様々な困難と闘いながら若手医師を育てる岡秀昭先生を埼玉医大総合医療ｾﾝﾀｰに訪ねました。COVID-19の各症例の医局検討会にも参加させて頂きました。
強く感じた事は次の1点でした。
今までは全く新しい感染症に対して、最前線で最適な診療を求めて試行錯誤を繰り返す感染症の仲間達の奮闘が必要だったかも知れません。しかし今日、COVID-19は極めてシンプルで標準化された診療で対処する疾患になっています。それ故に、
これから大量に生まれるCOVID-19は、より多くの医療機関のより多くの医療従事者で担えるし、担うべきです。
COVID-19をかつてのHIV感染症のように、ことさらに特別視して特殊な感染症として特定の施設にその診療を押しつける愚を繰り返してはなりません。HIVの時はそのSTIという性格上、地域や国家に広がる速度は緩やかであったため特殊な施設にその診療を委ねて（押しつけて）も何とかなりました。しかし飛沫・空気で拡散し水痘と同じ感染力を持つCOVID-19の拡散速度は比較にならないほど速いものです。
医療の逼迫の内実、それはCOVID-19に対する特別視とそれがもたらす一部の医療機関、医療従事者のみに対する負荷かも知れません。