報のプロが常勤で複数正規職員として雇用されている米国CDCのサイトを見ることに。
「トップページには予防接種にダイレクトにとぶバナーはないね」「じゃ、用語検索しようか」
上にアルファベット検索があるので、キーワードから探せます。Immunization(いみゅないぜーしょん)とかVaccine(わくちん)がよさそう。
Immunizationですぐヒット。 全員「クリックすくなーい♪はやーい」
Scheduleをクリックすると、4つのファイル。6歳まで、7−17歳まで、18歳以上。
しかも、当事者(保護者)用とは別に、医療専門職用のファイルもあります。親切〜。
そして右側をみると、Recommendation and Guidelineがあり、ACIPというスケジュールやプログラムへの採用に関わる専門家や関係者が審査や討議をしたうえでこのプログラムがあることがわかります。
「誰が決めているのかってだいじじゃない?」 上の製薬会社のスケジュール表は下の方にすっごくすっごく小さく、小児科学会のスケジュールを製薬会社の責任のもとに改変ってかいてあるわけですよ。(本当は内容によるのかもしれませんが)製薬会社が「改変」って書いちゃっていいんでしょうか。小児科学会がOKならOKなのかな。
同じく右上VISという各ワクチンの説明シートは、英語以外にも多言語のファイルが掲載されています。
「さすが人種のるつぼだねえ」なにそれ
「日本だって外国籍の人いるけど・・・。新宿区とかって多言語の予防接種の説明資料とかHPに載せているのかな?」(のせてません)
「テレビでやっていた日系ブラジル人が多い群馬県大泉町のHP・・・のトップページにはポルトガル語なし。検索でひっかかったところもコンテンツ薄。で、あの手この手でたどりついたサイトのワクチンの説明は、、、読めません(ToT)
「CDCで今話題のポリオワクチン情報を見てみよう。」
「日本語の説明PDFありました」
−で、なんて書いてあるんで?
「・・・読んでもよろしいでしょうか皆さま。深呼吸はよろしいでしょうか。この資料はUpdateされていない古いバージョンです。古いんですが・・」
どれくらい古いの?
「に、2000年1月1日です」うーん。12年前ね・・・で、なんてかいてあるのでしょう?
「経口ポリオワクチン 勧めていません・・・です(ToT)」
「12年ってさー子ども生まれてたらもうすぐ中学生じゃん!」
−じゃ、じゃあ、他の国はどうかなっ?
「シンガポールはオンラインサービスとして、IDとパスワードで個人情報記録ができるようになっていますね」
「へーすごい。IT国家だねえ」(日本もだよ?)
「よくある質問コーナーもあります」
「このMythってなんですか?」
-あ、それはワクチンについてよくある誤解(神話)の説明だとおもいます。スケジュールはみつかりましたか?
「ありました!。微妙に日本と接種する月が違いますが・・・」
「あ、下の方に保護者に支援情報があります。Baby Bonusって響きがなんだか魅力的。」ちゃんと調べて調べて・・・
-国によって何か月で接種するか間をどれくらいあけるかは違うので、帰国された方が継続して接種を希望する場合は、接種していた国のスタンダードもまず調べてくださいね」
「でもー、そのワクチン日本になかったらどうするんですか?」
どうしましょう。相談できそうなのはIDATENくらいでしょうか・・。
輸入代行さんに相談しないといけなくなるかも?
