HIV感染症の治療薬が殆どゼロだった20年以上前から編集長を指導し、同時にACTG、CROIといったHIV領域で重要な仕組みを作り上げてこられた、カリフォルニア大学サンディエゴ校感染症科のスクーリ教授のグランドラウンドを拝聴しました。非常にComprehensiveであり全てを御紹介できないのですが、とくに印象に残ったポイントを御紹介したいと思います。
#臨床像・咽頭痛が非常に少なく発熱や乾性咳が多い傾向 (インフルエンザや通常の風邪に比して・・ 勿論、絶対的に区別できないけれども)
#ウイルス排泄Viral shedding・発症「前」から高濃度でウイルス排泄が始まり7-10日ほど続く・2週間ほどで症状は軽減するがPCRの陽性は続く(但し感染性があるかは?)
#例外的に患者数の押さえ込みに成功している3ヶ国、その共通する戦略・香港、シンガポール、タイ・旅行の制限+検疫+個人による隔離(Home isolation, Self-isolation)
#感染人口の割合と感染終息までの時間が医療崩壊の可能性を左右(米国の場合)・18ヶ月で成人の20%が感染するなら、米国に現存する空床でまかなえる。6ヶ月ならば米国の全病床が必要。成人の40%、60%が感染するなら18ヶ月の時間を与えられても現存する空床では全く足りず、場合によっては全ての病床をコロナだけに使用しても足りない。 ちなみに、ある試算によると地球人口(成人)の4-6割が感染して新型コロナは終息する・・。
#その他、印象に残ったコメント・家族内感染が非常に目立った中国・ACE inhibitor(高血圧の治療薬)は、コロナに対する受容体を増やすかも知れないので、別の降圧薬に変えた。 ←(これ、編集長、聴き取れているか自信ない)