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Channel: 感染症診療の原則
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小学校での髄膜炎菌アウトブレイク

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4月24日は世界髄膜炎デーでした。

細菌が原因の場合もあれば、ウイルスが原因の場合もあります。

世界各地で催し物がありました。
バンクーバーでのトラベルクリニックでは通常130ドルの髄膜炎菌ワクチンを50ドルオフの
80ドルで提供

このワクチンは、日本でも流行地にでかける渡航者や、事故や病気の治療のため脾臓を摘出した人や脾臓の働きが悪い人,血中補体成分の一部(C3,C5, C9)が欠乏している人が接種をしています。
(国内未認可)

ルチンに接種するかは、流行レベルによるわけですが、数はすくないながらも10例に1例が死亡し、それは発症から24-48時間という早期におこりえるので、どのような病気かを知っている人にとっては怖い病気のひとつです。
When you have meningitis, the clock is ticking…


(病気のことを詳しく知りたい方は横浜市衛生研究所の髄膜炎菌性髄膜炎の説明をおすすめします)


感染症法上、医師が診断したら報告をすることになっていますが、日本ではなぜか髄膜炎菌性髄膜炎は「7日以内の報告」となっており、諸外国が迅速対応をしているのと比較するとオリジナルな対応です。(接触者調査など対応に出遅れるリスクがあります)


アフリカ等では毎年大勢の人が死亡する感染症ですが、欧米でも思春期〜大学生でアウトブレイクがときどきおこります。
テキサス州では2012年1月から、正規の大学生は全員、髄膜炎菌ワクチン接種をすることが法律で勧奨されるようになりました。

2010年オハイオ州立大学でのアウトブレイク 
Meningitis outbreak sets off probe at Ohio University
2010年コロラド州でのアウトブレイク
Meningitis outbreak prompts wider call for shots

イギリスでも大学の保健センターがワクチン接種勧奨をしており、日本から留学する際に助言する項目のひとつとなっています。


4月6日のMMWRには小学校でのアウトブレイク事例が報告されていました。

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Elementary School-Based Outbreak of Meningococcal Disease :Oklahoma, March 2010

2010年3月にオクラホマ州の小学校で髄膜炎菌感染症例が発生。この事例では5例入院、うち2例死亡。

アメリカでは髄膜炎菌ワクチン定期接種が11-12歳であり、今回の症例群である小学生(5-7歳)はワクチン未接種でした。

2010年3月10日、生徒Aが髄膜炎菌性髄膜炎疑いで入院したことが公衆衛生局に報告されました。
当局は接触者調査を開始し、同居人4名が抗生剤の予防内服。濃厚接触者1名についても予防内服するよう助言が行われました。

翌朝の3月11日、2時間の間に、疑い患者生徒B(死亡例)、C、Dが報告されました。
A〜Dの4人の生徒はプレスクールから小学校に通学しており、全体で1850人がその施設にいました。

公衆衛生当局はアウトブレイク対策チームを発足させ、予防内服対象者や短期保護対象者を選定。
443名の生徒と50名の職員/保護者が内服対象となり、
American Academy of Pediatrics のガイドラインが推奨する経口リファンピン内服(4 doses over 2 consecutive days)またはセフトリアキソンの筋注(single-dose)が行われました。
低年齢児にはセフトリアキソンが選択されました。

午後4時に、公衆衛生局は生徒Dが死亡したと告げられ、さらに低学年の生徒2名(生徒Eと生徒F)が入院したことを把握。
対策チームはさらに接触者調査の対象を拡大し対応にあたりました。
3月11日、12日には16時間をかけて846名への曝露誤予防対応が行われました。

濃厚接触者に対して行われる予防的抗生剤投与とワクチン接種について、その必要経費を誰が負担するかが検討事項となりました。

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髄膜炎菌ワクチンはACWYとはあったのですが、Bがないことが課題でした。
2012年春には髄膜炎Bのワクチンの認可は間もなくといわれています。

ノバルティスファイザー/ワイスが開発中です。

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