それとも、近くの国にありますからちゃちゃっといってください、とか。(飛行機代どうすんねん)
(バンコクとかシンガポール、台湾あたりで実際カタつきそうな)
「かかりつけで相談」とか「保健所で聞いて」ですまないので、どこに聞けばいいのか教えてほしい。。。。と問い合わせる先がどこだかさえよくわからない、いったい、全体の責任者は誰?の2012年5月24日・・・。
比較検討の末、日々最新情報を検討している専門医がいて、これまでにも提言をしている「日本小児科学会」のスケジュールをブログ編集部ではおすすめしています。違う意見の人もいると思います。
さらに、根拠を示す研究をたくさんしている国、戦略や新規ワクチン採用の審査が厳しい国、モニタリング制度がしっくりしている国、ACIPのような組織が機能している国、、、の情報を参考に微調整を考えます。最終的にはワクチンは個別性重視、ケースバイケースなので。
最終的に、1つのスケジュールを小児科学会、感染症学会、プライマリケア学会連合、公衆衛生学会などが一緒に推奨してくれるといいんだけどなあ〜。
<地域格差>
<世界でB型肝炎ワクチン接種3回済みの子どもの割合>
お題「赤ちゃんが産まれる/産まれた 保護者の立場になって日本語で予防接種情報を探してください」「どこに情報があったか、十分な情報提供をしているところはどこだったか教えてください」
多くの学生が「厚生労働省」のホームページにいきます。
トップページから該当カテゴリーにいくべきなのですが、ここで学生が「健康・医療」なのか「子育て」なのか悩みます。
えーっと、、、と悩むうちに上に検索欄があることに気づきます。ここでエイっと「予防接種」検索をします。
そうすると「予防接種情報」がよさそうなのでクリックします。(他は「新型インフルエンザ」「ポリオ」など各論すぎるので)
(この並びにどのような意味や優先順位があるのか。慣れていない方にはわからないと思います)
このページの上の方をみると、厚労省のページ構成が
「ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 健康 > 感染症情報 > 予防接種情報」
だとわかります。
まともにクリッククリッククリックすると4回くらいしないといけないんですね。
そして、最初は「子ども・子育て」ではなく「健康・医療」にいくべきだったことがわかります。
スケジュールはどこかしら? あ、ありました!左の真ん中あたりに。タイトルは『役立つ情報』です。
でも役立つ情報はこれしかありません。『役立つ』というより、これは超基本情報なのではないでしょうか。
クリックすると、「国立感染症研究所」のサイトにジャンプします。連携プレーです。
ここで気の早い学生が言います「あ!見つけました!けっこう簡単!」
----------------------2012年5月24日アクセス時点----------------------
(日本の小児における予防接種スケジュール)
※2012年4月1日以降変更予定スケジュール↓
4つのPDFの画像があります。しかし、最後の20歳以上のスケジュール
は「作成中」で開けません(ToT)まあいいか。大人はあとまわし。
---------------------------------------------------------------------
よし!乳幼児用のスケジュール表をクリック!。。。と、その時別の学生がいいます。
「あの〜私、厚労省じゃなくってえ、Googleで検索しちゃったんですけどお。ぶいぴーでぃ(VPD)って会もスケジュール書いてあるんですけどお。けっこう見やすいかも〜パステル調で目にやさしい〜」
なるほど。そうきましたか。
そうすると別のところから「自分もネット検索で日本小児科学会のスケジュールを見つけました〜」
「スケジュール表だけじゃなくて記録シートとか、新しく変わったところの解説とか親切だと思います!」
・・・ということで3つのスケジュールをダウンロードして見比べることにしました。
実は他にも製薬会社のHPにスケジュール表があったりします。こりゃまたなぜ(ToT)
しかし、結論は出ません。微妙に違いもあります。
−さて、あなただったらどれをもとに子どもの接種計画をたてる?
「国民なんだから国の情報が基本じゃね?」
「でもこれ誰が決めたか書いてないよ?研究所が決めるものなの?」
「ワクチン接種をしている小児科医が一番いいんじゃ?専門家がいっぱいいて決めている感じする」
「VPDの会も誰がどうやって決めたのかわからないよ。でもおすすめって書いてあるね」
「もう、わからないから誰かに決めてもらいます。かかりつけの小児科医にお願いっ!」
「そうだ!母子手帳どおりにすればいいんじゃ?」
「区のホームページに書いてあるとおりでいいんじゃ?だってお金も出してくれるって書いてあるし」
「あれ、渋谷区と江東区で内容がちがう!」 ぶひぶひぶひ、、、、部屋が騒がしくなってきました。嫌な予感。
と、その時、米国で生まれ、オーストラリアとイギリスで育った、お父さん米国人、お母さん日本人の学生が爆弾発言をします。
「なんか、うさんくさくないですか?」 まさか陰謀っていうんじゃ・・・
「私はやはり日本語の情報だけでは不安ですっ!」 ちがった(^^;)
そ、そお? じゃあ、英語もみてみる?
と、ここで広報のプロが常勤で複数正規職員として雇用されている米国CDCのサイトを見ることに。
「トップページには予防接種にダイレクトにとぶバナーはないね」「じゃ、用語検索しようか」
上にアルファベット検索があるので、キーワードから探せます。Immunization(いみゅないぜーしょん)とかVaccine(わくちん)がよさそう。
Immunizationですぐヒット。 全員「クリックすくなーい♪はやーい」
Scheduleをクリックすると、4つのファイル。6歳まで、7−17歳まで、18歳以上。
しかも、当事者(保護者)用とは別に、医療専門職用のファイルもあります。親切〜。
そして右側をみると、Recommendation and Guidelineがあり、ACIPというスケジュールやプログラムへの採用に関わる専門家や関係者が審査や討議をしたうえでこのプログラムがあることがわかります。
「誰が決めているのかってだいじじゃない?」 上の製薬会社のスケジュール表は下の方にすっごくすっごく小さく、小児科学会のスケジュールを製薬会社の責任のもとに改変ってかいてあるわけですよ。(本当は内容によるのかもしれませんが)製薬会社が「改変」って書いちゃっていいんでしょうか。小児科学会がOKならOKなのかな。
同じく右上VISという各ワクチンの説明シートは、英語以外にも多言語のファイルが掲載されています。
「さすが人種のるつぼだねえ」なにそれ
「日本だって外国籍の人いるけど・・・。新宿区とかって多言語の予防接種の説明資料とかHPに載せているのかな?」(のせてません)
「テレビでやっていた日系ブラジル人が多い群馬県大泉町のHP・・・のトップページにはポルトガル語なし。検索でひっかかったところもコンテンツ薄。で、あの手この手でたどりついたサイトのワクチンの説明は、、、読めません(ToT)
「CDCで今話題のポリオワクチン情報を見てみよう。」
「日本語の説明PDFありました」
−で、なんて書いてあるんで?
「・・・読んでもよろしいでしょうか皆さま。深呼吸はよろしいでしょうか。この資料はUpdateされていない古いバージョンです。古いんですが・・」
どれくらい古いの?
「に、2000年1月1日です」うーん。12年前ね・・・で、なんてかいてあるのでしょう?
「経口ポリオワクチン 勧めていません・・・です(ToT)」
「12年ってさー子ども生まれてたらもうすぐ中学生じゃん!」
−じゃ、じゃあ、他の国はどうかなっ?
「シンガポールはオンラインサービスとして、IDとパスワードで個人情報記録ができるようになっていますね」
「へーすごい。IT国家だねえ」(日本もだよ?)
「よくある質問コーナーもあります」
「このMythってなんですか?」
-あ、それはワクチンについてよくある誤解(神話)の説明だとおもいます。スケジュールはみつかりましたか?
「ありました!。微妙に日本と接種する月が違いますが・・・」
「あ、下の方に保護者に支援情報があります。Baby Bonusって響きがなんだか魅力的。」ちゃんと調べて調べて・・・
-国によって何か月で接種するか間をどれくらいあけるかは違うので、帰国された方が継続して接種を希望する場合は、接種していた国のスタンダードもまず調べてくださいね」
「でもー、そのワクチン日本になかったらどうするんですか?」
どうしましょう。相談できそうなのはIDATENくらいでしょうか・・。
輸入代行さんに相談しないといけなくなるかも?
それとも、近くの国にありますからちゃちゃっといってください、とか。(飛行機代どうすんねん)
(バンコクとかシンガポール、台湾あたりで実際カタつきそうな)
「かかりつけで相談」とか「保健所で聞いて」ですまないので、どこに聞けばいいのか教えてほしい。。。。と問い合わせる先がどこだかさえよくわからない、いったい、全体の責任者は誰?の2012年5月24日・・・。
比較検討の末、日々最新情報を検討している専門医がいて、これまでにも提言をしている「日本小児科学会」のスケジュールをブログ編集部ではおすすめしています。違う意見の人もいると思います。
さらに、根拠を示す研究をたくさんしている国、戦略や新規ワクチン採用の審査が厳しい国、モニタリング制度がしっくりしている国、ACIPのような組織が機能している国、、、の情報を参考に微調整を考えます。最終的にはワクチンは個別性重視、ケースバイケースなので。
最終的に、1つのスケジュールを小児科学会、感染症学会、プライマリケア学会連合、公衆衛生学会などが一緒に推奨してくれるといいんだけどなあ〜。
<地域格差>
<世界でB型肝炎ワクチン接種3回済みの子どもの割合>